『レバレッジ・リーディング』(本田直之著/東洋経済新報社)
ご存知、本田直之氏のレバレッジ・シリーズの1冊。
本田氏の本は、(やや偏見もあり)これまで読んだことがなかったのだが、グロービスの友人の薦めもあり、初めて読んでみた。結果、まったくの食わず嫌いであったことを痛感した。
本書は、ビジネス書の読み方を根本的に見直し、「1時間で1冊読もう!」と言う、著者の実践している読書術を紹介した本である。(小説などはこれに当てはまらない)
実は、手法そのものは、私も自然と実践していた。恐らく、著者と同じくアメリカへの留学経験があるからなんだろうと思う。
アメリカでは同様の手法での読み方を学部に上がる前に教わる。いわゆる「Skim Reading」である。
アメリカの大学ではリーディング課題がとても多く、1日で分厚い本を3,4冊読まなければいけない。当然、読むだけではなく内容を十分に理解しないと授業には付いて行くことすら出来ない。そのため、とにかく短時間に読みこなす技術が必要になる。
書く場合も同じだ。読み手が「Skimming」できるように論文やエッセイなどを纏める技法を教わる。それが出来ていないエッセイは、例え内容がよくとも、良い点数はもらえないのである。
そんなことしているうちに、自然とこの「スキミング術」が身に付く。
当然、反論もあり、本と言うものは作者の一字一句を逃さず、噛み砕いて読むものだと言う意見もあるが、あくまで情報や知識を入手するための一手段と考えると、短時間に効率よく情報を収集・発信するにはとても有効な方法だと思う。
本書の最後に、読後の重要性を「レバレッジ・メモ」を作成すると言う方法で示している。
さすがに相当な勉強家でない限り、読後の「レバレッジ・メモ」を続けて行くのは難しいだろうと思う。確かに読んだ後が大切なのは理解できるが、それを継続・実行していくにはかなりの労力が必要になる気がする。この辺はあまり力まずに、まずは読むことから初めて見てはどうだろうか。