ハミなし頭絡で楽しい馬生活!日本ビットレスブライドル協会

テーマ別に連載形式になっています。テーマ別に最初の記事からお読みください。

蹄病を理解するー7 爪疾患として捉える蹄疾患

2020年03月02日 | 裸蹄管理

  前回より、改めてこの写真。

 以前NHKで介護番組的なものをやってた時、うわ、その爪どう考えても爪水虫でしょ!という感じのおじいさんの爪を介護士の方が爪切りで切って、そのまま次々別の爪も切るシーンがありまして。それじゃあ、その人の爪、全部爪水虫になっちゃうよ~~、とハラハラして見てたもんです。あー自分が認知症にでもなった時、こういうのは覚えてるだろうから、でも、まともに口がきけない、となると、爪切りしようとした介護士さんを蹴っ飛ばして、介護士さんに「クッソばばあ」呼ばわりされるんだろうな~~~、と思うわけです。

 こないだ聞いた話では。「認知症を患ってる父が骨折して、ギプスをはめたのにそれを外しちゃうんですよ」と「困った親父」トーンで話す方に「それ、きっとギプスが超痛いんだと思いますよ。だから外しちゃうんだ。私も3週間で痛くて痛くて外しちゃいましたもの」と答える。これ、本当で、しかも、ギプスの痛みって、外しても延々続くんです。骨炎っぽくなってしまうらしい。しかし、それはレントゲンでは全く感知されない。だから、整形外科医は自分がギプスをしない限りは気が付かないんじゃないかな。専門家なんつっても、そういう点が落第、という医療者は多い。

 あと、こないだ毎日新聞で読んだエッセイ。お父さんが寝たきりになって、口腔清拭をしつつ呼吸チューブを入れる、のを非常に嫌がる。無理に入れる、という事を繰り返していて、ある日、よくよく口腔内を著者の方が見てみたら、なんとお父さんの犬歯がチューブを固定するテープのせいで唇を突き破っていたんだそう、それも2カ所。専門家であるはずの看護師も医者も気づかなかったらしい。嫌がるに決まってる、よね。

 要するに、口がきけない人間や動物が行動で訴えることを「いう事を聞かないダメな奴」で処理して「それを言うこと聞くようにお利口さんになるように」躾けたり強制したり、というのは基本悪事だということです。

 今、馬に対して躾けましょう、調教しましょう、お利口さんにしましょう、がのさばり始めてて、そういうのが犬や人間の子供に対してもまかり通ってますけど、その前に原因を考えるべきなんじゃないの?と。悪いけど、躾の専門家なんか、動物の健康についてはど素人ですからね。一歩間違えれば、ナチスと同じことをやってることになるのさ。馬は大動物だからちゃんとせなイカン、という圧力が強いようですけど、馬が暴れるのはむしろ道具のせい&健康被害のせい、というのが当方の結論。飼い主としても、獣医としても、そう考えざるを得ない。で、原因を思いつくことができるのは飼主だけです。クラブの指導員、「馬の専門家でござい」という連中、馬に乗って10年くらいじゃあんたまだまだですよ、なんてえばる人物、こういう連中にひるむ必要はありません。

 さて、爪疾患として捉えると、どう考えても、馬や牛の蹄疾患の中心は「爪水虫」=すなわち白癬菌感染症と結論付けるわけですが、これに対する反論として「原因菌の特定なんかできない」というのがあります。そりゃそうでしょう。

 こちらはいつも自馬に使っている鉄爪に付着したおがくず等を真菌培養培地で培養してみたものです。

もうね、いろんな雑菌だのカビだのがごちゃごちゃ生えちゃって、何が何だか分からん。馬の蹄底ってこうも汚い。

で、こちらは、自馬の蹄縁をアルコールで消毒して、同じように消毒したヤスリでちょっと削って、それを培養したもの。

こうやってようやく、ほぼ1種類の真菌が生えてきました。というか、消毒したはずの蹄縁から真菌が検出されるってどういうこと?要するに、蹄内に真菌が食い込んでいる状況を示している。原因菌が特定できないのは、そもそもサンプリングに問題があるせいじゃないか。 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿