ご好意により、リリース前に5曲だけ試聴させていただきました。
Jaco Pastorius The Players Club
『ドナ・リー』はリッチー・フランクス(ds)とのデュオ。『ジャコ・パストリアスの肖像』で聞かせた速弾きはないが、リラックスした雰囲気のなかでミディアムテンポでスイング。
《星影のステラ》は、ベースによるテーマの提示の後、リッチー・フランクスのブラシワークとともに音数を絞ったアレックス・ダーキィ(p)のピアノソロへ。スインギーなウォーキングベースの後は太いトーンの長めのベースソロを堪能。ジャコらしいフレーズが満載。
《クル~スピーク・ライク・ア・チャイルド》はハンコックのオリジナルを彷彿とさせるボサノバタッチのオープニング。どちらかというとバッキングに徹した演奏だが、ほどなくして『ジャコ・パストリアスの肖像』で聞かせたお得意のベースラインが登場しアレックス・ダーキーを煽り、3人のテンションも徐々にヒート・アップ。
エレピがアコースティック・ピアノに替わった《コンティニューム》は、『~肖像』に収録された同曲のイメージそのままの演奏。アコースティック・トリオによるこの曲も印象深い仕上がり。
《ポートレート・オブ・トレイシー~アーリー・スラング》は15分を超える長尺もの。序盤にドラムスの絡みがありながらも、終始ジャコのインプロヴィゼーションが支配する。観衆のざわめきも少なく、長時間にわたり皆が聞き入る力演。
今回の音源は1978年の演奏ということでジャコの状態も良く(思える)。ピアノトリオといえばスタジオ録音盤としてはラストレコーディングとなった『スタンダード・ゾーン』があるが、あれはどちらかというと受身の演奏であり、聴いていて悲しくなるので私は好みません。
聴いたのはラフミックスということで、未調整の音源ですが、製品版は大幅に音質が改善されているはずだし、仮に難があったとしても、パッションを感じるのはこのライブ演奏です。
この記事を書いている今日現在、タワーでは12月1日リリースとなっていますが、15日のリリースになる可能性が高いです。
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