『グリーン・ライト』の連続記事三回目となる最終回は収録曲について。全4曲うち2曲がジャコのコンポジションです。
- Ballye De Nina Jaco Pastorius (13:09)
- Lonely Dreams Terry Gibbs (09:11)
- Las Olas Jaco Pastorius (09:50)
- Call it Sunshine, I'm a Rainbow,Dance with Her Father Joe Diorio (8:28)
オープニング・トラックはボッサを基調にした高速チューン《Ballye De Nina》。アイラ・サリヴァンはこの曲でトランペットを演奏。アレックス・ダーキの幻想的なエレピ~ジョー・ディオリオのギターソロ、そしてフェードアウト後にジャコの猛烈なベース・ソロが続きます。(1973年録音なら21歳の)ジャコのテクニックはこの時すでに完成の域に達しています。ウェザー加入以前のゴリゴリとしたベース・トーンが好きな人、結構いるんじゃないでしょうか。
※『ジ・アーリー・イヤーズ・レコーディングス』に収録されていたものと同テイクです。
#2.《Lonly Dreams》はヴィヴラフォン奏者、テリー・ギブスのバラードナンバー。アイラのソプラノ・サックスとアレックス・ダーキィのエレピが幻想的に奏でます。ジョー・ディオリオのギター・ソロのバックでアイラはフルートに持ち替えます。ジャコは音数は少ないながらもハーモニクスを交えての好サポート。バックに徹してイイ仕事をしています。…少しスピリチュアルな印象もある演奏です。
#3.《Las Olas》。ここに収められているのは高速のフル・インスト・バージョンです!ジャコとアレックス、そしてスティーブ・バグビーが作り出す大海原を、アイラのソプラノ・サックス(中盤はフルート)と、ジョーのギターがクルーザーのことく駆け抜ける。スピード感、爽快感この上ありません!アレックス・ダーキのエレピ・ソロの後、一分強の短めのベース・ソロがあります(もっと聴きたかった)。それにつけても、この曲が1973年にすでにできていたとは…驚きですね。
#4はギタリスト、ジョー・ディオリオの《Call it Sunshine, I'm a Rainbow, Dance with Her Father》。曲名のユニークさに負けず劣らず演奏のほうも素晴らしいです。覚えやすいテーマのリフが繰り返される中で、独特の揺らぎが最高に気持ち良い曲です。ジャコのスイングもなかなかです。途中にバンド・イントロが入りますが、ここでは「ジョン・フランシス・パストリアス」と紹介されており、まだジャコは「JACO」ではなかった(笑)。
収録時間は約40分、今どきのCD商品としてはやや短いように思うが、ジャコの未発表音源がこれだけのボリュームで一斉に陽の目を見るのは嬉しい限りです。
フロリダのホテル・ロビーのバー・ラウンジにおけるライヴ録音ということで、曲のオープニングやエンディングに、わずかな客の拍手や声も入っています。ワタシが今聴いているのはラフ・ミックスですが、音はかなり良い状態で録られており、製品版はさらに音質の向上が見込まれるとのことです。
日本独占発売!初回プレスの『グリーン・ライト』には(たぶん初公開の)アレックス・ダーキが撮影したジャコの秘蔵写真が掲載された英文ライナー(プロデューサー、ボブ・ボビング執筆)と、お馴染み、川嶋文丸さんが訳してくださった日本語ライナーが付属します。
最後に、店頭に出る時のオビ付きパッケージと、各CDショップのリンクを掲載しておきますので、ぜひお買い求めください。
グリーン・ライト ジャコ・パストリアス
2011年7月20日発売
Holiday Park/King International
品番:KKJ-012
→タワーレコードで予約
→HMVで予約
→Amazonで予約
<おわり>
ちょっと遅れた書き込みでごめんなさい。
そうですよね、僕も某CD屋さんのホームページで、この情報を知って、速攻で予約しました。ただし、そこではこんなに細かな解説はされていませんでした。そうなんですか。楽しみです。
個人的に、ようやく最近になって、ジャコの初期録音の重要さ、素晴らしさの意味が分かりかけてきたように思います。
大切に聴きたいと思います。まか感想なり、拙いものですが、書かせていただけると幸いです。
こんにちは。拙い文をダラダラと書いてしまいました。
聴いたらホントにビックリしますから。
良い音になってリリースが待ち遠しいです。