最近あることが契機となり、ジャコのベースを見直す(というか聴き直す)作業をしている(「あること」については、はっきりした時点でこのブログに書きます)。
今になって気付いたことではないが、ジョニ・ミッチェルと共演した4作の中でも『ドンファンのじゃじゃ馬娘』と『シャドウズ・アンド・ライト』は、特にジャコの「ベース音」の特異性を感じられる作品ではないだろうか。
この2作品に共通している点、それは、ベース音がデカく録れていること(笑)。たぶん、自己名義のアルバムやWRのアルバムと比べても、これほど、ジャコの存在を感じられる作品はない。
ジョニ・ミッチェルのサウンドは、ジャコがそれまで関わってきた音楽に比べれば、シンプル過ぎといってもいいくらいな中で、あのフレットレス・ベースの音が埋没するはずがない。
ザヴィヌルが、ジャコの弾くベースをウッドベースの音と勘違いした話は有名だが、ジョニ・ミッチェルとの作品群のジャコは、本当ににウッドベースのような温かい音を奏でている。とりわけ上記2作品にそれを感じる方は多いだろう。
実際、ワタシもジャコに開眼させられたのは『ミンガス』に収録の《ゴット・マスト・ビ・ア・ブギーマン》を聴いてからなのだ。
これらは全て“ジャズ”ではなく、“フォーク”であり、ショップでもロック&ポップスの売り場にある。
ジョニ・ミッチェル / シャドウズ・アンド・ライト[完全版]
『シャドウズ・アンド・ライト』の映像版である同名のDVDはなぜか、ジャズ売り場で見かけるのだが(笑)。売り方を考えればまぁ、それはしょうがない。