生乳の抗生物質残留事故防止のために
今年度も生乳の抗生物質残留事故が発生しています。
生乳は酪農家の最終生産物です。
抗生物質残留事故が起こると、経営へのダメージになるばかりか、食の安全・安心を揺るがしかねません。
今一度気を引き締め、事故防止に努めましょう。
一 釧路管内の発生状況
今年度、釧路管内での抗生物質残留事例は表一のようになってます。
一事例あたりの廃棄乳量が多く、現時点で、オホーツク管内に次いでワースト二位となっています。
二 抗生物質残留事故防止対策
抗生物質残事故を起こさないために、以下の徹底した対策をすることが重要です。
1.治療したら必ずマーキング
乾乳時や乳房炎等の治療に抗生物質を使用した場合、作業者全員が見てわかるように必ずマーキングします。
足首にマークバンドを付けていても脱落する危険性があるため、二重対策として牛体にスプレーでマーキングをします(写真一)。
牛体にスプレーする場合は、見づらくなる前に定期的なマーキングをしましょう。
2.治療牛を別飼いにする
抗生物質を使川した牛は、搾乳牛と混同していると誤搾乳を招く危険が高まります。
別飼いできる施設があればすぐに移動しましょう。
別飼いできる施設がなく、搾乳牛舎で飼養する場合は、事故を防止するために治療牛を固めてつなげる場所を設けます。
3.治療牛は作業者全員で把握する
搾乳作業の前に、治療牛の把握と作業者全員の確認が重要です。
ホワイトボードや黒板などに連絡事項として記載したり、搾乳前のミーティングなどで、声かけをしましよう(写真二)。
4.疲労回復のため休息をとる
粗飼料の収穫など、農作業が多くなる時期は、疲れが蓄積してきます。
疲労は集中力を低下させ、治療牛に注意していても誤搾乳を招く原因になってしまいます。
農作業の合間には定期的に休息時間を設けて、リフレッシュしましよう。
バルクの生乳は、食卓につながっています。
抗生物質残留事故を防いで食の安全・安心を守っていきましょう。