プリンセス・トヨトミ
万城目 学 著 文藝春秋 / 2009.4
5月末日の木曜日、大阪が完全に止まる。
あらゆる種類の営業活動、商業活動、地下鉄、バス等の公共機関も一切停止。
しかしそのことは大阪人以外は全く知らない。
その発端となったのが、会計検査院からやってきた個性豊かな調査官3人と、
空堀商店街にあるお好み焼屋の中学生の息子に、その幼馴染の女子。
彼らが、大阪人に連綿と引き継がれてきた、秘密の扉を開けてしまうのだった……。
面白い!!
マキメさんの作品は全て読んでいますが、これが1番です!
1章、2章は、正直つまらなくて、きっと路線を変えたはいいけど失敗か?な~んて思ってしまう程、ちょっと落胆したのですが、な、なんと!その後の3章からは一気でした。
とにかく面白いです!
でもって、今回はちょっとリアルなところが更に面白さをアップしていたように思います。
実際に大阪国があったらスゴイですし、なんだかありそう?って思ってしまうし、あった方がカッコいいしとか、読みながらリアルさを感じてしまいました。
多少、父と息子の関係維持(?)に今の時代には無理があるんじゃないのかなぁ~?と思ったりもしましたが、だからこそ、大阪国があったらカッコいいのに!と思えるところでもあると思います。
なんせ、蜂須賀の父親がサイコーでした!
先生に近いんだから歩いてこいって言われるところは、思わず笑ってしまいました。
会計検査院の3人も、大輔も茶子も島も、み~んな好いキャラでしたし、実は大阪の女性もみんな知っていて黙っている・・というのも好かったですね~。
奇抜なアイデアというイメージですが、それだけではなくて、全体を包む優しさみたいなものがプラスされてきたように思いました。
あ~~~、早く次が読みたいよぉ~~~~。