偉大なる、しゅららぼん
万城目 学 著 集英社 / 2011.5
高校入学をきっかけに、本家のある琵琶湖の東側に位置する石走に来た涼介。
本家・日出家の跡継ぎとして、お城の本丸御殿に住まう淡十郎の“ナチュラルボーン殿様”な
言動にふりまわされる日々が始まった。
ある日、淡十郎は校長の娘に恋をするが、その直後、彼女は日出家のライバルで
同様に特殊な「力」をもつ棗家の長男・棗広海が好きだと分かる。
恋に破れた淡十郎は棗広海ごと棗家をこの街から追い出すと宣言。
両家の因縁と三角関係がからみあったとき、力で力を洗う戦いの幕が上がった――!
面白かったーーーーーーっ!!
マキメくん、やっぱりいいわぁ~。
1作ごとに成長しているのが嬉しいです。
今回は、ご本人いわく、デビューの頃の荒々しさを取り戻し、ちょっぴりお行儀悪くを心掛けたそうですが、マキメくんらしい奇想天外を軸に、優しさや物悲しさもスパイス的にプラスされていて、多少の無理も無理に感じさせず、見事にまとまっていたと思いました。
なんと言っても、優しさが確定されたっていうか、優しさを上手に描かれるようになったな~としみじみしちゃいました。
かのこちゃんでもその前兆は感じられましたが、いつものマキメワールドにその優しさをふんわりと添えることができるようになったって言うのかな、私としてはその辺がスゴクスゴク嬉しいです。
更に更に、キャラクターがいいですね~。
みんなよかったです(ちょっぴり、鹿男とカブっているのもあったけど、まぁ~、ヨシです・笑)。
特に淡十朗は素晴らしい!
映像化される時、誰が演じるんだろう?と、そんなことが気になって仕方ありませんでした。
エピローグもきちんとまとめてあるし、あっ、でも、転校生に確信は持てるけど、できれば文字で納得させて欲しかったかな~。
でも、満足のいく、とってもスマートなエピローグでした。
“しゅららぼん”の音の意味の解説もあって、この辺、お行儀悪いかな(笑)。
それと、私も気になっていた、淡十朗の次の子孫の名前は、淡十一郎になるのかな?と思っていたところを、きちんと書いてくれていてモヤモヤせずに済みました。笑いました。
私の中では、かのこちゃんが1番大好きなお話なのですが、しゅららぼんは、マキメワールド全開の中では1番面白く小説を感じました。
あ~~、早く次の作品が読みた~~~~い!!