最後の一球
島田 荘司 著 原書房 ／ 2006.11
悪徳高利貸しの巧妙な手法に騙され、多くの犠牲者を生んだ「事件」。
そこに光を当てたのは、生涯「二流」だったプロ野球の投手が投じた、奇跡の一球だった！
心躍る感動の青春ミステリ！
実は、積ん読本コーナーに、最後の御手洗ものが残っていました。
これは読もう読もうと思いながら、なかなか読めずにいた一冊でした。
御手洗ものではありますが、それほどの難事件でもなく、格別なトリックが用意されていたわけでもなく、ただ、全く関係のない事件（問題？）がこうやって繋がっていたのか～という意味ではとても引き込まれました。
最後、というか、半分以上が、犯人（？）の独白文になっていて、最後にちらりと御手洗の優しさが描かれていましたが、いつもの御手洗ものを期待していただけに、若干、物足りなさを感じました。
悪徳貸し金融とでもいうのでしょうか、そういう社会問題と、更に、そんな悪徳業者を守るカタチとなってしまっている法執行官など、世の中の間違いを見せつけられ、お話以上に気になる部分が詳しく描かれていたと思います。
