昨夜、遷御の儀が執り行われました。少し前に御参りをさせて頂いたのですが、
遷宮を迎えた神宮の様子を実際に目にすると、凄いことだなあと唖然とするばかり
でした。千年以上前の人たちと同じものを観ることが出来る、お参りすることが出来
る、その意味の重さ、素晴らしさは、言葉では表現出来ません。
テレビやネットの報道では盛り上がっていますとか最高潮と表現していましたが、
その軽々しさと無礼さに、改めて、報道の馬鹿さ加減を知りました。
中には、費用が幾ら掛かると値段まで出しているものもあり、愚の骨頂でした。
報道がものごとの意味を正確に伝えるつもりが全く無い、救いようのない状態だと
いうことが、よく判る出来事でした。とても悲しく、残念でした。
しかし、そのような表面を撫でて、恰も他人事のようにしか知らせない報道に、
騙されてはいけません。遷宮は、私たち一人一人自身の出来事なのです。
常に新しきを以て、古きをそのまま伝える、
ものごとのそもそもの姿、ありかたを永遠に伝える、
その心を、日本人であれば誰でも持っているのです。
ですから、あられもない格好で出かけて行って、ただ良かったというのではなく、
せめて、少しは良い格好をして、御参りをするのだという心をもって、
自分たちがこれから先の人たちにもこの素晴らしい思いを伝えるという心構えで、
感謝の祈りを捧げに行きましょう。
遷宮は、私たちの国の姿、国民の姿、つまりは、私たち一人一人のあるべき姿を、
目に見える形で示してくれる、格好のお手本なのです。
繰り返しますが、これは、他の誰でもない、私たち一人一人の、壮大にして厳粛な
お祀りごとなのです。その心をもって、改めてお参りに出掛けましょう。
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