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『tokotoko』

Fortune comes in at the merry gate.

『ことばの種』

2013-02-20 | ことば
ポロン

青ざめて月が震える。
心の声をきけないと、雲に隠れる。

誰かが欲しくて、胸からのささやきをグラスに落とせば、
ポロンと、涙の味がする。



偶然

渋滞で、何気なくバックミラーをのぞいたら、
退屈そうにあくびをする、カッコいい彼がうつった。

車のギアをR(バック)にいれたら、
びっくりしたまぁるい目がみえた。



嫉妬

寂しさが重すぎて、落ち着かない波をわざと起こした。
眠りの淵にたどり着けない。汚い嫉妬。



まちぼうけ

時計と扉。
かわるがわる見つめる瞳は、まばたきも知らない。





夕暮れの空が背中に重い。
やたらに使った軽い言葉で息がつまる。



むずかしい今日

太陽がふりしぼった熱さの雫。呼吸している。
時間の経つ早さにおびえた夏。孤独の果て、と思った。
超えたいはずの、むずかしい今日に気がついて。



クローゼット

重い気持ち。
上着のポケットに入れて、クローゼットにしまって、きつくドアに鍵をかけた。
腰かけたベッドが、小さく、なく。



天気雨

天気雨が髪を濡らすから、いっぱい瞳が震えて、困らせてしまう。
大好きなのに。
やさしさの空気うすくなって、約束が欲しいと、ダダをこねた。
約束ははかないって、知ってるのに・・・・・・。



溜息になっていた言葉、胸に届く前に、倒れた。
もう、空気を吸うのも、無駄と思う。
心、どんどん細く、やせていく。



月なんて、ビルにけられて、どこか遠くで、か弱い光だけ、のぞかせて。



記念日

夕暮れより少し前、冬の風が高い空に、ちょっぴりすねた日が、キス記念日。

トラックの影だから、ひっそりと寂しくなる。
愛しのクーペの中、指が触れた。『結婚しよう。』
ただ前を見る、彼の口がさらりと言った。

ベランダからのぞいてる、ひっかかってるように月が、ほんの小さく、今日に輝いてる。

約束が、やさしく薬指にはまった。
こんな静かな夜、見慣れた空も、ずっときれい。すきとおってる。



太陽が、フラッシュのように、降る。
ガラスを透かして、じっと、見つめ続ける。
昨日の夜、彼が壊した心にささる、太陽。



やさしさの渦

満員電車のつり革をわけあい持ってる誰かと私。
幸せを求めて、灯りの多い場所に、心まで揺られるともりはなかった。
声はいっぱい聞こえてもやさしさの渦は、みえない。



びしょ濡れの顔、暗がりで、冷たい手で拭った私。
心をシャボンでゴシゴシゴシゴシ洗う日は、後悔もチラホラ顔をみせた。



すりガラスのむこうにある太陽を大きな口でほおばると、
自分の身体の音が返事するのがわかる。

薄紫に窓を照らす欠けた月。両手をのばし誘い込む。
自分の身体の音が、カタコトって歩き出す。




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