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『tokotoko』

Fortune comes in at the merry gate.

<<活弁上映会>>

2013-03-12 | 映画・ドラマ・舞台
先日、活弁上映会で、
松竹キネマ蒲田撮影所で撮影された斎藤寅次郎監督の映画<子宝騒動>と、
バスター・キートンの<探偵学入門>を観(聴き)ました

笑いました~



<子宝騒動>

松竹キネマ蒲田撮影所作品(1935年作品)
上映時間34分



脚本/池田忠雄
監督/斎藤寅次郎
撮影/武富喜雄

福田繁→小倉 繁
妻お咲→出雲八重子

藤松正太郎/野村 秋生/横山 準/小島 照子/小島 和子
曽我 六/谷 麗光/高松 栄子/滝川 玲子/山田 長正 ほか。

福田さんの家は、貧乏人の子だくさん。

奥さんのおなかは大きくて、
間もなく7人目の子宝に恵まれる予定。

ところが福田さんは失業中。

料金未納で水道が止められると、井戸があるから大丈夫。
ガスが止められると、まきでごはんは炊けますよ。

とのん気に構えてはいるものの・・・奥さんが産気づいてしまってさぁ大変。

福田さんは、あわててお産婆さんを呼びに行くのですが、
6人分の取り上げ料も払っていないので断れられてしまいます。

なんとお産婆さんは、大金持ちの男爵家の、
豚のお産に出かけてしまったのでした・・・・・。



<キートンの探偵学入門>

監督/バスター・キートン
脚本/クライド・ブラックマン/ジョン・ハヴェズ/ジョゼフ・ミッチェル

出演/バスター・キートン/キャサリン・マクガイア
ジョー・キートン/ウォード・クレイン ほか。

映写技師のキートンは、上映中に居眠りを始め、
分身が銀幕の中に入っていきます。

そこではちょうど乱闘騒ぎの最中で、
殴られた彼は客席に飛び出し、再び入り込むと、場面は変わっていて…。



弁士さんの<声>に乗って、
物語に入っていく・・・

活弁映画は、弁士さんの息と観客の息、
演者の息のハーモニーのような気がして、好きです



『ボクたちの交換日記』

2013-03-12 | 映画・ドラマ・舞台
先日<ボクたちの交換日記』を観て来ました



原作は鈴木おさむさんの、
<芸人交換日記 ~イエローハーツの物語~>



監督・脚本は、内村光良さん。



出演者のみなさんは、

伊藤淳史(田中)/小出恵介(甲本)
長澤まさみ/木村文乃/川口春奈/ムロツヨシ/ベッキー/
カンニング竹山/大倉孝二/佐藤二朗/佐々木蔵之介 ほか。



<お話>

甲本孝志(小出恵介さん)と田中洋平(伊藤淳史さん)は、
お笑いコンビ「房総スイマーズ」を結成して12年目。

いまだに売れる気配がありません。

コンビの将来について話すことをしてこなかった二人。
そんな彼らも30歳。

二人は、交換日記を始めます。



もともと鈴木おさむさんの書かれたお話の中にも、
<コンビ>ってそういうものなんだろうな・・・という、

お笑いの<コンビ>という、
その人たちにしかわからないだろう空気が、
文字に落とされていたのだけれど、

<<映像>>を通してみると、それがよりリアルで、
作り手の、微妙なんだろう<場所>が伝わってきて、

楽しめたし、せつなかったし、せつなかった



それは、私自身も、
<ものをうみだす>という環境に長く居て、

ちょっと形は違うけど、
<<コンビ>>というような形状になったこともあるし、

才能とか運とか、そういう、
映像の中にあったような<<現実>の中で、生活しているから、
尚更、強く反応してしまったのかもしれない。



<<夢>>というものが、
見えにくい<才能>とか<運>とかいうもので、
行き先を変えてしまうのは、本当に苦しい。

その苦しみの中に見つかる<ひとを思う気持ち>

大事な大事な宝物は、
そんな<気持ち>を交換できる、

人との信頼関係だと感じました



あらためて、夢について、思う映画でした

<東京家族>

2013-02-26 | 映画・ドラマ・舞台
先日、山田洋次監督の<東京家族>を、
観てきました



監督/脚本 山田洋次
脚本/平松恵美子

撮影/近森眞史
音楽/久石譲

出演/橋爪功(平山周吉)/吉行和子(平山とみこ)/西村雅彦(平山幸一)
夏川結衣(平山文子)/中嶋朋子(金井滋子)/九代目林家正蔵(金井庫造)
妻夫木聡(平山昌次)/蒼井優(間宮紀子)
小林稔侍(沼田三平)/風吹ジュン(かよ)



2012年に監督50周年を迎えた山田洋次監督81本目の作品です。

 山田監督というと<男はつらいよ>

 <幸福の黄色いハンカチ>

 <武士の一分>や、

 <おとうと>

名作がいっぱいです

今回は、小津安二郎監督の<東京物語>をモチーフにして、
設定を現代に置き換えて作られました。

現代の役者さんのそれぞれの演技が、
小津安二郎監督の作品の中にスッポリ入ってしまったような、
そんなシーンが、いくつかありました。

先日観た小津監督の映画の中の、
笠智衆さんを、思い出しました



瀬戸内海の小島に暮らす平山周吉(橋爪功)と妻とみこ(吉行和子)は、
子供たちに会うために東京へやって来ます。

それぞれの生活を営む息子や娘。

品川駅に迎えに来るはずの次男の昌次(妻夫木聡)が、
間違って東京駅へ行ってしまったり。

医者の長男幸一(西村雅彦)が息子(孫)の勇を連れ、
お台場から横浜見物へ連れて行ってくれる予定だったが、
患者の容体が悪化して行けなくなってしまったり。

長女の滋子(中嶋朋子)の家に泊まりに行くけれど、
美容院を経営する滋子は忙しくて外に出かけることができなかったり。

都内周遊につきあってくれた次男の昌次(妻夫木聡)の舞台美術の仕事について、
将来性を問いただす周吉(橋爪功)と、優しくかばうとみ子(吉行和子)。

周吉、とみ子が、それぞれの夜を過ごすことになり、
とみ子は次男の昌次の部屋へ。

そこで、間宮紀子(蒼井優)を紹介されます。



離れて暮らしている、父や母、弟家族のことを、思い出しました



<ストロベリーナイト>

2013-02-22 | 映画・ドラマ・舞台
昨日、映画<ストロベリーナイト>を、
観てきました



監督/佐藤祐市

佐藤祐市監督というと映画<キサラギ>
ワンシチュエーションで作り上げられた印象に残る作品です。

この作品は、第50回ブルーリボン賞作品賞、
第31回日本アカデミー賞の優秀作品賞・優秀監督賞・優秀脚本賞
優秀助演男優賞などを受賞しています。



脚本/龍居由佳里/林誠人

脚本家の龍居由佳里さんは、
星の金貨、ピュア、白い影、心の糸 他、
多くの脚本を担当されています。

 

林誠人さんも多くの作品がありますが、最近だと、
ケータイ刑事シリーズ。



原作/誉田哲也

原作は誉田哲也さん。
今回は<姫川玲子シリーズ>を原作にしたテレビドラマの劇場版になります。

 

音楽/林ゆうき

 



竹内結子(姫川玲子)/西島秀俊(菊田和男)/大沢たかお(牧田勲)

小出恵介/宇梶剛士/丸山隆平/津川雅彦
渡辺いっけい/遠藤憲一/高嶋政宏/生瀬勝久
武田鉄矢/染谷将太/金子ノブアキ/金子賢
鶴見辰吾/石橋蓮司/田中哲司/友情出演・三浦友和



誉田哲也さんの原作<インビジブルレイン>のストーリーを軸に作られた今作。

多くのシーンが雨の中で進んでいて、
傘や窓、車に流れる雨の雫が、

映画の中で起こる様々な感情の雫として、流れているように思えました



菊田が、外で立ちつくしたところ、
和田徹役三浦友和さんが記者会見で告白しはじめるところで、

まわりがざわつき、鼻をすする音が聞こえました





<<ホロヴィッツとの対話>>

2013-02-21 | 映画・ドラマ・舞台
先週末、<ホロヴィッツとの対話>を観てきました



三谷さんの作品で海外の芸術家を描く3作目です。

1作目は<コンフィダント・絆>
この作品、大好きでした。楽しくて哀しくて。

まだ若かりし無名時代のゴッホ、ゴーギャン、スーラ、シュフネッケル、
4人の画家の友情と葛藤が描かれた作品です。

フィンセント・ファン・ゴッホ/生瀬勝久
ポール・ゴーギャン/寺脇康文
クロード・エミール・シュフネッケル/相島一之
ジョルジュ・スーラ/中井貴一

ルイーズ・ブーランジェ/堀内敬子
作曲・ピアノ演奏/荻野清子

第15回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞
2007年度第59回読売文学賞・戯曲・シナリオ賞
第7回朝日舞台芸術賞・秋元松代賞
第58回芸術選奨文部科学大臣賞 などを受賞。



2作目は<国民の映画>です。

震災直後だったため、
開演前に三谷さんが舞台に出て来られ、

<こんな時に限ってコメディではないんです>
<1人でも観たいというお客様がいらっしゃるなら上演したい>
<こういう時だからこそ劇場の明かりを消してはいけないと思います>と、

生の声で、客席に向かってお話されていました。

その時、<震災>という大変なことがあった時に、
向かうべく場所は、それぞれのいろいろな所にある。
そう感じて感慨深かったです。

ナチス高官
ヨゼフ・ゲッペルス(宣伝大臣)/小日向文世
ハインリヒ・ヒムラー(親衛隊隊長)/段田安則
ヘルマン・ゲーリング(空軍元帥)/白井晃
マグダ・ゲッペルス(ゲッペルスの妻)/石田ゆり子
    
映画人
ナチスに利用された女・ファラ・レアンダー(大女優)/シルビア・グラブ
ナチスに愛された女・レニ・リーフェンシュタール(若き女性監督)/新妻聖子
ナチスに恐れられた男・エーリヒ・ケストナー(国民的作家)/今井朋彦
ナチスに嫌われた男・グスタフ・フレーリヒ(二枚目俳優)/平岳大
ナチスを利用した女・エルザ・フェーゼンマイヤー(新進女優)/吉田羊
ナチスと敵対した男・グスタフ・グリュンドゲンス(演出家・俳優)/小林勝也
ナチスと手を結んだ男・エミール・ヤニングス(映画監督)/風間杜夫

フリッツ/小林隆
音楽・演奏/荻野清子

ヨーゼフ・ゲッペルスは実在したドイツの政治家。
国家社会主義ドイツ労働者党第3代宣伝全国指導者で、初代国民啓蒙、宣伝大臣。
<プロパガンダの天才><小さなドクトル>と呼ばれた。
宣伝とわからせないように宣伝する・・・そんなゲッペルスの宣伝力で、
ヒトラーの支持は、どんどんあがっていったのです。



そして、今回が3作目の<ホロヴィッツとの対話>



スタインウェイ・アンド・サンズ社の専属調律師として、
ピアノの巨匠たち(ウラディミール・ホロヴィッツ、アルトゥール・ルービンシュタイン、
グレン・グールド、ルドルフ・ゼルキン、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ など)
を支えたフランツ・モア。

そのフランツ・モアと、
グラミー賞を何度となく受賞しているウラディミール・ホロヴィッツの、
<<ある一夜の会話>>を中心に描いたお話です。

ホロヴィッツの<1966年 カーネギー・ホール・コンサート>の中の、
リストの<<「巡礼の年」第1年「スイス」~オーベルマンの谷~>>
ドビュッシーの<<喜びの島>>など、チキンチキンものです

<展覧会の絵&戦争ソナタ~超絶技巧名演集~>の、
ラフマニノフの<<ピアノ協奏曲第3番ニ短調op.30>>も好きです。

今回の舞台にも名前が出てきますが、
ホロヴィッツの奥様のお父様、義理の父親は、
20世紀前半を代表する指揮者のアルトゥーロ・トスカニーニです。

ホロヴィッツは、
晩年、日本では酷評されたりしたのですが、
こうして、あらためて聴いてみると、
素晴らしい<音>を、たくさん残しています

 



フランツ・モア/渡辺謙
フランツ・モアの妻/和久井映見



ウラディミール・ホロヴィッツ/段田安則
ウラディミール・ホロヴィッツの妻(アルトゥーロ・トスカニーニの娘)高泉淳子

音楽・演奏/荻野清子

たくさん笑ったけれど、
最後に落とされた<哀しみ>が、

何でもないと思っていた台詞の裏に隠されていたものを浮き彫りにして、
心の奥に、せつなさに滲んだあたたかさを、残しました。



映像のひとという印象の強い渡辺謙さんですが<<演劇集団 円>>出身で、
円の舞台ほか、蜷川さんの演出作品や山崎努さんのプロデュース作品など、
いくつかの舞台に出られています。

今回も、安定感あるお芝居で、抜群の存在感がありました。

また、段田さんと高泉さんのコンビには笑わせていただきました。
最後、・・・・・ホロリシーンがあるのですが

和久井さんは、はじめての舞台ということで、
最初は<声>の作り方に、少しだけ違和感がありました。
ただ、後半にいくにしたがって、
キャラクターに寄り添って重なってきたから不思議です。

公演が終盤になる頃には、
きっと、最初から重なってくるのではないでしょうか。

舞台は、毎日毎日生きている。
そういう<楽しさ>があります。

好きな舞台でした

そして、1作目2作目、3作目とも、
忘れてはいけない存在が、音楽の<荻野清子>さんの音。

音の存在が、舞台のもうひとりの出演者として、
確かに、そこに、立っています。

大好きです