伊東家のデスク

オタクの備忘録など

キャラクター劇における空気感の価値について

2016-08-22 23:57:15 | 雑文
 キャラクター劇、とした点に注意されたい。
 ここには恋愛は勿論、ラブコメ、ホームコメディ、お下劣ギャグ、人情もの、ハードな刑事ドラマや時代劇、他にも様々な含みがある。
 すなわち、ジャンルを分類するような要素ではない、ということなのだ。

 空気感とは何か。言葉で説明するのは難しい。形を持たないが確かにそこにあるのだ。
 例えば、高橋留美子のラブコメを思い浮かべてもらいたい。ギャグの挟み込みとか、キャラクターの会話の妙な間の取り方とか、あれである。
 普通に描くより、なんとも味のあるものになる。
 作者の息がふっとかかったような、場面そのものがかき混ぜられるのだ。

 この空気感はとても重要な意味を持つ。作品世界の日常がキャラクターではなく、雰囲気がまず前に出ることによって表現されることになる。
 「よつばと!」などはまさに、それが魅力なのである。

 しかし、結局のところはキャラクターへと帰還する必要があるのは、言うまでもないだろう。