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Nシステムブログ

弁護士櫻井光政を中心とした有志団体「一矢の会」が道路交通問題、特にNシステムについて問題視していくブログです。

今井亮一よりご寄稿頂きました。(冒頭画像クリックで拡大します)

2013-08-28 18:17:37 | 投稿・寄稿
1511式のうち666式が2009年度に!

 裁判傍聴師として俺が日々通ってる東京地裁、その向かい側に警察庁と警視庁がある。近いのでよく寄り、行政文書の開示請求をやってる。閉庁間際に行くと開示手数料が半額になる、つーのはウソですけど(笑)。
※警察庁=全国警察の総元締め、警視庁=東京都の警察本部

 今回、警察庁で「自動車ナンバー自動読取装置整備数内訳」(平成24年度末現在)なるものの開示を受けた。


 一見すると、大部分が墨塗り、なんじゃこりゃ、である。
 だぁがっ、よく見ればびっくり! 秘密のNシステムについて、こんな文書(一覧表)を目にするは初めて!

 文書の上辺は「年度」。1986年度から始まってる。Nが日本の道路に登場したのは1986年度なのだ。
 初年度の整備数は3式。以降、2012年度まで、各年度だいたい数式から60数式ずつ増えてる。2003年度と2010年度だけゼロ。

 そんな中、1995年度にどかんと増えた。前年度まで9カ年度の累計は130式だったのに、1995年度だけで208式も増えたのだ。
 その内訳を見ると、当初予算ではたった10式。1回目の補正予算で105式増え、2回目の補正予算で93式増えた形だ。
 誰だって思うよね、年度の前半で何か、Nをどかんと増やす事情が生じたんだなと。
 1995年3月、「地下鉄サリン事件」が起こった。そして山梨県上九一色村などの「オウム真理教」の施設へ、警察が一斉に踏み込んだ。警察庁長官が何者かに狙撃されたりもした。日本全体が大騒ぎになり、多数の信者が指名手配犯となった。
 198式ものNが補正予算で増設されたのは、それが理由かなと推測できる。

 そうして2009年度、なんと一気に666式が増えた! やはり、当初予算では28式、補正予算で638式という形だ。
 あの「オウム事件」の3倍以上のインパクトのある事件が、2009年度の前半にあったっけ?
 記憶を辿り、ネットの年表などを調べても、どうもそれらしい事件は見当たらない。
 2009年度のいちばん大きなトピックといえば、8月末の衆議院の総選挙で民主党が大勝し、自民党が政権の座から転落したことかな。公示前から、民主党の大勝は見込まれていた。
 民主党の中には、かつていわゆる左翼だった議員もいるという。そんな民主党が政権を握ったことに、「オウム事件」の3倍以上の衝撃を警察は受けた? 万が一にも民主党なんぞが政権を握り続けてはならぬと、同党議員やその支持者を監視するため…? うーん、どうなんでしょね。
 とにかく、2009年度に増やしすぎたせいか、2010年度はゼロ、2011年度は13式、2012年度は2式ぽっち。そして2012年度末の累計は1511式。Nシステムよ、お前は何に導かれ、どこへ行くのか。

                  2013年5月1日 今井亮一

今井亮一様よりご寄稿頂きました。

2013-05-21 17:26:51 | 投稿・寄稿
 どもっ、今やすっかり裁判傍聴師の今井亮一です。ちょと必要があって私のメルマガ「裁判傍聴バカ一代」(http://www.mag2.com/m/0001035825.html)のバックナンバーに当たっていたところ、警察の監視カメラの本質に関わるレポートを見つけました。
 以下、そのメルマガ第225号「証拠隠しが濃く疑われる事件 逆転無罪!」より、適宜加筆等して。



  ☆   ☆



 2010年8月17日(火)16時から東京高裁506号法廷(岡田雄一裁判長)で「公務執行妨害」の判決があった。



 原審は東京地裁(江見健一裁判官)、その第1回公判は2009年6月10日、判決は同年11月26日。
 午前3時頃の新宿歌舞伎町で、警察官多数と被告人の仲間多数とで混乱状態になり、応援に駆けつけた警察官に対し被告人が暴行を…という公訴事実。
 被告人のほうは、暴行なんか加えてない、こっちが理不尽にも投げ飛ばされた、というふうな主張をしていた。
 原審判決を私は傍聴してないが、相場的には、とくに前科がなければ懲役1年、執行猶予3年くらいだろう。
 控訴審第1回は今年3月25日。今日の判決が、6回目の公判になるはず。



 この事件、「おかしいっスよ!」と、阿曽山大噴火さんがずっと追っかけてた。私も何度か傍聴してきた。どこがおかしいって…。
 歌舞伎町は、警視庁の監視カメラ(自称防犯カメラ)のメッカともいえる地域。現場はコマ劇場の前付近であり、当然、複数の監視カメラにさらされている。警察・検察は、その録画映像を証拠として出し、法廷で取り調べられた。
 ところがっ! 本件犯行と関係ない映像も提出されてるのに、ズバリ、本件犯行とその直前の映像が約38秒間だけ、ぬわいのだ!



 あの監視カメラは警視庁の生活安全課が管理し、映像は1週間で上書きされ、捜査員は生活安全課に理由を告げて映像のコピーをもらうんだという。
 肝心の約38秒間だけ、なぜないのか、検察官(つか警察官証人)は言うのだった。



警察官 「本件犯行の立証には不必要だった。プライバシーに関係するものが映っていた。どんなプライバシーかは言えない」



 んなバカな話があるかいナ(笑)。


 で、いよいよ控訴審判決。
 被告人は、私が初めて傍聴したときからずっと、非身柄で黒スーツ。頭髪が、ホスト風というのか、「お前、その前髪、切れよっ!」とオッサンは小一時間、説教したくなる感じ(笑)。



 16時00分、傍聴人はぜんぶで11人だったかな。16時01分、裁判官3人が登壇し…。



裁判長 「主文。原判決を破棄する。被告人は無罪」



 おお〜! 無罪が無罪になったというべきなのに、驚く私。
 竿番長、もとえ裁判長は(竿番長って何だよ!)、



裁判長 「被告人が公務執行妨害を行ったことを十分認められるようにも見える」



 とまぁ、いちおう検察側と原審の江見裁判官の顔も立てたうえで、こう続けた。



裁判長 「しかしながら子細に検討してみると…」



 そうして、映像の「欠落部分」について、こう述べるのだった。



裁判長 「(欠落部分には本件と)高度な関連性が認められ、重要な意味合いを持つ映像が含まれていると…(欠落部分を証拠採用するかは)当事者双方の弁論を経て決められるもの…捜査段階で消去してしまうことは許されない…。
 個人のプライバシーが含まれる映像もあったかと思われるが、他の部分にはまったく関係ない人物が含まれている…(警察が言う)理由は、いささか説得力を欠くと言わなければならない。意図的かどうか…妨げられたと言わなければならない。
 (欠落を)被告人に不利な形で考慮することはできないというべきである。被告人の供述を信用できないものとして排除するのは困難である。被告人が暴行を行ったことを、合理的な疑いを超えて認定できる証拠はない…犯罪の証明がないことに帰する。よって…」



 16時28分、言い渡しは終わり、被告人は「ありがとうございます」と頭を下げた。



 結局ねぇ、前にもちらっと言ったかもしんないけど、警察の監視カメラってやつは、「警察が、利用したいときに、利用したい形で、利用する」というものであって、「正義のために、真実を明らかにする」というものでは、まったくない。そのこと、監視カメラがらみの多くの事件を傍聴してきて痛感する。
 取調べの可視化が叫ばれており、国会議員なんかは、「冤罪防止は可視化で対応。可視化が実現すれば、冤罪はなくなる」なーんて認識だったりもするようだ。けど、可視化も結局、「警察・検察が、利用したいときに、利用したい形で、利用する」というところに着地するんじゃないのかね。



 この逆転無罪は、警察による証拠隠しが濃く疑われる事件、増殖し続ける監視カメラのヤバさを思い知らせてくれる事件、なのだが、ニュース検索しても拾えない…。
 
                  2013年5月1日 今井亮一

交通ジャーナリストの今井亮一さんよりご寄稿頂きました。

2012-08-15 14:05:11 | 投稿・寄稿
警察庁に対し、都費で設置したNシステムの設置数が分かる文書を開示請求した。
そしたら、「車両捜査支援システムの借入れ」の賃貸借契約書という、
私としては意外な文書(笑)が4件出てきた。


契約書:クリックで画像拡大します。



仕様書:クリックで画像拡大します。



ほとんど真っ黒黒塗りで、開示手数料は2180円、
ディスカウントショップの焼酎甲類4リットルより高い。泣きたいっす。


ただ、システムの1式は「本部装置」と「路上装置」から成り、
「本部装置」の構成は「中央装置」と「検索装置」と「運用管理装置」
「プリンタ」と「ネットワーク装置」から成るとか、
闇に包まれていたNシステムの影が少し見えた、とはいえる。
興味深いです。

別の契約金額は、たとえば
「平成24年3月1日から平成31年2月28日まで」のは1718万6400円。
契約者の甲は警視総監で、乙は黒塗り。
さすがNシステム、業者名さえ秘密なのだぁっ。

ちなみに私は警視庁の契約書に「平成31年」というのを初めて見た。
原発の使用済みの燃料を管理する書類には
「平成3万年3月31日まで」とか書かれてるんだろうか…。


交通ジャーナリスト 今井亮一(メルマガ「裁判傍聴バカ一代」)
http://ko-tu-ihan.cocolog-nifty.com/



今井亮一様よりご投稿いただきました!

2012-04-18 14:52:52 | 投稿・寄稿
【前後撮影タイプのNシステム登場!?】



首都高速中央環状線(C2)の四つ木付近にNシステムありとの情報を得て、
私のフェラーリ(排気量660cc 笑)で行ってきました。


左手に隅田川沿いの桜や観光船を、右手に最近話題の巨大尖塔を見つつ
6号線を北上、堀切JCTで中央環状線外回り(2号線)へ。


間もなく右側を並走する内回り(2車線)に、アーチ(門型構造物)が見えてきました。
近づくにつれ、見慣れたNシステムの筐体が2個…って、ええっ?

  (クリックで画像拡大します)
       

こっちから見えるってことは、あの筐体は内回りを走る車両の後ろを撮影してる?
 外回りにも同様のアーチが見え、Nシステムの筐体が2個、各車線の上に。
アーチをくぐってサイドミラーを見ると、同じ筐体が2個、こっちを向いていました。


 次の出口で出てUターンし、内回りへ。完全に確認できました。ここのNシステムは
内回りも外回りも、“前から後ろから撮影タイプ”なんですね~!

私はこういうの見るのは初めて!

もちろん、首都高速が通行車両の管理のためにNシステムと同じ筐体の装置を
使っている可能性も否定できず、そこはこれから調べないといけないわけですが、
おそらくNシステムなのでしょう。


 いや~、びっくりしました。1980年でしたか畑中葉子さんが歌った
『前から後ろから』を思い出しましたよ~。

   交通ジャーナリスト 今井亮一
   http://ko-tu-ihan.cocolog-nifty.com/


交通ジャーナリストの今井亮一さんよりご寄稿頂きました。

2012-03-06 17:05:40 | 投稿・寄稿
警察庁から電話で教わった。
 警察庁のホームページ(http://www.npa.go.jp/index.html)の、「政策評価」というページ(http://www.npa.go.jp/seisaku_hyoka/index.htm)の下のほう、「警察改革の推進」の「総合評価書(平成22年9月)」の本文の177〜179ページにNシステムのことが出てくる。
 そりゃあ、教わらなきゃ分かんないっス。感謝。





画像は、その178ページにあるもの。 (クリックで拡大します)
 「1,496」というのは、「21年度補正予算整備完了後」の数だそうだ。

 Nシステムの整備数(累計)と検挙件数とは反比例の関係にある。
 そこはこう説明されている。
「窃盗組織による盗難車両の運搬方法の巧妙化等により、自動車ナンバー自動読取システムにより盗難車両を捕捉し、検挙した件数は減少しているものの、依然として多くの車両盗難事件の検挙に結びつけている」
 それで、21年(2009年)度の補正予算でドカンと増やしたわけだね。

 ちなみに、1496−830=666。おぉ〜(笑)。

   今井亮一(交通ジャーナリスト)
   http://www.mag2.com/m/0001035825.html