●ベッチー的映画三昧日記
ヤクザ映画の平成バージョンのような男たちの群像劇「新宿スワンⅡ」
新宿歌舞伎町を舞台にスカウトマンたちのしのぎを削るバトルを描いた人気コミックの実写映画版「新宿スワン」の続編だ。
男たちの群像劇で、主演俳優も綾野剛や山田孝之、深水元基など「クローズ」とかぶり、「クローズ」の高校生がそのまま卒業後に歌舞伎町へ来た感じだ、というのが前作の感想だった。
「愛のむきだし」、「ヒミズ」など衝撃作を次々と発表してきた園子温監督がこの頃からメジャー資本の商業映画が多くなったような気がする。本作も手堅く娯楽作品としてまとまっているが、インディーズの頃の園子温監督作品のような毒の強さはない。
歌舞伎町のスカウト会社「新宿バースト」の白鳥龍彦(綾野剛)は、大きくなった会社を維持するため、新天地進出の先陣を命じられる。幹部の関(深水元基)とともに送り込まれたのは“横浜”。実は横浜は関のかつての盟友だった滝(浅野忠信)が「ウィザード」というスカウト会社の絶対的存在として君臨している場所だった。バーストの横浜進出を知った滝は逆に新宿を自分の配下に収めようと、両社の間に激しいバトルが展開されていく…。
1作目も旬の男優陣が勢ぞろいしていたが、本作は浅野忠信、椎名桔平などのベテランも加わり、より豪華な顔ぶれになり、体育会系イケメン俳優たちのオンパレード作品となった。物語も新宿内の勢力争いから、新宿対横浜の縄張り争いと都市間競争さながらのバトルとスケールアップしている。話として、前作のメインキャラ、ヒデヨシ(山田孝之)の犯人捜しなど、1作目とつながっている部分もあるが、本作だけを観てもわかる筋立てになっている。関と滝の男同士の因縁話は、一昔前なら東映のやくざ映画によくあったパターンで、わが世代には懐かしい展開だった。そして、二人を陰で操っていたやくざの総長を東映ではチンピラばかりやっていた中野秀雄が演じていたということに時代の流れを感じた。
綾野剛演じる龍彦は若手エース格のスカウトに成長しているが、前作以上に、単純な性格で良い人になってしまったのが気になる。まあ、周りの人物たち、真虎(伊勢谷友介)、葉山豊(金子ノブアキ)、時正(村上淳)が何か裏のあるキャラだから、そういう設定にしてあるのかも。この後も続きそうなシリーズだしね。
P.S.今回の紅一点のヒロイン役は広瀬アリスだったが、彼女がどうしても若いころの水野美紀に見えてしかたがなかった。
ヤクザ映画の平成バージョンのような男たちの群像劇「新宿スワンⅡ」
新宿歌舞伎町を舞台にスカウトマンたちのしのぎを削るバトルを描いた人気コミックの実写映画版「新宿スワン」の続編だ。
男たちの群像劇で、主演俳優も綾野剛や山田孝之、深水元基など「クローズ」とかぶり、「クローズ」の高校生がそのまま卒業後に歌舞伎町へ来た感じだ、というのが前作の感想だった。
「愛のむきだし」、「ヒミズ」など衝撃作を次々と発表してきた園子温監督がこの頃からメジャー資本の商業映画が多くなったような気がする。本作も手堅く娯楽作品としてまとまっているが、インディーズの頃の園子温監督作品のような毒の強さはない。
歌舞伎町のスカウト会社「新宿バースト」の白鳥龍彦(綾野剛)は、大きくなった会社を維持するため、新天地進出の先陣を命じられる。幹部の関(深水元基)とともに送り込まれたのは“横浜”。実は横浜は関のかつての盟友だった滝(浅野忠信)が「ウィザード」というスカウト会社の絶対的存在として君臨している場所だった。バーストの横浜進出を知った滝は逆に新宿を自分の配下に収めようと、両社の間に激しいバトルが展開されていく…。
1作目も旬の男優陣が勢ぞろいしていたが、本作は浅野忠信、椎名桔平などのベテランも加わり、より豪華な顔ぶれになり、体育会系イケメン俳優たちのオンパレード作品となった。物語も新宿内の勢力争いから、新宿対横浜の縄張り争いと都市間競争さながらのバトルとスケールアップしている。話として、前作のメインキャラ、ヒデヨシ(山田孝之)の犯人捜しなど、1作目とつながっている部分もあるが、本作だけを観てもわかる筋立てになっている。関と滝の男同士の因縁話は、一昔前なら東映のやくざ映画によくあったパターンで、わが世代には懐かしい展開だった。そして、二人を陰で操っていたやくざの総長を東映ではチンピラばかりやっていた中野秀雄が演じていたということに時代の流れを感じた。
綾野剛演じる龍彦は若手エース格のスカウトに成長しているが、前作以上に、単純な性格で良い人になってしまったのが気になる。まあ、周りの人物たち、真虎(伊勢谷友介)、葉山豊(金子ノブアキ)、時正(村上淳)が何か裏のあるキャラだから、そういう設定にしてあるのかも。この後も続きそうなシリーズだしね。
P.S.今回の紅一点のヒロイン役は広瀬アリスだったが、彼女がどうしても若いころの水野美紀に見えてしかたがなかった。