つれづれなるまま映画を観て過ごす「ベッチーの映画三昧日記」

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コンテンツ:ベッチーの映画三昧日記

「悪は存在しない」

2024-05-13 09:42:06 | goo映画レビュー
●ベッチー的映画三昧日記
 濱口監督の新作「悪は存在しない」は美術館で突然〇〇事件に遭遇したような体験だった

自ら脚本を書き演出する作家性の強い濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」から3年ぶりの新作だ。
 本作は当初「ドライブ・マイ・カー」の音楽を担当した石橋英子のオファーによる映像制作だったという。濱口監督はそれを1本の映画を作ってから映像を抽出しようと思ったらしい。この実験的な試みが非常に自然と光が織りなす印象画のような絵的な映画を生み出した。
 
 自然が豊かな長野県水挽町で、男(巧)とその娘(花)は自然と共生しながら慎ましくい生活を送っていた。しかしある日、巧の家の近くでグランピング場を作る計画が持ち上がる。町の水源に汚水を流すその計画に町の人々は動揺するが、コロナ禍のあおりで経営難に陥った東京の芸能事務所は政府からの補助金ていたので、強引に進めようとする…。

 本作の見所はその映像と音楽。観ていてまるで心理療法を受けているような心地よい感じを受ける。自然が主人公かのように、そこに暮らす人間は一構成員として俯瞰的に描かれているように感じた
。まあ、その心地良さがラスト思いもよらない展開によって破られ唐突に終わりを遂げるのだが、このラストが示す濱口監督の意図するものが自分の中ではまだ十分に解釈できていないので少しもやもや。
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