つれづれなるまま映画を観て過ごす「ベッチーの映画三昧日記」

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コンテンツ:ベッチーの映画三昧日記

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」

2015-08-19 20:00:19 | goo映画レビュー
●ベッチー的映画三昧日記
 ヒット漫画の実写化の難しさにやはりはまってしまったか「進撃の巨人」

 諫山創のコミック「進撃の巨人」の実写映画版が公開された。
 私は原作コミックの1、2巻はその何や大きな物語を想像させる設定をとても面白く感じたが、その後のスローな展開に「ベルセルク」のような長期連載による物語の先細りの不安を感じて、結局5巻で読むのを止めた。

 本作の場合も、大ヒットコミック実写化の宿命で誰が撮ろうが、叩かれることは目に見えていると思っていた。予想通り、今「進撃の巨人」を撮るならこの人しかいないというオタクの心がわかる特撮界のオタク樋口真嗣監督が撮ったにもかかわらず、本作のネットでの負の評判、炎上が凄まじい。

 私の本作の興味は、樋口監督がどのようにあの世界観を映像化するかという点なので巷の評判はあまり関係ない。
 日本伝統のミニチュア特撮にこだわり続けてきた樋口監督が今回、ミニチュアにCGと,軍艦島ロケを駆使して作り上げた映像は、これほどバッシングを受けるほどの仕上がりではないと思うのだが、熱烈な原作ファンの目は厳しい。

 私は、ストーリー展開はともかく、得体のしれない巨人の人間捕食シーンや立体起動装置で空中戦を展開するミカサやエレンたちのシーンは現在の邦画界で最高レベルの特撮で原作の持つ雰囲気は良く出せていたと思う。

 しかし、映画としてはやはり今ひとつ。
 まず、原作の時代設定や舞台は不明だが、住環境や人物設定などどう見ても、この世界観はアジアというより中世のヨーロッパだ。実写版の村の造形もまるで「ロード・オブ・ザ・リング」の世界と同じだ。したがって、キャストはオール日本人にしないで、興行的にも国際マーケットを意識して外人を混ぜた多国籍にすべきだった。そうすれば、調査兵団はよりリアルに兵士となった少年少女たちの明日も見えない戦いに苦悩する姿が描けたのではないだろうか。また、原作は自分たちより強大な力を保持する巨人たちに絶望的な戦いを挑んでいく調査兵団の少年少女たちの群集劇だったが、映画では映像的にも予算的にも難しいためか、兵士たちのアクションはもっぱら個のシーンの連続で軍団として巨人に挑んでいく群衆シーンが少なかった気がする。
 次に気になったのが、前編を見た限り、まだ原作の1,2巻ぐらいしか描いていないように思えるのだが、後篇の90分ちょっとでこの長編原作のどのあたりまで描き切ろうとしているのか。映画版としてひとつの作品として区切りの出来る終わり方が見せられるのかどうかが問題だ。

 まあ、これらの指摘は前後2部作ということなので、後篇を観てみないと何とも言えないが。製作者側の思惑に乗って、後篇を待つとしよう。

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-01-21 03:39:40
いまさらだけど…

そりゃ特撮ファンと進撃ファンの嗜好性の違いでしょう…

特撮としての出来の良さより、立体機動アクションのできの良さをもとめてるんだから、怪獣映画のようなのはもとめてないんですよ

なにしろアニメのほうはあのへんのアクションのできは地上波にしてはめちゃくちゃできがよかったし
どうしてもあれだとファンはスパイダーマン系のものをもとめてしまうし
そういう視点でみてしまうと、13年くらいまえのスパイダーマン1にすらおとってますからねぇ…

つうか現代日本の延長線でヘリとか現代兵器あるなら立体機動装置なんて必要ないだろうに

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