A Dot in showy PINK

座右の銘は
ほんの些細な幸せも、積もれば豊かな人生になる。
そんな自己満足万歳日記

読後爽快

2010年06月09日 10時56分04秒 | 趣味語り
伊坂幸太郎作品紹介第2弾。
『フィッシュストーリー』は最近購入しました。
マイブーム再到来してます、伊坂氏作品。

『フィッシュストーリー』には4話の短編が掲載されていて、個人的には表題の『フィッシュストーリー』と『ポテチ』の2つが気に入ってます。
70年代の日本の売れないロックバンドの最後のアルバム曲が、世代を超えて世界を救う『フィッシュストーリー』。
語り手が、1人の青年→その息子とたまたま出会う1人の女性→バンドのリーダー、
そして舞台も80年代のある強姦未遂事件→00年代のある飛行機ハイジャック事件→70年代のあるレコーディングスタジオ→2010年の大規模なネット障害
…と、語り手も舞台も移り変わっていく中、それらの展開を結びつけるのはある曲の間奏だった。大雑把に説明するとこんな感じなんですが(^-^;)
バンドは報われなかったけど、彼等の最後に生んだ曲が最終的には世界を救うきっかけになった、というストーリーそのものも「こう持ってきたか」、という感じで最後まで面白いです。
あとは70年代のバンドの打ち上げと80年代の青年達の飲み会の店が一緒だったり、バンドのリーダーの愛読書とハイジャック事件の女性の愛読書が一緒だったり、世代を超えた小さな繋がりが随所に表れてるのも効果的だなぁ、と。

対して『ポテチ』は空き巣泥棒カップルが主役の物語。
一見コメディかと思えば、ラストで見事に泣かされました。
赤ん坊の頃、病院で取り違えられてしまった空き巣青年とプロ野球選手。
空き巣青年が自分の母親(実の母ではない)とナイター観戦しに行って、母親の実の息子であるプロ野球選手の姿を必死で母親に見せようとするシーンが凄く印象的です。
本当の親子の定義って何?と問いかけてくる物語です。
私の大好きな伊坂キャラクター、色男泥棒黒澤さんも登場するので(しかもちゃっかり美味しいシーンを持っていく)読んでいて楽しいです 笑

伊坂作品の登場人物は、各キャラクターがはっきりしているのが良いです。
人物像にそこそこリアリティーもあるから、現実離れした展開でもすんなり読めるというか。
ダメ男だけど素直で仲間想いな空き巣青年とか、浮気性だけど最終的にはダメ彼氏をしっかり支えてしまう空き巣彼女とか(^_^)

今も伊坂作品『魔王』を読んでおります。
今朝の仕事帰りから読み始めたところですが、これも既に面白いです。