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写経(笑) 2.「エントロピー」 『岩波理化学辞典 第5版』

2013年04月27日 | 写経(笑)
 「エントロピー」 〔英 entropy  仏 entropie  独 Entropie  露 (略)〕

〔1〕物質または場からなる系の状態量の1つ.エントロピーという名称はクラウジウス(1865)によるもので、ギリシア語のtrope(eの上に横線 石川注)(変化)に由来し,変化容量を意味する.熱力学状態量としてエントロピーが存在することは熱力学第2法則によって証明される.次元はML²T⁻²θ⁻¹.絶対温度Tでの準静的等温変化で微小熱量Qを吸収したときの系のエントロピーの増加dSはdS=dQ/Tで与えられるから,これを積分して任意の状態におけるその価を定めることができる.そのとき付加定数は熱力学第3法則からきめられる.ある物質の各温度での比熱cが既知であり、またそれがT₁,T₂,…という温度で転移をもち,転移熱がL₁,L₂,…であるとすれば,温度TにおけるエントロピーSの価は


              




から求められる.熱容量の実測値を使う場合,測定値の欠けている絶対零度の近くはデバイの比熱式などによって外挿する.簡単な気体では統計力学によってエントロピーを計算するほうが正確なことが多い.
 エントロピーの統計力学的意味づけはボルツマンにより与えられた.ボルツマンの原理によると,巨視的条件のもとに可能な微視的状態の数をWとすると,

      
             


という関係がある.また位相空間内の系の代表点の分布関数をPとすると(略),系のエントロピーは



             


と表される(→H定理).量子統計力学では,Pの代りに密度行列,位相空間での積分の代りに行列のトレースをとる.W,Pまたは密度行列が部分系のものの積となる(たとえば,部分系間の相互作用が無視できる)ときには,系のエントロピーは部分系のものの和となる.この加法性が対数関数の現れる理由である.エントロピーは系の内部運動の複雑さの目安を与える.




※数式を、HTMLで入力しようとしたら、面倒そうだったので、「おえかきツール」で代用した(笑)。雰囲気だけ味わってほしい。(石川八十一 Isikawa yasoitu)





            

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