静岡県東部で冬のほんの短い期間しか出回らない水かけ菜。
本当に美味しい時期で限定すると1か月しかないかもしれません。
暖かいイメージのある静岡県の中でも毎年積雪のある地域の
小山町や御殿場市で元々は農閑期の田んぼで作られていたのですが
最近では冬の農作業の過酷さと栽培の難しさで
水かけ菜栽培をやめていく農家さんが多いようです。
昔は冬の御殿場、小山で他の漬物は売れないと言われた程
各家庭で大きな樽に自家用で樽漬けされていましたが
今では水かけ菜の収穫量も少なく値段も高騰しているため
高級な漬物になってしまいました。
優良な水かけ菜栽培で地元でも有名な小山町阿多野地区の原料を
使った水菜漬けはもうワンランク高値になります。
そんな背景から、今や乾いた畑で作った水かけ菜を原料にしたり、
一枚一枚の葉に手で丁寧に塩をすり込んで漬けこむ事もしない水菜漬けも
出回っているのが実情です。
我が家では幸いなことに実家が小山の農家の友人や
昔ながらに丁寧な仕事で水菜漬けを製造販売している友人がいるため
毎年美味しい水菜漬けを頂く事が出来ています。
ありがたいことです。
塩と鷹の爪しか使わない水菜漬けは原料の水かけ菜の良さと
丁寧な手間のかかる漬け込み作業が美味しさの秘訣。
友人から水菜漬けを頂くたびにその苦労に思いをはせ美味しさを噛みしめます。
桜の便りがちらほらと聞こえて来る頃、水菜漬けの旬が終わりを迎えます。
ああ、また一年近く待たなければならないのか、、、最後にもう一度買っておこう(笑)
私の住む静岡県には恵まれた自然環境のおかげで、
たくさんの美味しい食材があります。
富士山周辺の山の幸、駿河湾や相模湾の海の幸
伊豆の沢や川の幸、浜名湖の湖の幸等々数えればきりがないほどです。
私は生まれ育った静岡県東部の三島の他に、
西部の浜松で修行時代を2年程過ごしましたので、
その食文化の違いや珍しい食材はそこそこ知っているつもりでしたが、、、
ところがどっこい(古っ)、、、まだまだあるんですね~。
先日魚市場に顔の利く叔父に初めて食べさせてもらった
『海つぼ』というばい貝の一種はまさに未体験の味。
蒲原、由比あたりに住む方は子供の頃塩茹での『海つぼ』を
おやつ代わりに食べていたそうですが、この貝ご存じですか?
独特の風味がありますので好き嫌いは分かれるかもしれませんが
気に入るとクセになる味かもしれません。
清水魚市場には時々出ているようですので
興味のある方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
余談ですが、その優しい叔父に何度か連れて行ってもらった事のある
清水の有名店 末廣鮨でも海つぼをお通しで出すことがあるようです。
お財布に余裕のある方はこちらでも味わえるかもしれません(笑)
知られざる静岡県の味を開拓したら又ご紹介してみたいと思います。
また、これ知ってるか?とか食べた事あるか?
と皆さんから教えて頂けたら嬉しいです。手に入れて食べてみます。