美味いらぶろぐ

( うまいらぶろぐ )

静岡県伊豆発、食文化や四季折々の情報を発信

三島のうなぎ ~ 三島とうなぎの美味しい関係

2017-07-03 18:10:53 | ここらの美味いもん

うなぎ屋さんで重箱が運ばれて来て蓋を開ける瞬間、、、

香ばしく焼き上がり脂がのったつやつやのうなぎの蒲焼を見ると

何だか心躍るのは僕だけでしょうか(笑)



今や稚魚が激減して超高級食材の仲間入りをしてしまったうなぎ。

静岡県はうなぎで全国的にも有名ですが

うなぎの養殖が昔から盛んな西部の浜松市周辺ならともかく

何ゆえ東部の三島のうなぎが有名になり観光客が押し寄せ

有名うなぎ店に長蛇の列を作るまでになったのでしょうか?

三島市は新幹線の駅があり伊豆の玄関口ではあるものの

人口11万人程の小さな市です。

ですがわずか11万人の人口に対してうなぎ料理を提供する飲食店は

80件もあるそうでこの比率は全国一とも言われているそうです。



うなぎ料理専門店だけでなく和食処や割烹でも

昔から当たり前のようにうなぎ料理がメニューにあり

子供心にそれが日本中当たり前なんだと思っていましたが

各地を巡る年頃になってそうではないことに気が付きました。



三島の長老に伺うと昔は街中を流れる小さな川にもそこここに

天然のうなぎが遡上していたそうで

「川に入ってしょっちゅううなぎを捕まえたもんさ」なんて話をしてくれます。



遠い南の海域から旅を始めたうなぎの稚魚は

桜エビで有名な駿河湾を通り、鮎で有名な狩野川水系を遡り

三島まで立派に辿り着いてくれてたんですね。



「うなぎの味は水の良し悪しで決まる!!」とよく言われますが

三島は富士山からの清らかな湧き水が流れ込んでいますので



ミネラルを豊富に含み水温も一定な軟水のこの湧き水が

うなぎを美味しくする下処理に適しているんだそうです。



浜名湖などの産地から運ばれて来た活うなぎは

三島の湧き水に1週間ほどさらされます。



その間にお腹の中から肉の臭みを消し、余分な脂肪を落とすことで

うなぎの持つ美味しさを最大限に引き出すことが出来ると料理人は言います。



三島とうなぎは信仰とも密接に関わっていたようです。

うなぎは「三嶋大社のお使い」とされて江戸時代末期までは

三島宿でうなぎを食べることはご法度だったそうですが

幕末に薩長の兵が手当たり次第にうなぎを捕まえ

蒲焼にして食べてしまったけれど何の神罰も下らずに

三島のうなぎは素晴らしく美味しいという噂だけが東京方面で有名になり

以来三島にうなぎ屋が増えて繁盛し今日に至っているという説もあります。



どうやら昔から三島とうなぎには特別な関係があったようですね。

次回は三島のうなぎ屋さんについて書いてみたいと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿