石野真琴のなんでもあり?

多趣味な石野真琴が、普段感じている事、将棋、祭り、甲冑等々、趣味の内容を描きます

西遊記(読後その4)

2006-03-04 18:03:03 | 趣味
石野真琴が好きな石川英輔氏のSF西遊記を紹介しておきます。もちろん、村上知行氏訳の西遊記を読まれるのも、非常に楽しいと思いますので、読んで下さい。
 石川英輔氏のSF西遊記は、現代科学、つまりSF的な手法によって、古代インドの世界観、古典的中国的世界観を解釈し、弥勒・菩薩はある超大型コンピュータの機能としています。
 そして孫悟空。天界を揺るがすような大暴れもSF的解釈されていて面白い、そしてこの部分が物語の半分を占め、最後の冒険旅行が半分ぐらいであるが、西遊記のエキスを充分に閉じこめており、有名な物語の大半を入れているので、この物語だけでも充分に西遊記を楽しめると思います。
 冒険旅行が長すぎると、物語がつまらなくなり、最後まで読む意思が殺がれるので、このくらいの分量が物語全体では適しているのではないかと思う。
 石川英輔氏のSF的な解釈は、この物語を壊していないと思っています。

 西遊記の物語の中にある2.玄奘三蔵の身の上話。3.唐の名臣が竜の首を取る話。が日本ではあまりにも知られていないと言うのは、ちょっと寂しいように思います。特に玄奘三蔵の身の上話は、もう少し知られても良いような気がします。もっとも西遊記の主人公は孫悟空であって、玄奘三蔵ではないと思っている部分があるので、玄奘三蔵の身の上話には興味を持たないのかも知れません。
 猪八戒・沙悟浄にもそれぞれ身の上話があって、旅の仲間に加わる時点で語られているのですが・・・。

 最後に、この物語は、仏教を広めようとする物語なのであろうか、それとも中国の道教を広めようとする物語なのだろうか。
 読んでみた感じから言えば、明らかに前者、仏教を広めようと言う物語ではないかと思う。特に菩薩ならば何でも困難を解決出来ると言った部分は、菩薩に祈りを捧げる仏教にもっとも適しているだろう。
 道教の神は様々な発明をしているが・・・。

 西遊記、日本人ならば誰もが興味を持つ物語。
 是非、この物語に触れて楽しんで貰いたいと思う。

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