連休の合間に、午後から休暇を取って、仲間と昼酒を目的に浅草に。地下鉄浅草線で曲がりくねった上り降りを繰り返しながらようやく吾妻橋よりの出口へ。ここが日本最古の地下鉄出口(入口)とは案外と知られていない。松屋から伝法院通りを仲見世通りの手前を左折し、すぐのところの「ニュー浅草本店」へ。浅草の雰囲気が漂う暖簾をくぐると既に1階席は1テーブルを残してほぼ満席。タッチセーフである。
ぐるっと見回すと老若男女、いろいろなグループ、カップルがくつろいでいる。皆さん角刈りやラフな格好が多く「浅草っぽい?」。この店、市ヶ谷のほか2~3店、都内に展開している大衆酒場チェーンの本店だ。誰ともなく「松風」、「神谷バー」、そして「ニュー浅草」は浅草老舗大衆飲み屋の三本指だそうだ。しかし、最近後継者不足で「松風」は閉店した。寂しい限りである。
さて、この「ニュー浅草」市ヶ谷店は、日本棋院の帰りに寄ることがある。中身は大体察しが着く。しかし、さすが本店、酒類、肴類の品数が揃っている。しかも値段も安い。三本指もうなづける。午後3時を回り、早速生ビール。実に旨い。冷奴、黒ムツの刺身、変わったところで「馬刺しのタテガミ」などを頼む。赤みと白脂の紅白に重ねた刺身で供され、タテガミは歯ごたえがある中、脂も旨みも十分でさっぱりとして気にならない。昔、新小岩駅前馬刺屋あたりで食べた記憶が僅かに残っている。
昼間からあまりに赤い顔もできないので、日本酒は控えて黒糖焼酎「残波」から泡盛「喜界島」(共に350円)へのクローリング。何杯か飲んでいる内に夕暮れが迫り、客層にもリーマン的な変化が現れてきた。
長居は次なるお客さんに申し訳ないと、名物の大階段と大提灯に挨拶して店を後にする。仲見世を突っ切り、今は閉店した「松風」を横目に見ながら、都営銀座線の田原町駅からグッドバイ。