感じるままに・・大人の独り言

日頃感じる事や、国内外の行く先々の美味しいグルメや観光スポットを独自の目線と本音で発信して行きたいです。

「Be my lady…耳元でささやいて」〜あの頃見た夢

2016-11-26 20:45:00 | 大人の独り言
20代中頃の彼女は、ひたすらクールでドライな大人の女性になりたかった。
そう、アンニュイな大人の女性として一世を風靡した小林麻美の様な…


ときめかせてくれる刺激を求めてみても、どれもつまらないモノクロームの世界にしか見えなかった。

だからいつも彼女は" 退屈娘 "だった。

「何か良いことないかなぁ、、」お決まりの溜め息混じりの独り言。

熱心なお誘いに根負けしては、時折一緒に時間を過ごしていた年上の男友達が、スクリュードライバーを飲みながら饒舌に語りかけてくる。

「君の魅力はね、猫みたいに気まぐれで思い通りにいかないところ。それと別れ際に、決して後ろを振り向かないところだよ🎵」

「ふうん、そうなんだ、、」と気のない返事を返しながら、" それはね、アナタに興味がないからよ、、(--;) "と、彼女は心の中で呟いた。


その頃の彼女は、自分の周りで起こるあらゆる事を淡々と受け流して生きていた。

世の中が、全て自分の思い通りになると勘違いし、小生意気でとんがってて、イヤな女の子だったあの頃の彼女。

でも、いつかきっと白馬に乗った王子様が現れて、彼女を心から夢中にさせてくれるだろうなんて、そんな風にも信じてた。

彼女が少女の頃からのお気に入りのプリンセスは、白雪姫とシンデレラ、眠れる森の美女。
そんなフェアリーテールに出てくるお姫様は皆、最後は王子様が現れてハッピーエンドとなる。

彼女は時折空想した。
白雪姫は、毒リンゴを食べないといけないから苦しそうだし、王子様が来る前に誤って死んでしまったらイヤだ、、


シンデレラは王子様がガラスの靴を持って見つけてくれるまで待っていないといけないから、待ちくたびれて待つのがイヤになるかもしれない、、

眠れる美女なら王子様が助けに来てくれるまでひたすら夢見て眠ってれば良い。それならば、私は眠れる森の美女がいいと。


あれから沢山の年月が流れ、夢は夢であって、フェアリーテールはやはりフェアリーテールでしかないんだと悟って、そして諦める事を学んだ彼女。

とんがっていていた部分も角がとれて随分丸くなり、母親になったことで優しさも芽生えた。

それでも時折退屈に感じる時があると、目覚めた時にお伽噺の世界にいて、ディーンフジオカの様な王子様が目の前にいてくれたら、、と、思ってしまうのだ。

現実の世界でごくごく普通の生活を送りながらも、昔見た夢が忘れられずに甦って来る…
「Be my lady…」甘く優しい声でささやいて…私を夢中にさせてみてよと、、