エデンの園で提起された論争
●サタンはどのようにしてエバを欺くことができましたか。どんな結果になりましたか。
これがいかに重大な質問かは,かつてエデンの園で生じた事柄からはっきり分かります。
後に悪魔サタンとして知られるようになった反逆したみ使いが,最初の女性エバに働きかけ,
ある木の実を食べてはならないという神の命令よりも自分の欲望を優先するよう唆しました。
「しかし,善悪の知識の木については,あなたはそれから食べてはならない。それから食べる日にあなたは必ず死ぬからである」。
(創世記2:17)
「しかしわたしは,へびがそのこうかつさによってエバをたぶらかしたように,あなた方の思いが何かのことで腐敗させられて,
キリストに示されるべき誠実さと貞潔さから離れるようなことになりはしまいかと気遣っているのです」。
(コリント第二 11:3)
エバはそれに屈し,神の主権に対する敬意の欠如を示しました。
自分の生活の中で神(ヤハウェ,エホバ)が最も重要な方であることを認めなかったのです。
でも,サタンはどのようにしてエバを欺くことができたのでしょうか。
サタンは,エバとの会話の中で巧妙な方法を用いています。
『「さて,神である主が造られたあらゆる野の獣のうちで,蛇が一番狡猾であった。蛇は女に言った。
「あなたがたは,園のどんな木からも食べてはならない,と神は,ほんとうに言われたのですか」。
女は蛇に言った。「私たちは,園にある木の実を食べてよいのです。
しかし,園の中央にある木の実について,神は,『あなたがたは,それを食べてはならない。それに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ』,と仰せになりました」。
そこで,蛇は女に言った。
「あなたがたは決して死にません。あなたがたがそれを食べるその時,あなたがたの目が開け,あなたがたが神のようになり,善悪を知るようになることを神は知っているのです」』。
(創世記 3:1~3:5)
サタンは神の「命令」と言うのではなく,単に神が「言われた」ことについて尋ねました。
「主なる神は人に命じて言われた。「園のすべての木から取って食べなさい」。
(創 2:16)
このような巧妙な仕方で,その命令の重要性を損なおうとしたのかもしれません。サタンはエバにだけ話していましたが,
「あなた方」という言葉を用いました。そのようにして,エバの誇りに訴えかけ,自分は言わば自分と夫の代表だ,
重要な存在だと考えさせようとしたのかもしれません。どんな結果になりましたか。
エバは,勝手に二人の代表として語ることにしたようです。
「園の木の実をわたしたちは食べてよいのです」と蛇に言いました。
●サタンは,エバの注意を何に向けさせましたか。
●エバは,禁じられた実を食べることにより,どんなことを示しましたか。
サタンは,事実をねじ曲げることもしました。
神は不当にもアダムとエバに「園のすべての木からは食べてはならない」と要求している,とほのめかしました。
次いで,サタンはエバに,自分自身について,またどうすれば自分の境遇を向上させ,「神のように」なれるかについて考えさせました。
こうして,エバの注意を,すべてのものを与えてくださった方との関係よりも木とその実に向けさせました。
「そこで女は見て,その木が食物として良く,目に慕わしいものであるのを知った。たしかに,その木は眺めて好ましいものであった。
それで彼女はその実を取って食べはじめた。その後,共にいたときに夫にも与え,彼もそれを食べはじめた」。
(創世記 3:6)
残念なことに,エバはその実を食べることにより,神が自分の生活の中で最も重要な方ではないことを示しました。