閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

Fire生活経験談のほか、世相世情 💹📆、知的生産技術💻📱、書評📒について、書き綴ります。⏳

GHQによる焚書に協力した3人の東大の学者たちの本

2011年09月15日 | 読書案内
GHQ焚書図書開封 第1巻に、GHQの焚書に指導的立場で協力した人たちの3人の名が登場する。
3人とも東大卒の東大の学者である。
私は、このような行為をやって、何食わぬ顔で学者としての人生を全うした人たちの本は、私は読まないし、このような裏切り者の本は日本人として読むべきでないと考えるので、ここにリストアップしておくこととする。



牧野英一

『日本刑法』(1916年)
『法理学』1巻・2巻上下(1949年 - 1952年)
『刑法総論』全訂版上下(1958年、1959年)
『刑法研究』(全20巻)(1918年 - 67年)


尾高邦雄

職業社会学 岩波書店 1941
職業観の変革 河出書房 1944
職業と近代社会 要書房 1948
社会学の本質と課題 上巻 有斐閣 1949
社会科学方法論序説 春秋社 1950
職業について 要書房 1951
新稿職業社会学 第1-2分冊 福村書店 1953
産業における人間関係の科学 有斐閣 1953
現代の社会学 岩波書店 1958(岩波全書)
産業社会学 ダイヤモンド社 1958
勤労青年の不平不満とその対策 民主教育協会 1961
日本の経営 中央公論社 1965
職業の倫理 中央公論社 1970
産業社会学講義 日本的経営の革新 岩波書店 1981
日本的経営 その神話と現実 中公新書 1984
尾高邦雄選集 全5巻 夢窓庵 1995


金子武蔵

古代哲学史 上 日本評論社、1935
形而上学への道 筑摩書房, 1944
ヘーゲルの国家観 岩波書店, 1944
実践哲学への道 岩波書店, 1946
実存哲学 彰考書院, 1948
西洋精神史の問題 第1 小山書店, 1948
古代哲学 彰考書院, 1948
近代ヒューマニズムと倫理 勁草書房, 1950
実存理性の哲学 ヤスパース哲学に即して 弘文堂 1953
良心と幸福 弘文堂, 1953
サルトルの哲学 存在と虚無 弘文堂 1954
倫理学概論 岩波書店, 1957
実存 弘文堂, 1958
キェールケゴールからサルトルへ 実存思想の歩み 清水弘文堂書房 1967
現代思想としての実存主義 清水弘文堂書房, 1967
形而上学への道 理想社, 1969
哲学散歩 ヨーロッパ回想記 読売新聞社 1970
フロイディズム 無意識と意識 清水弘文堂 1973
ヘーゲルの精神現象学 以文社 1973/ちくま学芸文庫 1996
カントの純粋理性批判 以文社 1974
実存思想の成立と系譜 以文社 1977
西洋精神史考 以文社 1977
近代精神史研究 近代の誕生 以文社 1986
精神の現象学への道 岩波書店 1989-遺著
翻訳 [編集]絶対的理性主義 ルビンシュタイン 岩波書店、1929
戦争の道徳的反省 バウムガルテン 筑摩書房、 1946
精神の現象学 <ヘーゲル全集4.5巻>岩波書店、1971-79、新版1995・2002年
ヘーゲル政治論文集 上下巻 岩波文庫-下巻は上妻精訳で解説のみ

http://www37.atwiki.jp/masukomi/pages/20.html
「GHQ焚書を行なった日本人」
 東京大学文学部の関与

「焚書」の実行がどのような順序で、誰によって、どのような査定で
行われたかに関して、研究はいま緒についたばかりで、六十年も前の
ことなので、没収書指定のプロセスの全貌がこの稿を書いている現段階で
いまだ見きわめがたいことです。


アメリカ軍の政治意図は明瞭です。占領以後になされた軍命令と日本
政府の対応も現在調べがついています。没収書指定の行われた場所
(これはまだ一つに確定できないでいるのですが)、数量、期間、手順も
ほぼ分かってきています。廃棄された後の本の処分法、残部の行方も
大略つかめています。
七千数百点の本の題名も今日までに明らかにされました。


しかしどうしても腑におちないのは、
GHQの軍属と日本政府の行政官だけでできる作業ではなく、
日本の知識階級の誰か、学者や言論人の協力がなければ実行できない
種類の事柄なのに、それが判然としないことです。(中略)


協カの中心に東京大学文学部があったことが最近分かってきました。
助教授であった二人の学者の名前も今年発見されました。
背後に当時有名だった刑法学者が総取りまとめ役をやっていた
ことも突きとめられました。


いずれも後に、文化勲章受章者や日本学土院会員になられた方々です。
日本の歴史は日本人の知的代表者によって廃棄され、その連続性を
断ち切られたのでした。(中略)


現在の国立国会図書館の蔵書は当時の帝国図書館の蔵書を引き継いで
いるそうです。そしてGHQによる「宣伝出版物の没収の指定は、
帝国図書館などの蔵書を基礎として行われたものである」という
きわめて重要な証言を寄せて来られました。(中略)


帝国図書館長・岡田温氏(当時)の次の回想記は、このうえなく重要です。


「話を再び昭和22年にもどすと、出版物による言論パージの調査
の始まったのもこの年であった。
帝国図書館には戦時中並びに戦争前の出版物が網羅されている
ところから、この年の4月14日外務省の矢野事務官来館、この件に
関する協力方を求められ、次いで出版物追放に関する調査のための
小委員会が設けられた。


外務省の田中政治部次長、矢野事務官、内閣終戦連絡事務局の
太田事務官等が担当で、専門委員として
東京大学の尾高邦雄、金子武蔵両助教授、それに私が加わり、
小委員会は主として帝国図書館館長室で、本委員会は委員長
牧野英一氏主宰の下に首相官邸内会議室で行なわれた。


このように国立図書館が、国の政策に協力しなければならない
ことは当然であろうが、仕事としては余り楽しいことではなかった
(「終戦直後図書館界大変動期の回顧(2)」)


なにげなく語られていますが、途方もなく深刻な意味を持つ
証言ではないでしょうか。


尾高邦雄、金子武蔵、牧野英一という三人の著名学者の名前が
この目立たぬ回想録の中に突如として立ち現れたことに、
私は言い知れぬ衝撃を受けました。
これは驚くべき発見であり、しばらくはどう考えてよいか
分からぬほどのショックを戦後思想史を知る多くの人に
与えずにはおかないでしょう。
   (GHQ焚書図書開封 第1巻より)

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