奄美自然観察記

高のフィールドより

【レポート7】 鮮やかな赤い実の「サネンバナ」トリオ  ゲットウほか   

2009-10-21 19:35:46 | 植物

以前、梅雨に咲く花「サネンバナ」トリオの花を紹介したことがあり
ます。今日では、いずれも鮮やかな赤い実をつけています。そこで、
これら3種のよく似ている実を比べてみることにしました。


路傍でよく目立っているのが、このゲットウです。ほかの2種に比べ
実が大きく、20~30個の実をつけています。


実の表面には、すこしザラザラ感があり、縦筋が目立ちます。熟して
時間が経って、縦筋のところから割れて種子がのぞいているものも
ありますが、野鳥や昆虫にはあまり食べられていないようです。


こちらは同じショウガ科で、ゲットウより少し実が小さいクマタケラン
です。実の表面はなめらかで、縦筋もそれほど目立ちません。すで
に、実のいくつかは落ちてしまったようです。


同じくショウガ科のアオノクマタケランの実です。最も実が小さく
きれいな球形で、表面も縦筋もなくなめらかです。上記2種が、
どちらかというと平地に多くみられるのに対し、このアオノクマタ
ケランは山地にみられる自生種です。


上記「サネンバナ」トリオの実を並べてみました。一番上のゲットウの
実が最も大きく直径が約2cmほどあります。その左下が次に大きい
クマタケランの実で、少し縦筋模様が残り形もいびつです。下右側が
一番小さいアオノクマタケラン実で、表面に縦筋は全くなくなめらかで
きれいな球形です。


上記と同じ位置で、実の中の種を出してみました。実を割ると3種
類とも、葉と同じ独特の香りがして昔から食べている「カシャムチ」
(これらの葉でくるんだヨモギモチのようなもの)を思い出します。
一番上のゲットウは、一つの実に約30個ほどの種が入っていて、
最も実の数が多いようです。左下のクマタケランと右下のアオノク
マタケランは、いずれも4~8個ほどでした。


実の大きさを測ってみました。一番左側のゲットウが一番小さく
約4mmほどで、次が真ん中のクマタケランで約5~6mmほどで
す。一番右側のアオノクマタケランの種が一番大きく約6~7mm
ほどでした。つまり、実が一番大きいゲットウは、小さな種子が
たくさん入っていて、実が一番小さいアオノクマタケランのほうは、
大きな種子が少しだけ入っているということが判りました。種子の
色もそれぞれ微妙に違うようです。う~ん、なるほどね。
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