The Tsinghua Way !! (中国MBA報告)

中国北京の清華大学で06年9月より奮闘した知られざる中国MBAの体験記。08年7月に卒業しました!

益智城(2)

2007-11-27 | クラス
創業管理(Entrepreneurial Management)の最終回の授業で発表する「益智城」のビジネスプランをほぼ書き上げ、指導を受ける実際のベンチャーキャピタリストと面談した。我がチームに非常に貴重な時間を1時間いただけるということで、CBD(Central Business District)にある国際貿易中心に出向いた。面談したのはIntel Capital(China)の某女史。これらのベンチャーキャピタリストは清華大学アラムナイという繋がりで張幃(Zhang Wei)副教授がリストアップしてくれた。

ゼロから作り上げた「教育玩具販売+ベビーシッター+写真撮影」サービスの「益智城」に関して、1時間あまりいろいろな方向から質問が飛んできたが、概して非常に好感触だった。ただ中国の現状を考えた場合、これらのビジネスアイディアは真似される可能性が高く、エントリーバリヤーがあまり高くないため、どのようにこれに対処するかという点に話が集中した。

エレベータ広告で中国最大手(約95%シェア)のフォーカスメディア(分衆傳媒)の例を出して、エントリーバリヤーがあまり高くない分野で他社に真似されないようにするには、自社が市場で圧倒的なシェアを取ってしまうしかないと女史からの指導があった。そのためにはビジネスプラン上で立てている新規店舗拡大計画では不十分で、もっと資金を集めて大規模に一気に市場を圧倒する必要がある。このため財務計画と資金調達計画を再度修正することとなった。

この論議を通じて感じたのは、やはり日本の成長スピードで考えていたら中国では創業などできないということ。かなりのスピードで出店する計画を立てたが、中国の経済成長約10%というスピードを鑑みた場合、最初の2~3年で圧倒的シェアを占めなければ直ぐにfirst-comerの優位性は失われる。この疑似体験は今後もどこかで活きてくるだろう。

※写真は分衆傳媒(フォーカスメディア)によるエレベータ広告ディスプレイ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿