今日の一貫

民主議員の参加する大会の中止を迫った畜産局食肉鶏卵課の乱

今なぜこの記事が各紙一斉に出たのか、、何か政治的なウラがある感じもしないでもない。
昨年(08年)2月の鶏卵大会時の自民農水族の思惑に配慮した、食肉鶏卵課長の業界への圧力という記事だ。

まー55年体制的な「政・官・業のトライアングル構造」にそった事件だけに、あきれ果てるよりほかないのだが、しかし、O元官房長は、この4ヶ月ほど前にこうしたことを行って出世したのだから、それを見よう見まねでやろうとしたM食肉鶏卵課長の行為も農水相ではむしろほめられる行為とする文化があったのかも。
それだけ農水省感覚が麻痺している。
これ、その後、改革チームが指摘し、反省対象とした行為だ。

これだけ政治が流動化すると、こうした行為も含め、官はどうあるかを考える契機とすべきなのだろう。


(以下引用 朝日)
農水幹部、鶏卵生産者の大会中止を要請 民主議員を招待「自民党が怒っている」
2009/07/14 朝日新聞 夕刊 1ページ 1061文字

 鶏卵生産者でつくる「日本鶏卵生産者協会」が昨年2月、生産者大会に来賓として民主党議員を招待したところ、自民党農水族議員の意向に配慮した農林水産省の幹部から大会を中止するよう繰り返し要請されていたことが朝日新聞の調べでわかった。農水幹部は「自民党が怒っている。中止しないなら卵価予算(補助金)を切らざるを得ない」とまで発言していた。

 =11面に関係記事

 自民党議員の怒りの背景には、農業関連の票田である鶏卵団体に野党が手を伸ばしてきた警戒感があったとみられる。農水省側は「協会と自民党の関係を悪化させないために動いた」としているが、こうした過剰反応は、政党活動に対する行政側の支援とも受け取れ、業界団体の自由な活動を阻害する圧力となっていた。

 大会は08年2月12日に東京都千代田区で臨時に開かれた「養鶏危機突破緊急全国大会」。約400人の養鶏業者が集まった。飼料高騰を受け、経営難に苦しむ養鶏業者への緊急対策実現を目指す目的だった。卵価交渉を翌月に控え、基準価格の引き上げなどを政府や国会議員に要望した。

 協会の梅原宏保・前会長らの説明によると、協会は来賓として従来の自民党議員に加え、前年の参院選挙で勢力を伸ばした民主党議員らにも配慮する形で招待状を送っていた。内訳は自民4人、民主3人、国民新1人とした。

 大会1週間前の同月6日、農水省生産局畜産部の課長や課長補佐から協会の複数の幹部あてに突然、「大会に何人の議員を呼んでいるのか」「大会を中止してほしい」と連絡が相次いで入った。中止要請はその日から3日間にわたり断続的にあった。農水省側から「大会に野党議員を呼んだため、自民党議員が怒っている」「中止しない場合は牛、豚肉など他の畜産物価格の交渉にも影響する」「大会を中止しなければ卵価予算も切る」などの発言があり、協会幹部が言い返す場面もあったという。

 緊急の幹部会議で、大半の幹部は「生産者の大会なのに役所の圧力に屈するのはおかしい」と主張。大会には、予定していた国会議員のほとんどが出席した。

 農水省側はこうした中止要請の事実を認めたうえで、協会と自民党の関係が決定的に悪化しかねない事態を懸念した事情を説明。当時の本川一善畜産部長(現・生産局長)は「卵価交渉で自民党議員の了承が得られないという事態になれば、協会のためにもならないと判断した」としている。

 交渉で卵価予算が切られることはなかった。「卵価予算を切る」と発言したとされる当時の課長補佐は「そういうふうになりかねないと言ったかもしれない」と話した。

(以下引用 朝日)
自民農水族が過剰反応、鶏卵大会の中止要請 民主議員の招待「利敵行為だ」
2009/07/14 朝日新聞 夕刊 11ページ 1566文字

 自らの権益にしがみつく族議員、その顔色をうかがう官僚、振り回される業界。「日本鶏卵生産者協会」の生産者大会が昨年2月、農林水産省幹部によって再三の中止要請を受けた問題は、そんな3者の、いかにも古めかしい構図を浮かび上がらせる。=1面参照

 事の発端は「誤解」からだった。

 大会の1週間前にあたる昨年2月6日午前。自民党本部で畜産・酪農対策小委員会が開かれていた。

 「養鶏の団体が開く大会に野党議員だけが呼ばれる」。中堅議員が指摘した。「それは問題だ」。批判は農水省幹部にも向けられた。

 これを受け、農水省の課長補佐は協会に対し、出席要請している議員を照会した。協会から送られてきた名簿には、自民や民主など議員数十人の氏名が羅列されており、大会への出席依頼者の氏名の横には丸印が付けられていた。自民4人、民主3人、国民新1人。農水幹部は複数の自民党議員に名簿を見せ、「自民党議員も招待されている」と党側の誤解を解こうとしたという。

 しかし、これが火に油を注ぐ結果に。羅列されている議員名は、大会後に協会から個別に協力を依頼する要請先の名簿だったが、これがまだ作成過程のものだったため、自民党議員の要請先が未完成で、民主党議員よりはるかに少ない数だったという。自民党議員からは「与党を軽く見ている」などとさらなる批判が出て収拾がつかなくなった。

 自民の怒りを受けて農水幹部は一転、大会中止要請へとかじを切った。協会幹部は党の畜産振興議員連盟会長の谷津義男元農水相や同じ農水族の西川公也議員を訪ねるなど理解を求めて奔走した。

 農水省からの度重なる要請を退けて開催した大会から1週間後の19日。自民の怒りは鎮まっていなかった。

 自民党本部で開かれた畜産振興議連の会合。協会から数人の幹部が出席した。各畜産団体からの要請が一通り読み上げられたあと、突然、関西選出の議員が発言した。

 「養鶏の協会は先日の大会で民主党議員に出席要請した。利敵行為で許し難い」。非難は続く。「民主党にお願いしている団体がこの場にいるのはけしからん」「大会の招待状が一部の議員にしか出ていない」。若手の議員からも次々と罵声(ばせい)が上がった。「会長、事務局長の監督がなっていない。何とかしろ」。議連幹部の責任を追及する声まであがり、協会幹部は退出を余儀なくされた。

 その後も、協会幹部は自民党議員との関係修復に向けて動き、畜産振興議連に「政権与党を機軸とする農政活動の姿勢にはいささかも変更はありません」とする文書を提出(会長の谷津氏は受け取りを否定)。大物議員から「事態収拾のために各地で自民党の先生を応援するなど、早めに具体的行動を起こすべきだ」との忠告も受けたという。

 中止要請について、谷津氏は「そんなことを言うわけがない。もし、農水省が団体に大会中止を迫ったとしたら、とんでもないことだ」と話す。


●自民農水族と官僚、いまだに強い関係

 農水行政に詳しい大泉一貫・宮城大学副学長の話 

 農水省は昨年まとめた改革提言の中で「特定のグループに配慮し、不透明な政策決定を行っている実態」を反省しているが、今回の事例がまさにそれだろう。自民党農水族と官僚との関係はいまだに強く、責任のない人たちを気遣って行政が動くのは問題だ。与野党のバランスをとろうとした鶏卵団体は、むしろ政治センスがあるのではないか。

 ◆キーワード

 <卵価予算> 卵価の変動で生ずる損失に備え、養鶏業者を保護するしくみに卵価安定基金がある。養鶏業者からの積立金と農水省の予算(補助金)で成り立っている。前年度末に設定された最低価格(補填=ほてん=基準価格)を市場での価格が下回った際に取り崩して業者の利益を補填する。卵価予算には自民党農水族の意向が反映されてきた。20年度の補助金は12.5億円。

コメント一覧

元養鶏家
どっちもどっちかな
養鶏団体も結構うまい汁を吸ってたのではないですか。我が家は20年前に養鶏を廃業したのに今も会報が送られてくる。廃業したから送らないでほしいと返送したにもかかわらず、いまだに送られてくる。これは、会員が減っては補助金に影響があるからではと勘ぐってしまう。
農林統計のデータと養鶏団体のデータを付き合わせるってことないのでしょう。ひとつの詐欺的行為ではと、勘ぐってしまいますが・・・・。
大泉先生はいかが・・・・・・・
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