今日の一貫

MA米の不思議

MA米、実に不思議なコメだ。
れっきとした輸入米。


93年、ウルグアイラウンド交渉の失敗により、最低限輸入機会の提供として義務づけられたコメ。

①「一粒たりとも(国外から)コメを輸入しないため」農協は、関税反対運動を繰り広げた。しかし、コメを入れないことを目標としてるのに、なぜ、コメを無関税で輸入する状況には目をつぶって、関税化拒否をしたのか?
関税化を拒否すれば、無関税輸入米が増加するはずなのに、、。
また、関税化に踏み切っていれば、MA米輸入は5%ですんだものを、さらに拒否して8%にしてしまった。
二重に、コメを輸入する方向で意思決定してしまった。

②それを99年、関税化に踏み切ることによって、8%に増えるのを、7,2%にとどめたのは賢明な措置だった。このときの事務次官が高木勇樹農林漁業金融公庫総裁。
しかし、2001年からのWTOドーハラウンドで、またもや同じ事を繰り返している。
MA米をさらに増やそうとしているのだが、何故なのだろうか?

③農水省は、コメの輸入を拡大してでも、高い関税を維持している方が、日本の農業にはメリットがあると考えていると、、結論づけていい。

④コメは過剰で、生産調整し、生産制限しているのに、なぜ、輸入する方がメリットがあるのか?

曰く、MA米は、主食用米は国内に流通させず、したがって、いくら輸入しても、国内市場に影響を与えることはない、という。
輸入によるマイナス要因は見あたらないと言うことだ。

本当かいな?
→これまでMA米を90万トンほど主食用として流通させてるのはどういう事かいな?
→SBSで毎年10万トンほどを主食用で流してるのはどういう事かいな?
→生産調整反対のあの、大潟村の黒瀬さんでさえ、、輸入米が生産調整に影響を与えることはないと、、言ってたのだから、政府のテクニック、、あるいはマジックという人もいるが、、洗脳はすばらしいものがある。

(主食に回してるコメ以上の国産米を海外に援助米として流してるから、全体供給量には影響しない、、というのが農水省の見解)
したがって、輸入しているからといって、その分生産調整が増えることにはならないと考えるのだという。
それだったら、MA米を約束通り、主食用に回さないで、、国産米を援助用に回した分、もっと生産拡大すれば良いではないのか、、と考えるのが普通の考えと思うのですがね、、。

農水省=全中のロジックは、、それよりも、関税を高くして、輸入制限し、また生産調整することによって米価を維持する、、いわゆる「高額関税、相対的高米価維持」政策によって、米価を維持した方が、農家の所得が維持され、農家保護になるというもの、、。

それもこれも本当とかいな、、?

このブログでもたびたび、低米価誘導策を主張してきたが、、、農業に詳しければ詳しい人ほど、低米価で困るのは農民、、、と言い続ける、、。

本当かいな?

ところで、本日、19時に、NHK国際放送の竹林さんが、MA米事情を聞きに、わざわざ仙台に来るという。

放送は、10月1日、英語放送。
他国のリスナーに向けての発信番組ということを踏まえ、世界のコメ不足の現状で、日本の貢献できる分野、可能性等について花瀬というのだが、、英語?。

準備しなきゃ、、
番組の質問の主なポイント

○なぜ日本はMA米を輸入せねばならないのか。
関税化拒否の結果の代償が引き起こした矛盾、、、必要でもないコメを買わされているカラクリ。
  

○MA米はどのように消費されているのか。
非常に安く取引されている。保管や維持などに大金がつぎ込まれて、赤字を生む原因になっている。

政府データーは1年ごとの消費量を示していない。これは何故か?
「MA、一般輸入米」は、平成7年から今年の3月まで、主食用に91万トン、加工用に319万トン、援助用に222万トン、飼料用に104万トン、在庫129万トン、在庫は、かつては200万トンをこしていた。
他にMA米SBSで毎年10万トンが主食用に、、。SBSはそれなりに人気がある。SBSの数値は一般米の主食用の一部かも知れない。

加工用米は、既に国内市場に根付いている。
加工用米に使ってる特定米穀はふれが大きく、ニーズに対応しきれなかった。
MA米の方が安定して使いやすい。
国内ニーズに対応しきれなかった加工米市場に、低米価で、値頃感のあるコメをきちんと供給できるのだから、市場に定着するのは当然。

これに対し、農水省は、、新たな市場開拓したのだから、、、、生産調整に影響を与えない、、というのがロジック。

ほんとかいな、?、、、、これこそわが日本の「米の消費拡大」というスローガンの本当の手法は、、、結局、、低米価でするより他ないのですがね、、コメの市場開拓、、これこそが、日本農業の課題ではなかったのでしょうかね、、、、
それを我が国の高米価政策で、、対応しきれなかった、、市場を逃してきた、、ということではないのかいな、、。
そうした間違った手法をとったために、、国産米で市場開拓・消費拡大できないため、、、、輸入米でそれをやるとは、、本当に日本の農水省かいな、、あるいは日本の全中、全農かいな、、ということになる。

MA米の輸入のために、約500億円の予算。
18年 500億  224億の赤字、17年 207億、16年384億、15年 159億、14年 69億、13年0

加工米の流通の仕方。業界に売るので、米屋は入らない。
援助に、2千億円の財政出動。そんなにカネかけて、、生産調整に、毎年1700億もかけて、、みんなで農業を縮小しようとやっきとなっている、、こんな農政おかしいと思わないのかいな、、。

○強制的に輸入するという大きな犠牲を払ってまで、日本がコメに高い関税をかけ続ける理由は、コメ農家を保護するというのが大義名分。

国内のコメ価格維持という農協の主張の一方で、実際にはすでに米価は下落し、コメ余りがおきている現状。

補助金つかって生産調整してるのに、財政措置を講じて補助金使って輸入する矛盾、、、二重三重の矛盾が生じている、農協理論=農水省理論の破綻。
    
     
○一方ではコメ不足の懸念が世界で広がっている
日本がとるべき施策とは?

高関税を下げる=MA米の負担を下げる、
努力する農家に直接所得補償。
農家の切磋琢磨が結果的にもたらす日本農業の活性化
収量増加、世界市場を射程に入れたコメ農業
コメは自給的商品。国際市場には、4%しか流通しない。
輸出を目的に作っているのはアメリカのみ。
輸出を目的に作る小麦や、デントコーンとの違い。
輸出目的生産とコメによる商品開発の必要性。
   
等々か?
    

コメント一覧

ebihara
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