今日の一貫

うなぎ偽装事件 なぜ転売か?またなぜ発覚か?

8月、ウナギのシーズンに、またぞろウナギ偽装表示容疑がでてきた。
この事件、何とも不思議な事件だ。

抗菌剤が入っている可能性のあるウナギだった。しかし当該事業者は自社検査では、抗菌剤は検出されてないかったとしている。
それを輸入業者名を偽装して売却し、流通させたという事件。
抗菌剤かくしの様にも見えるし、業者間の力関係もありそうだし、、、
抗菌剤なら捨てればいいだけだが、、もったいないと考えたのか、、あるいは本当に抗菌剤が検出されていなかったから転売したのか、、もしそうなら輸入業者を偽装する必要はない、、。
下手に偽装するから足がつく。
悪質なのか、たまたまなのか、わからなかいが、その後食品衛生法違反で、6人が逮捕されるまでになってしまった。
日を追うごとに賞味期限も偽装など、、偽装の範囲も広がってきた。
どこまで広がるか、、たまたまこの業者だけか、、業界の構造的なモノか?
どうも前者のような気がするのだが、、

ただ、食品表示調査は殆どが任意。立ち入り検査は殆どしていない。
農水省の食品Gメンがやるのだが、立ち入りの基準は不明確。
とすると、この事件、どうして発覚したのかだろうか。
通常は、内部告発か、「食品表示110番」などのシステム。
しかしこの110番も、あまり本気になって真剣にやってるのかどうかは??だ。

これではたまたまでしかない。発覚したのはアンラッキーと言うことになってしまう。
これでいいのか?


以下毎日8月18日と朝日8月25日
ウナギ偽装表示:容疑でヨーカ堂元社員ら逮捕 現職含む6人--神奈川県警
2010/08/18 毎日新聞 夕刊 9ページ 1309文字
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 大手スーパー「イトーヨーカ堂」が輸入して売れ残った中国産ウナギを元社員らが別業者が輸入したように装って転売したとされる事件で、神奈川県警は18日、業務に携わっていた同社の元食品事業部海外担当マネジャー、石原荘太郎容疑者(58)ら6人を食品衛生法違反(偽装表示)容疑で逮捕した。転売先では輸入元のほか、賞味期限まで偽装されており、食の安全を脅かす消費者無視の業界体質がまた問われる事態になった。【高橋直純、吉住遊、山田麻未】
 県警生活経済課などによると、他に逮捕されたのは▽石原容疑者の当時の部下でヨーカ堂社員、大嶋由紀(34)▽食品商社「日洋」(東京都新宿区)元社員、津田裕史(56)▽同社社員、佐藤宇永(42)▽海産物輸入販売業「高山シーフード」(東京都三鷹市)社長、高山智広(54)▽同社元社員、小池信行(47)――の5容疑者。
 逮捕容疑は、ヨーカ堂が輸入した中国産ウナギ約15トンを、食品衛生法で明記が義務づけられている「輸入者」欄を「高山シーフード」と偽装した箱に詰め替え、09年6~10月、魚介類販売業「ヤマト・フーズ」(横浜市金沢区)などに計約634万円で売ったとしている。
 県警によると、ウナギはヨーカ堂が03~05年に中国から輸入した約1000トンの一部とされ、抗菌剤の検出などで中国産ウナギへの不信が高まり大量に売れ残っていた。少なくとも78トンが日洋を通じて転売され、同様に偽装されたとみられる。
 ヨーカ堂を展開するセブン&アイ・ホールディングスは「弊社に違法性はないと信じているが、捜査の行方を慎重に見守りたい」とコメントしている。
 ◇大手の取り扱い「保証」に
 ヨーカ堂が売れ残りウナギを転売した背景には、05~06年、中国産ウナギから食品衛生法で使用が禁止されている合成抗菌剤「マラカイトグリーン」が検出され、国内の消費が落ち込んでいたことがある。当時、同社は中国産ウナギの販売を自粛しているが、その過程で大量の売れ残りが発生した。
 横浜市保健所の昨年の検査では、ヨーカ堂の転売先の業者が売ったウナギから微量のマラカイトグリーンが検出されている。
 ヨーカ堂を展開するセブン&アイ・ホールディングスの担当者は「独自検査で問題ないため転売した」と説明している。ただ、大手でいったん扱われ、売れ残った食材が再流通すること自体、異常だと指摘する声もある。
 食品流通に詳しい宮城大の大泉一貫教授(食品流通事業論)は「大手スーパーが売れ残りを転売するのは聞いたことがない」としたうえで「転売が事実なら(トラブルになった時のため)名前を隠そうとしてもおかしくない」と指摘する。
 業界関係者によると、見た目だけでは産地などの判断が難しい生鮮食品は、大手の取り扱いが業者内で「保証」となり、転売されやすいという。
 今回のケースは、転売が繰り返された末に賞味期限も偽装され、さらなる不正の温床となった。
 食品衛生法が輸入者の明記を求めているのも、生産・加工・流通の履歴を事後的に検証するためだ。食への安全意識が高まる中、こうしたトレーサビリティーの体制を根本から否定するような偽装を招いた責任は重い。【高橋直純】
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業者転々、賞味期限改ざん 一部から禁止薬品も検出 ウナギ偽装 /神奈川県
2010/08/25 朝日新聞 朝刊 31ページ 1169文字
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 大手スーパー「イトーヨーカ堂」元社員らが逮捕された中国産ウナギの輸入業者偽装事件で、ウナギが業者間を転売された末に、賞味期限が改ざんされていた実態が明らかになってきている。一部商品からは禁止薬品も検出された。輸入業者の偽装が、さらに深刻な「食の安全」を脅かす事態を招いた構図が浮き彫りになっている。
 (山本孝興)
 県警や関係者によると、ヨーカ堂が2003~05年に輸入した中国産ウナギは当初はすべて自社で売る予定だった。しかし、禁止薬品マラカイトグリーンの問題などの影響で在庫がだぶつき、78トンを海産物販売業者「高山シーフード」(東京都三鷹市)に売った。
 この時点ですでに賞味期限が迫っていたとみられ、箱の入れ替えの実行役だった住所、職業不詳の西原健一容疑者(47)は「一部のウナギは賞味期限の改ざんもした」と供述している。
 ウナギはさらに、高山シーフードを通して計7業者に転売された。
 一連の事件発覚の端緒となった横浜市金沢区の業者の場合、高山シーフードから買った時点ですでに賞味期限切れから2年以上がたっていた。
 この業者は購入後、ウナギをかば焼きとしてパック詰めし、賞味期限がまだ数カ月もあるように改ざんした。業者は取材に「食べてみて大丈夫だと思った」と話した。横浜市は、同市中央卸売市場南部市場内の業者に転売された441パックの回収を命じたが、すでに大半が消費された後だったとされる。
 高山シーフードからの転売先の一つ、東京都西東京市の業者はさらに大阪府豊中市の業者に転売した。やはり賞味期限は切れていたが、「お互いが了承しての売買」(関係者)だったとみられている。
 豊中市の業者も賞味期限の表示を改ざんし、大阪府内50カ所の店舗に販売。約4トンの大半がうな丼などの総菜として消費者の手に渡った。
 複数の水産業者によると、冷凍ウナギのかば焼きの賞味期限は「焼いてから2年」が業界のルールという。しかし、2年が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではないのに加え、転売が繰り返されるうちに、改ざんへの抵抗感が薄れていたようだ。
 ヨーカ堂側は「売ったウナギからは自主検査で、マラカイトグリーンは検出されなかった」と主張している。しかし、横浜市金沢区の業者が買ったウナギからは実際には、同市の検査でマラカイトグリーンが検出されており、この経緯は不明のままだ。
 宮城大学の大泉一貫副学長(食品流通事業論)は「今回のケースは消費者を無視した典型例」と批判。「ウナギを業者内でどう処理するかを考えているだけで、誰が買うかなんて考えていない。流通ルートをきちんと監視する必要がある」と指摘している。
 【写真説明】
 横浜市の市場内で見つかった「高山シーフード」(東京都三鷹市)から流れたとみられるウナギの段ボール箱=横浜市金沢区、市場関係者提供
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