内閣総理大臣 安倍晋三様
法務大臣 川上陽子様- オウム真理教幹部の死刑執行に抗議する声明
私たち日本バプテスト連盟は、1993 年 2 月 26 日第 44 回定期総会において、以下のように「死刑廃止を求め
る決議」を採択ました。
人間は神の像として創造され、神によって生かされている存在であって、人命は不可侵の尊厳性を持っている
ことを信じるが故に、私たちは死刑に反対します。
イエスは憎しみと復讐を越える立場を示され(マタイ 5:38 以下)、パウロは「復讐は神に任せよ」(ローマ 12:
19)と教えています。イエスは「あなたがたの中で罪のない者がこの女に石を投げつけるがよい」(ヨハネ 8:7)
と言いましたが、この言葉は人間が人間を死刑にすることはできないことを示しています。
イエスは当時のユダヤ社会で排除されていた「地の民」と呼ばれる人々を排除することなく、彼らと食事を共にし
ました。このことは私たちに、死刑による排除を否定してすべての人と共に生きるべき事を教えています。
イエスの死は万民のためであり、いかなる犯罪者にも悔い改めて新たに生きる道を開きました。
犯罪の背景には差別や家庭環境や社会への不適応などによる心の屈折がある場合が多く、犯罪の責任を個人だ
けに帰することはできません。社会的な歪みを是正する共同の努力が必要です。
憲法36 条には「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と規定されています。
死刑執行は、それに当たる刑務官の「良心の自由」をも侵害します。
人間の裁判は誤審を避けることができませんから、死刑は無実の人を殺す危険を伴っています。
死刑は国家権力への批判者・抵抗者を威嚇し弾圧する手段として用いられて「思想の自由」「言論の自由」を破
壊する危険があります。
死刑制度に犯罪抑止力がないことは今日では広く知られています。
戦争と死刑は国家による合法的な殺人行為ですが、国家が殺人を悪であるとする立場に立ちながら戦争と死刑
において殺人を合法的に認めるという誤りを私たちは許すことが出来ません。私たちは「殺すな」という立場か
ら戦争と死刑に強く反対します。
私たちは死刑には反対ですが被害者の遺族の悲しみを決して軽視するものではなく、彼らの「隣人になり」(ル
カ10:36)、「泣く者と泣く」(ローマ12:15)という心を持たなければならないと思います。
(以上)
私たちは今もなおこの立場を堅持していますので、「殺してはならない」(出エジプト20:13)との神の言葉に
従い、あらゆる殺人をも認めず、改めて死刑制度への反対を表明します。
オウム真理教教祖及び幹部の犯罪は、「殺してはならない」(出エジプト20:13)との戒めに背いた行為であり、
決して認めることができません。しかし、その犯罪者を国家が「死刑」によって処罰することも、「殺すな」の戒
めに背く行為として認めることができません。
また今回の死刑執行は天皇代替わりの時期を見計らった極めて政 治的な執行であり、結果として、オウム真理教
事件の真相や行動分析の究明という歴史的に重要な検証作業の可能性を断ち切ってしまうものでした。それゆえ私
たち日本バプテスト連盟は、オウム真理教事件に関して、7 月 6 日に7人、7 月26 日に6人の死刑を執行した政
府の行為に対し、強い抗議の意思を表明します。
2018 年 9 月6日
日本バプテスト連盟理事会
法務大臣 川上陽子様- オウム真理教幹部の死刑執行に抗議する声明
私たち日本バプテスト連盟は、1993 年 2 月 26 日第 44 回定期総会において、以下のように「死刑廃止を求め
る決議」を採択ました。
人間は神の像として創造され、神によって生かされている存在であって、人命は不可侵の尊厳性を持っている
ことを信じるが故に、私たちは死刑に反対します。
イエスは憎しみと復讐を越える立場を示され(マタイ 5:38 以下)、パウロは「復讐は神に任せよ」(ローマ 12:
19)と教えています。イエスは「あなたがたの中で罪のない者がこの女に石を投げつけるがよい」(ヨハネ 8:7)
と言いましたが、この言葉は人間が人間を死刑にすることはできないことを示しています。
イエスは当時のユダヤ社会で排除されていた「地の民」と呼ばれる人々を排除することなく、彼らと食事を共にし
ました。このことは私たちに、死刑による排除を否定してすべての人と共に生きるべき事を教えています。
イエスの死は万民のためであり、いかなる犯罪者にも悔い改めて新たに生きる道を開きました。
犯罪の背景には差別や家庭環境や社会への不適応などによる心の屈折がある場合が多く、犯罪の責任を個人だ
けに帰することはできません。社会的な歪みを是正する共同の努力が必要です。
憲法36 条には「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と規定されています。
死刑執行は、それに当たる刑務官の「良心の自由」をも侵害します。
人間の裁判は誤審を避けることができませんから、死刑は無実の人を殺す危険を伴っています。
死刑は国家権力への批判者・抵抗者を威嚇し弾圧する手段として用いられて「思想の自由」「言論の自由」を破
壊する危険があります。
死刑制度に犯罪抑止力がないことは今日では広く知られています。
戦争と死刑は国家による合法的な殺人行為ですが、国家が殺人を悪であるとする立場に立ちながら戦争と死刑
において殺人を合法的に認めるという誤りを私たちは許すことが出来ません。私たちは「殺すな」という立場か
ら戦争と死刑に強く反対します。
私たちは死刑には反対ですが被害者の遺族の悲しみを決して軽視するものではなく、彼らの「隣人になり」(ル
カ10:36)、「泣く者と泣く」(ローマ12:15)という心を持たなければならないと思います。
(以上)
私たちは今もなおこの立場を堅持していますので、「殺してはならない」(出エジプト20:13)との神の言葉に
従い、あらゆる殺人をも認めず、改めて死刑制度への反対を表明します。
オウム真理教教祖及び幹部の犯罪は、「殺してはならない」(出エジプト20:13)との戒めに背いた行為であり、
決して認めることができません。しかし、その犯罪者を国家が「死刑」によって処罰することも、「殺すな」の戒
めに背く行為として認めることができません。
また今回の死刑執行は天皇代替わりの時期を見計らった極めて政 治的な執行であり、結果として、オウム真理教
事件の真相や行動分析の究明という歴史的に重要な検証作業の可能性を断ち切ってしまうものでした。それゆえ私
たち日本バプテスト連盟は、オウム真理教事件に関して、7 月 6 日に7人、7 月26 日に6人の死刑を執行した政
府の行為に対し、強い抗議の意思を表明します。
2018 年 9 月6日
日本バプテスト連盟理事会