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Ride Motorcycle

趣味のバイクとの日々を綴っています。

エンジンマウントステー ブッシュ交換

2013-09-06 23:19:00 | YAMAHA RZ350
振動が多い、とか、変形が顕著、などの不具合はありませんが、30年の経年劣化を考慮し防振ゴムの交換を行いました。

【ハスコーのベアリングプーラーを持っている人限定】です。



交換工具は

ハンドドリルと、ホールソーです。
ホールソーはゴム部の外径より1サイズ小さいものを使用しないと、ブッシュが削れてしまい、抜くことが困難になりますので要注意。





上記でも十分安いですが、あまりショボいのを買うとこの作業、負荷・発熱がすごいのでお気を付けて。



ステップとしては

1.φ18のホースソーでゴムを荒抜きする。
2.φ19のホールソーで残ったゴムを掃除する。
3.インナー(ホイール)ベアリングプーラーでブッシュを抜く。


こんな感じに外れます。
作業中は工具とゴムのグリップを緩和する目的で、潤滑材をこまめに吹きつけながら施工すると、GOOD

φ18ホールソーで荒抜きしたらφ19に付け替えて、抜き工具が入るように残ったゴムを清掃します。


ゴムがなくなったら、ベアリングプーラーをブッシュに差し込み、ブッシュを抜きます。

【要注意ポイント】
プーラーはφ22を使用しますが、ハスコーの特注扱いになります。
理由はハスコー相当品でないと、チャックの頭に逃げが切ってないため、プーラーの足がブッシュ圧入部届かなくなってしまうためです。

ハスコー/HASCO 特注チャック φ22 NHBP-2035-22C

頻繁にベアリング抜きなどのエンジン整備作業を行う方は、ボーナスゲット!も考慮されると部品も壊しづらく、作業も早いので幸せになれるかと・・



僕は必要なものから数年かけて、少しずつ買い足していったのですが、一度にセットで買った方が相当安いんですね(涙)

ブッシュが抜けたらホイールベアリングを圧入するときと同じく、ベアリングインストーラーでブッシュを叩き込みます。

この際、受け側と面一にする必要があるため、受けが平らな金敷きや鉄板、万力の金敷き部を利用された方が良いです。

金敷き欲しいなぁ、安いのがあっても微妙に買わないのですよ。
↑ ホムセンで見る、線路削ったやつですね。


交換が終了し、エンジンに装着完了

ボルトは頭の出っ張りが嫌だったので、SCM435 強度10.9相当のラウンドヘッドボルトに交換しました。

純正ボルトの強度が必要なところは、8T(旧規格、8T≒8.8)設定が多いので問題ないでしょう。


このステー、LとRの刻印がありました。
左右共通ではなく、部位指定パーツなんですね、注意しないと。


エンジンマウントも交換したので、防振システムは2~30年問題ないでしょう。



そういえば最近思います。

「何十年先まで安心」という納得方法。
そんな先になったら、もう僕はおじいちゃんだよ(笑)

段々体のパーツも劣化してきますしね。

もう目いっぱい全開で楽しめる期間は、かなり減ってきてる。
おじいちゃんになったら、多分フルカスタムのカブだろな
あっちは相当パーツありそうだし、整備もラクそうだし。

ではいつやるか?って質問、もう古い(笑)


1UA-キャブレター (失敗)

2013-09-05 01:22:00 | YAMAHA RZ350
オランダから、1UAとして陳列されていたキャブが届きました。

これは失敗談。

届いたキャブはひどく変形しており、汚くて臭い。


腐敗ガソリン入れたまま、航空便で送るなって(怒)


クレームを申請したら、「送料を払えば、送ったキャブは差し上げよう。そしてもう一つのストックを送る。」と

で、届いたのは

RD350LC YPVS ドイツ仕様

”26馬力規制車”のキャブだった・・・



それは珍しいかもしれないけど、イラネ

パーツストックになるだけマシと、前向きに考えます・・


この店は要注意なので晒します(笑)
http://www.motorsloop.com/
外観は解体屋だなぁ、ここ

ちなみに26馬力規制車は出力が絞ってあるため、パワージェットを含め、セッティングが結構薄くされていました。

ふぅ~


1UA-YPVSコントロールユニット

2013-09-04 22:56:00 | YAMAHA RZ350
1UA欧州仕様(らしい)のYPVSコントロールユニットが届きました。


オランダのショップにデットストックがあり、売れないためか?ディスカウントされていたため、入魂クリックです(笑)

結構オランダって、新品、中古を問わず1UAパーツがあるんですよ!!

ネックはオランダ語なのですが、GOOGLE翻訳で蘭訳化しても運が良いと英語で返ってきたり、基本向こうは売主ということもありますから、とても親切です。

また日本語のように回りくどくなく、シンプルですので何とかなります。

30年近く前の袋を開封したところ、一気にユニットは老化して砂になりました(泣)

というのは冗談で、不滅インクで型式がスタンプしてあります。

調べたところだと、ROMの中身=サーボモーターの動作 が違うらしい・・・

ですが、海外のBBSでもよく分からんみたいな感じでした。


なので箱を開けてみました。
中央の大きな集積回路がROMのようです。

拡大してみます。

35X-85842 00
MB8851 
409M
9127 Z40
と番号が印字されています。

このサフィックスの00が、01だったり02だったり派生があるらしいのですが、派生なのか改良バージョンなのかは不明です。

手持ちの52Yのものと比較しようとしましたが、シリコンで埋めてしまっていて確認できませんでした。

いずれにせよ、手持ちのユニットの程度が悪かったので、予防交換レベルで考えておいた方が良いのかもしれません。


クランク交換

2013-08-21 23:44:00 | YAMAHA RZ350
こんにちは、イケピーです。

前回の記事で、ベアリングのロック剤固定はヤバいことが分かりましたので、普通に組むことにしました。

繰り返しますが、選択肢としては

1.新品純正クランク: 70980円
2.オーバーホール : 40000円~50000円
3.サイドベアリングのみ自分で交換の応急修理:2741×2=5482円

ですが、

3.は無しにしても、結構な金額ですよね。
さすがに毎月のパーツ積み立ても、クランクレベルの大物は揃えてないです(^_^;)

けれど今は円高ですし、RZRと同じ(ような)クランクケースを使用しているバンシーのパーツを調べてみることにしました。

すると

米国ワイセコ社からクランクが発売されていることを知りました。

けれど具体的な情報が少ない・・・
そこで人柱?的に輸入してみることにします。

もちろん新品で、ガスケットやオイルシールがすべて入っていて、送料込みで4万円でした。
安い・・・ですよね?


2週間程度で届きました。
新品は美しい。

付属のガスケットセット

オイルシールはクランク周りに加え、ウォーターポンプやオイルポンプ、スターターシャフトが付属。
クランクケースカバーガスケットも付属しています。
これらの付属品だけでも純正は1万円近くするので、もう涙目です。


コネクチングロッドもワイセコ製、黒色塗装されていました。


高トルクがかかるローター固定ねじは、きちんと焼き入れしてあるようです。


使うのは初めてなので、まずは精度をチェックします。

振れは0.005mm
おぉ~、無修正で1000分の5、ですか!

飛行機に揺られた割には思った以上の高精度です。
勿論、そのほかのディメンジョンもOKです。



ちょっと面白いことに気が付きました。


前回の記事で、クランクベアリングの固定について考えてみたのですが、ワイセコは回り止めピンがありません。


フッ素系エラストマーと思われる素材でできたOリングが装着されています。

これ、コストダウンとはいえ、良く考えましたね。
きちんとVAプロセス踏んだのでしょうね。

要はゴム状ですので、軸方向の変形に対しては弾力で変形量を吸収し、周方向の回転に対しては、ゴムのグリップで規制する、といったものでしょう。

素材はフッ素系と思われますので、油脂、燃料、高温への耐久性がありますし、特注の穴あきピン打ちベアリングなどを使用するより、汎用の止め輪用ベアリングを使用することが可能になりコストダウンできる、といったところでしょうか。


問題なく組み込み完了

耐久性は、今後検証していく予定です。


クランクベアリングのロック剤固定について

2013-08-20 22:42:00 | YAMAHA RZ350
こんにちは、イケピーです。
僕のRZ、結局時間がかかるレストアになってしまったので、長く乗れるよう注意してパーツを選んで行こうと思っています。

今日は破損したクランクの修理もしくは交換が必要なため、コストと耐久性を考えて選んでみました。

僕のRZはRZRエンジンへ交換してありますので、クランクシャフトは

RZR用となります。
ご存知の方も多いと思いますが、YPVSの関係でクランクの幅(組立寸法)が数ミリ違いますので、初期型RZとは共用ではありません。

ここで修理にかかる選択肢と、それぞれのコストを調べてみました。

1.新品純正クランク: 70980円
2.オーバーホール : 40000円~50000円
3.サイドベアリングのみ自分で交換の応急修理:2741×2=5482円

うーん、どうしよう、、けど3.は捨てる(笑)

けれど共通する項目で、劣化したベアリングが回らないようにするには?を考えてみました。


ロックタイトで固定したらどうだろう?


うーん、安直な僕

けど、純正の4個のベアリングは一番端っこだけ

今回クランクベアリングの劣化に伴う回転抵抗が増したせいで、ベアリング外輪が回転し、ケースにダメージが生じていました。

そこで高強度ロックタイトによるベアリング外輪の固定を考えてみたのですが、安全性に対する情報がネットを検索しても出てきませんでした。

そこでざっくり計算してみました。

耐熱用の高強度グレードのせん断強度=25N/mm以上
クランクベアリングの表面積=外径67mm、幅17mm=3576m㎡
全周塗布の場合のせん断強度=3576×25N=89400N=9116kgf

9トン以上の力に耐えるとはスゴイ
3個のベアリングですので27348kgf=37トンの力に耐える・・・
すごいですねぇ!?

では実際温度変化でどれぐらい力が発生するのだろう?

クランク軸の長さ=156mm(マニュアル値)
鋼の縦弾性係数E=206000MPa
鋼の線膨張係数α=1.15×10^-5[1/℃]
温度差t(20℃→120℃)と仮定 =100

固定の場合のクランクシャフトに掛かる応力
σ=Eαt= 206000[MPa]×1.15×10^-5[1/℃]×100[℃]=236.9MPa=236.9N/mm


伸び量
温度差100℃(20℃→120℃)
ΔL= Lαt=156mm×1.15×10^-5[1/℃]×100℃= 0.18mm伸びる


100℃の温度差で発生する力は
P=EA(ΔL)/L=20600×491×0.18/156=11.7KN=1193Kgf≒1.2トン


まとめると

温度差が100℃程度発生する3個のクランクシャフトベアリングは、ロック剤(ベアリング外輪全周塗布の計算)による固定力で、37トンまで耐えることができる。

この温度差の場合、クランクシャフトは0.18mm伸びて、ロック剤で固定した部分に発生する力は1.2トンなので、ロック剤が剥がれる可能性はない。

しかしクランクシャフトに発生する応力236.9MPaは、軟鋼の降伏点(変形して戻らない)250MPaに近接しているので、オーバーヒートなどで想定以上の熱膨張が生じた場合、クランクシャフトが変形する可能性が高い。
(0℃で組んだら100℃まで、20℃で組んだら120℃まで、この温度差を超えるとヤバい)

但し、アルミクランクケースの変形による吸収や、ベアリング圧入荷重がクランクの伸び力より低い場合は、圧入部で滑って吸収するのかもしれない。

いずれにせよエンジンには良くないと思いますので、ロック剤でのクランクベアリング固定はやめることにしました。



ここで純正のクランクですが

画像左端のベアリングのみ、止め輪で軸方向規制してありますが、ほかの3個は周方向のみスプリングピンで規制し、軸方向は遊びを設けています。


なるほど、クランクシャフトの熱膨張の力を逃がす、こういう意味だったのですね。
ロック剤は良く考えて使うことにします。