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Ride Motorcycle

趣味のバイクとの日々を綴っています。

再生新車を目指して

2013-11-04 21:10:00 | YAMAHA RZ350
道のり長く、ようやく2年ぶりに完成しました。
この15年間、RZ貯金と称して、毎月コツコツと販売中止になっていない新品パーツを購入し、新品が出ないものは再メッキや再塗装を施し、イケピーオリジナル新車ライク(と勝手に思い込んでるww)なRZが完成しました。



外装の塗装は、本ブログのリンク先でもある横浜の「R'S CRAFT」代表 七井さんに施工して頂いています。
RZ一筋に近いプロフェッショナルですので、ラインのレイアウトや調色も完璧に近いのではと思います。
素晴らしい塗装をありがとうございます。


僕の場合、ノーマルのシャープエッジコーナリングが好きなので、足回りはベアリングの総交換と、サスペンションのグレードアップ程度に留めました。

またクラックの入りやすいテールカウルについては、ドライカーボンのサードパーティー製に交換しました。
ドライカーボンは、以前S4RSに数点装着したことがあり、強度と軽さについては「筆舌に尽くし難い」レベルと思っています。

さすがに30年以上経過しているマシンですが、パーツは奇跡的なレベルで供給がされており、ユーザーを大事にするヤマハさんの企業姿勢と、2サイクルスポーツ復活の金字塔を打ち立てたモデルだけに、ワールドワイドでのサードパーティー製品が充実していることもあって、情報検索ができれば国内絶版パーツの入手も可能となっています。

一例を挙げると・・・
クランク・ピストン:アメリカ合衆国
キャブレター:イギリス、オランダ
キャブインナーパーツ:ドイツ
ハンドルスイッチ:マレーシア
カバー類:イギリス ・・・etc

入手先を上げるには「枚挙に暇がない」レベルとなっています。
特にユーロ圏には熱狂的なユーザーが多いらしく、いまだ国内絶版の新品パーツは基より、豊富なリプロパーツが充実しています。

ただし純正至上原理主義的な方には、ヤマハ社内でのパーツ共通化などにより、当時のオリジナル色が薄らいだパーツに変更になっている個所も多々あり、悩ましいところとなっているのも事実です。

例を挙げると・・・

これはホースバンドなのですが、当時は電気亜鉛めっきオリーブクロメート処理だったものが、クロームメッキとなっていたりします。

共通化に加え、ユーロ圏のRoHS指令に準拠させるため、表面処理を変更せざるを得なかった背景も大きな要因でしょう。

僕的には六価クロムが三価クロムに変更になり、耐食性が悪くなったことが残念でなりません。
これについては、年々技術革新が進行しているようですので、今後良くなることはあっても、悪くなることはないと思っています。


そんな中で、ブレーキローターを止めるボルトが、干渉の関係でボタンヘッドのものしか使用できなかったのですが、このボタンヘッドボルトは選択肢が狭く、防錆性能に優れたものは、ステンレス製しかありませんでした。

ただ、高強度のステンレスボルトは価格が高く、様々な制約があり代替え品を探していたのですが、ようやく強度10.9相当で表面処理がクロメートのハイテンションボルトが見つかり、レストアに合わせ今回晴れて交換となりました。

カラーもサンスターのアルマイト処理と近似しており、無難に収まったようです。

ブッシュの耐久性に潤滑面で問題のあったスイングアームは、K.I.Dさんのニードルローラーベアリングキットを組み込みました。

今どきのバイクはベアリングがデフォルトなので、ある意味自然に見えます(笑)
オーバーホールを行ったオーリンズサスペンションと、どのようなマッチングを見せてくれるか楽しみです。


数10年前は、イラネとぽいぽい捨てていたエンジンハンガーも、絶版となっています。

これは丁寧にスプリングワッシャー部のバリ取りと平面出しを行い、フレームと同時に静電紛体塗装を施しました。

ボルトは座面座屈による締結トルクの低下による緩み防止のため、ホンダの8T相当以上のフランジボルトに変更しました。


キャブレターはヨーロッパフルパワー仕様1UAキャブを入手したものの、スロー系統の不具合により、以前「クソキャブ」と罵った、ドイツ国内向け27PSボディーに変更しています。

但しパワージェット付キャブは、本体は仕向地共通であり、フロートのみが圧入されたパワージェット違いとなっていますので、今回1UAフロートを使用しキャブの刻印以外実質1UAとなっています。


エンジンは交換できるパーツはベアリング、ラバーパーツ、防振ゴムなどの新品総交換、摩耗の激しいパーツはハードクローム加工を行いました。

エンジンを始動しましたが、RZの程度の良いエンジンはノイズレスなんだとびっくりです。

特にクラッチ回り、ミッション周りのベアリング交換の効果は覿面で、ゴロゴロノイズは皆無、シュシューというピストンリングの摺動音だけが静かに聞こえます。

発売後30年にして作り上げた状態を、今後はどこまで維持できるか、楽しみでもあり不安でもあるところです。


ど、忘れ

2013-10-28 23:30:00 | YAMAHA RZ350
レストアもほぼ完了し、キャブレターインナーパーツの到着を待つのみとなったRZ。
待つとは言っても、パワージェットだけなのでエンジン始動確認だけは可能。


久しぶりにOHしたこともあり、

一通り点検してから「点滴」を取付。
最初はオイルポンプ - キャブレター間のデリバリーパイプにオイルが満たされていないため、点滴の中身は混合ガソリンとしました。

燃料はハイオクタンガソリンを入れました。
2サイクルエンジンは純正マフラーから社外チャンバーに交換すると、充填効果が上がることで、特にパワーバンド域での実圧縮比が上がるため、ノッキングが原因のデトネーション発生を、少しでも避けたいためです。

チョークを引いてキック、キック。

甲高いサウンドと、盛大な白煙を吐いてエンジンが始動しました。
懐かしいというか、なんというか、嬉しいものですね。

しかし問題発生が発生したので、さっそくトラブルシューティングかよ!!!!(泣)、、と。

1.スロットル開度が少ない状態でのみエンジンが止まる。

 →(インマニ側負圧が大きい)スロー領域のみ発生する。

2.スロットル開度をある程度増やすと吹け上がりが良くなる。

 →スロー領域が終わると良くなる。

3.チョークを引くと症状が改善するが、スロットル開度を増やすと吹けが鈍い。

 →スロー領域は改善、メーン領域は少々濃い状態

以上のことから、スロー系統がおかしい=薄い 感じです。


中古キャブ本体のポートが詰まってる? 社外ジェットが不良品?、パイロットスクリュー・・。

とキャブをにらみながら再点検してると、あぁこれこれ~。


コック負圧用のポートにプラグをしてなかった(笑)

ポートはピストンよりエンジン側にあり、スロットル開度が小さいときに負圧が高くなるため、ここから盛大にエアを吸ってしまっていて、スロー領域の混合気が顕著に薄くなっていたのですね。

アブないアブない。


急遽コック用の負圧取出しポートを塞ぐ、特製?プラグを作製しました。

対策確認は、耐ガソリン用シーラーが乾くのを待ってから。
完全硬化には24時間かかるのか・・・


ラジエター塗装完了

2013-10-22 01:04:00 | YAMAHA RZ350
やれた外観だったラジエターの焼き付け塗装が終わり、ようやく装着できました。
DIYでの焼き付け方法は、

自宅のケーキ焼くオーブンで、こっそりやってます(笑)

フィが潰れないよう、脱脂洗剤とブラシで丁寧に擦り、古い塗膜と汚れを落とします。
フィン以外は真ちゅうブラシで、こびりついたカルキや砂。ホコリを落とします。


塗料は、絶妙な半ツヤのマフラー用塗料を使用しました。

今まで僕が使用した中では、ラベンのものがバイク用品店での入手性、価格、色相的にポイントが高かったです。

焼き付けを行うと、多少ツヤが引いてマット寄りの仕上がりになりますが、微妙にツヤが残っていて、控えめな仕上がりになります。
テッカテカのグロス仕上げが苦手な方には、最適かもしれません。



これが今回、ラベンで塗装したものです。

2回吹きで、1晩常温乾燥を行います。

以前他のパーツで30分程度の乾燥で焼き付けを行ったところ、気泡が発生してしまいましたので、シンナー抜きは最低1晩は見た方が良さそうです。

180℃で30分間の焼き付けを行いました。

これからのガレージアイテムに、オーブンはオススメかもしれません。

当然火災リスクがありますので作業場の整理整頓や、使用中にそばを離れないなど、最低限の注意は必要ですが、熱風乾燥器などの高額な専用品よりお手軽なのは魅力的です。


このように一般的な一液式の塗料に対し、耐熱塗料の場合は塗膜の硬化に加熱が必要となります。
塗装後に加熱硬化させないと、いつまでたっても塗膜が柔らかく、溶剤には容易に溶けてしまうのです。

マフラーに塗装する場合は、排気温度で加熱硬化するので問題がありませんが、一般部品に塗装する場合は、何らかの方法で加熱硬化させてやることが必要になります。

説明書きでは最低150℃×15分とありましたが、この条件では僕の場合、塗膜に硬さが出ず、イマイチの仕上がりでしたので、施工される方は参考にしてみてください。

先ほど書きましたが、180℃×30分程度が仕上がり的には満足のいくものでした。


最近はヤマハ純正の半ツヤブラックも発売されたようです。

メーカー純正だけに、艶の出方もコダワリがあるのでしょうか。
次回はこの塗料も使ってみたいですね。

10月末には、オーダーしていたパワージェットが届く予定です。
キャブレターを装着して、エンジンを掛けるのが楽しみです。


チャンバーフランジの修理

2013-10-11 19:53:00 | YAMAHA RZ350
長い間の使用により、変形が生じてしまったフランジです。

ステンレス材ですので、ユーゾーのアルミ鋳物製よりは摩耗を含め、耐久性ははるかに上とはいえ、この状態では排気漏れが心配です。

チャンバーを製作頂いたSAOテクニカルサービスさんに問い合わせを行うと、修理が可能とのこと。

自信で道具を買って行うのはコスパが非常に悪いことと、SAOさんのクオリティーには到底かないませんので(笑)、修理を依頼しました。

修理内容は変形の修正と、シール面の微小切削とのことでした。

隙間ゼロ、これで不安から解消されました。


シール面の仕上げも、パーフェクトです。

今回、茶色く変色したステンレスチャンバーを、ヨシムラのステンマジックで磨いてみました。


驚きの効果でピカピカ! ちょっと酸がキツイけどこれはスゴイケミカルですね。

あまりにピカピカになってしまい、メッキしたみたいで気持ち悪い(笑)

新品時の下地の状態以上にはならないハズですが、ステンチャンバーやマフラー装着オーナーには、必須のケミカルですね。



ようやくチャンバーが装着できました。





「ヨシムラ ステンマジック」を、スポーツスターのコゲコゲに変色したインナーサイレンサーで、効果を確認してみました。

本来見えない場所なのでどうでも良いのですが、実験用には最適ですね。

「ヨシムラ ステンマジック」を適量、使用します。

多すぎても勿体ないので、いろいろ試して適量を探るが良いと思います。


軽く擦っていると、「ヨシムラ ステンマジック」が汚れて、乾いてくるので、使い切った感を見計らって、ウェスの新しい面に「ヨシムラ ステンマジック」をサイド使用して施工した方が良いでしょう。

フィニッシュは、綺麗なウェスかティッシュで「ヨシムラ ステンマジック」の残りをふき取るとGOODです。

おほ、ツルツルピッカンになりました!!!!!

これはオススメです。



1UAキャブレター入手

2013-09-15 22:10:00 | YAMAHA RZ350
3度目の正直とはよく言ったもので、3度目にしてようやく1986年式 RD350LC YPVS欧州仕様(1UA)キャブが入手できました。

セカイモンは中古キャブは送ってもらえないし(約款に明記、落札してもお金だけ取られて没収)、ebayも中古キャブの日本発送はなかなか見つかりません。

結局英国に事務所がある、輸入代行会社に頼んでebay-UKから落札-日本発送してもらいました。


ちゃんと刻印も

1UAになっていました。


この写真は清掃、パーツ入れ替え後のものですが、やはり古いキャブだけに徹底清掃とインナーパーツの交換は必須でした。

インナーパーツはヤマハからは出ないようで、これまたネットで検索です。

なんとかドイツのショップでキースター製のRD350LC 1WW(ドイツ仕様 50馬力)用 を入手できました。
PAYPAL は便利ですね。

お値段は送料込みで72ユーロでした。
ドイツ語のメールが来るので、google翻訳フル回転です。
返信は機械翻訳ですので、???が結構あると思います(^_^;)

キースターさん、大人の事情があるのでしょうが、ぜひ国内でもリペアキットの販売を行ってほしいです。


さて、購入したリペアキットですが品番はKY-0528(N) 末尾N付はニードルジェットが追加となっています。

馬力こそ違いますが、キャブのインナーパーツは1UA=1WWですので、使えるわけです。
馬力の差は吸気とマフラー構造の違いのようです。

セット内容です。

参考までにRD350LC 1UA(63PS)/1WW(50PS)のジェッティング(両車共通)です。

MJ:185
JN:5L20-2
NJ:N-8(#544)
CA:2.0  (スライドピストンカッタウェイ)
PJ:#27.5
VS:2.8
GS:#80  (スタータージェット)
PJ右:#60 (パワージェット)
PJ左:#65 (パワージェット)

パワージェット補正(高回転域補正)を大きくとっているようです。
パワージェットの詳細は、HRCのRS125R / RS250R / セッティング情報 を参照してみてください。

中古キャブには何があるかわかりませんので、各パーツは洗浄後しっかりとチェックします。


良くあるパターンですが、ニードルジェットに摩耗が発生していました。

ジェットニードルが接触するエンジン方向部分に摩耗が発生しています。
もちろんジェットニードル側も摩耗が発生し、形状が微妙に変わっています。

しかも左右異なる摩耗状況ですから、これが進むとエアスクリューや全閉・全開位置調整などで左右同調をとっても、「原因不明の不調」 は完治せず、やれ点火系だ、クランクだと、あらゆる可能性が続出し、修理のモチベーション低下に至る可能性さえあるでしょう。

中古車を買って、キャブを清掃したのにセッティングが出ない・・・
この場合は燃調が濃くなる方向ですから安全サイドではありますが、チェックすることをお勧めします。

反してジェットや通路の詰りは薄くなり、危険サイドですのでクリーナーで洗って落ちる汚れならとにかく、純正パーツを入手できるのであれば、新品に交換した方が幸せになれることでしょう。

これは新品のニードルジェット。

一目瞭然、、、新品ですから。

パワージェットの清掃と点検を行っていたら・・・


あれ?

このキャブ、パワージェット交換できるじゃんkirakira

国内仕様のRZR強制開閉キャブと、ゲテモノ送ってきたショップのキャブはダメでしたが、1UAは交換式なのかな?

参考までに、これは国内仕様?一般仕様??のパワージェット

圧入されていて抜けません。
工業用ドライヤで昇温させてみましたが、ダメでした。

本気でやれば抜けるかも??

これが1UAのパワージェット。

通常圧入されているパワージェット部はネジが切ってあり、ジェットの着脱が可能となっています。

これはパワージェットを外したもの。

番手を打刻で確認したところ、なぜか#50、#55とワンサイズ小さなものが装着されていました(^_^;)

中古は怖い・・・

しかし画像を元に調べたとこと、このジェットは他のミクニキャブのスタータージェットと共通でしたので、JBSさんというキャブレター専門ショップで注文したところ、ミクに回答納期が1.5ヶ月とのこと。

他のキャブとはVM17というキャブでスズキのビジバイに装着されているようですね。

ありゃりゃ、乗れるのは1.5ヶ月先か、どうしよう。



------お役立ち情報---------------------------------------

今回VM26SSを調べまくったのですが、このキャブの汎用性は幅広く、様々な車種に装着されていることが分かりました。

パワージェットを持つもので絞り込むと、ヤマハではTRZ125やDT200Rなどに採用されています。
(もちろん、パワージェットの番手は異なります。)

RZ250/350/R/RRのVM26SSのボディって、穴が開いていないけどホースやらなんやらを付けられそうな部分が多数ありますよね。
あそこが車車両特性やレイアウトに応じて加工され、その車種専用となっているのですね。

面白かったのが比較的新しい車種では、VM26SSでキャブの中に冷却水を通して温め、アイシング防止を図っているものもありました。

何が言いたいか、というと

・VM26SSはカスタムの可能性を秘めたキャブであって
 それぞれのパーツを組み合わせることで、パワージェット仕様や
 アイシング防止仕様に改造できる。

・RZのVM26SSが将来入手不能になっても、他車種向けの
 組み合わせで再生新品キャブを製作できる可能性が高い。

・ミクニUSAなどのキットパーツを装着してセッティングの幅を
 広めることができる。

参考1



参考2
シガー(葉巻)とパイプ 様のBLOG

確認のため、RZ用VM26SSを観察してみると・・・

へぇ~、、、未加工ですがパワージェットを取り付けるための部分がありますね。
これがそうだったのか。

そういえばノグチのスペシャルキャブって、ここにパワージェット付けてましたよね。

VM26SSで皆さん遊びましょう!!!!


って、普通はわざわざVM26改造せずに、TMXとかでしょうね(笑)