goo blog サービス終了のお知らせ 

Ride Motorcycle

趣味のバイクとの日々を綴っています。

ステムベアリングメンテ

2011-02-16 00:15:00 | YAMAHA TZR250 (1KT)
ステムベアリングの点検を行いました。
フォークの整備を行うときに、点検がてら回してみたところ、多少のゴリゴリ感がありましたので、ベアリング類は事前注文済みです。


おっと・・・

やはり、レースがダメになっておりました。
ステムベアリングは動力系の回転軸と違い、少ない回転角で衝撃に近い荷重を受けながら、かつ点荷重で摺動するため、グリスの劣化に弱いのでしょう。

対策しようとテーパーベアリングにすると、耐荷重性は良いものの取り付け時にプレロードを掛けると、ロードスポーツバイクとしてはステアリングが重くなってしまう・・・

ここは定期的なグリスアップを行うのはもちろん、神経質になるならば定期交換するのが良いのかと思います。
そうかといって重症でなければ、交換しても一層速く走れるわけではない微妙なパーツですね。


スゴイなぁ、アルミフレームだ。
ほぼ鉄フレームしか知らないので、感動してしまいます。

僕は適当な鉄棒で、ステムに圧入された上下のベアリングレースを、均等にハンマリングして打ち抜きます。
特殊工具は不要だと思いますが、そんなSSTはあるのでしょうか。
ステム上部のベアリングレースは気を付けて打ち抜かないと、ポーンっとどこかにすっ飛びますので要注意です。


ステムシャフトのベアリングレースは貫通ドライバーや割柄で、作業性を良くするためにシールを引き剥がしたあと、均等に外周を叩きながら抜いていきます。
ここは確かSSTありますね、けど猛烈に高額だった覚えがあります。


このようにハンマーと貫通ドライバーがあれば、作業可能です。
打ち抜いたら、綺麗に嵌合部を清掃して盛り上がった傷があれば、その箇所のみの修正にとどめます。

綺麗な個所まで、果ては全周を研磨してしまうと嵌め合い公差が甘くなってしまい、ベアリングレースがユルユルになってしまいますので、要注意です。



結構痛んでますね。
ステムシールがダメになっていると、またグリス不足や高圧洗車水を間近で吹き付けたりすると、水が入ってさらに腐食してしまうので気を使わないような場所ですが、実はデリケートな部分なのでしょうね。

TZRは初期型RZと同じ形式のスラストボールベアリングを使用していますが、安くできないものかと調べたところ、この寸法のものは規格品としては存在していません(泪
しかしベアリングボールはベアリング屋さんにて、規格品を安価で購入可能でしたので、それのみ別途購入することにします。
ロット購入なので大量に余るのですが、RZにも使用できることと消耗品なので良しとします。
164-23462-00 シール,ステアリング..210 x1
156-23411-00 レース,ボール 1........809 x1
156-23412-00 レース,ボール 2........903 x1
183-23411-00 レース,ボール 1........903 x1
183-23412-00 レース,ボール 2........903 x1
( 93501-04011 ボール..................................84 x38 )
--------------------------------------------
合計 3,728円 (6,920円;ボール込)

ボール高っ!



僕の個体はステムベアリングレース嵌合部に、腐食と軽度のカジリが発生していましたので、軽く修正したのち薄く組み付け用のモリブデンを薄く塗布して組み込みました。
ベアリング圧入時の挿入助剤使用ですが、厳密に言えば(ミクロンオーダーで)油膜分の締め代がきつくなりますので、シビアな嵌め合い公差を設定している部品には使用しない方が良いのですが、この場合はOKでしょう(齧ってしまうと困る方を優先)



ワコーズのモリコンパウンドは、グリスではなく残渣が残らないので重宝します。
スレッドコンパウンドですと、ヌーっ ぐぐっと締めこみますが、溶媒が飛んだ後のモリコンパウンドですと、スルスル、カキンと締りますので、この辺はメカニックのこだわりや好みでしょうね。


新しいレースをステムシャフトに圧入します。
ある程度の慣れはあるかもしれませんが、僕は抜く時と同様に貫通ドライバーや割柄で、レースの内周部を均一にたたきながら挿入します。
打撃を加えた後に誤ってレース面に先端が触っても、レース面は非常に硬度が高いので大丈夫なはずです。



今回磨滅してしまって他のもので代用しましたが、一本あると便利です。
ドライバーの形してますがドライバーとしては使わず、プライバー代わりやハツリに使います。



フレーム側のステムには、外周がΦ48ミリ、肉厚が1ミリ以上のパイプで打ち込みます。
以前はラチェットのソケットで打ち込んでいたので、径の合う適切なもので代用すれば大丈夫でしょう。


クールブルーのハーレーダビッドソン社ベアリンググリースを盛り込んで、ボールを上下19個ずつ取り付けて、注意深くステムシャフトを挿入して完了です。

良く古いバイクを整備していて、今回のようにベリングが逝っていた場合、グリスが悪いと思い込んでしまい、何千円もする高額な航空機用などのグリスを購入したくなります。
これは僕も陥りがちです(汗)

しかしどんなグリスを使用していても、10年も20年もノーメンテですと結果は同じですので、コストパフォーマンスに優れた優秀なグリスで定期的にメンテするのが、大量に余った高額なグリスをタンスの肥やしにしないで済む秘訣なのかなぁと思います。



フロントフォークOH

2011-02-13 02:38:00 | YAMAHA TZR250 (1KT)
フォークの再生に取り掛かります。


インナーチューブの摺動部に点錆があります。
潤沢な予算があれば交換したいところですが、磨けば使える範囲。
シールが、、、エアが、、、頭でっかちな昔はそうでした。

しっかり修正すれば、毎日フルストロークするレースを何か月もしなければ大丈夫だと思います。
自分で走ってみて、自身の使用範囲条件内でダメかどうか確認(検証)したか?
脳内やネット情報だけで判断していないか?
自身にそのような問いかけができるようになりました。

つか、小遣い無いだけだろ??、、とどのつまりその通り(笑)

そんなことで、耐水ペーパーにオイルを塗布し♯1000→♯1200(♯1500)で、ラジアル方向にのみペーパーを動かして、段差がなくなる範囲で修正しました。
軸方向に研磨してしまうと研磨キズが通路となり、フォーク内部のオイルやエアがシールから漏れるので要注意です。
研磨時の使用オイルは一般的なエンジンオイル等よりも、CRC-556相当品が研磨しやすくて好きです。


初期型RZではメタルタッチを起こす、インナーチューブの先端部。
さすがレプリカント、しっかりスライドメタルで保護されています。
摺動性向上も期待できそうです。


あれ?
レーステックのカートリッジエミュレーターバルブに酷似した機構がある。
ほぉ、これは参考になるとともに、優秀なサスペンションを予感させますね。
圧縮側のフローをコントロールしているのでしょうか。


コンプレッションスプリングは、セッティングが分かり易いシングルレートのものが入っています。
上が初期型RZストックの、プログレッシブスプリング
厳密には違いますが、プログレッシブタイプは常識的な範囲でいくらカラーを入れても、軽荷重時のたわみ分しか変更できませんね。
まぁ初期型は高速サーキットでも山道でも、ノーマルがバランス的に一番と経験上僕は思っておりますが・・・

それに対しTZR(1KT)は、イニシャルアジャスターが装着されているので、プログレッシブタイプではアジャスターの意味が殆どありません、なのでシングルレートスプリングなのでしょう。
しかし線径が太く、ピッチが少ないスプリングです。
あの強靭なフレームだから出来ることなのでしょうか。


指定の♯10フォークオイルを注入しました。
購入した直後は冷静さを欠くため、すぐ固いバネに固いオイルだ、カスタムだと、、メーカー狙いの走りの方向性(ノーマル)がわからなくなってしまう冷静になれない時期、こんな悪い癖も最近は治ってきました。

つか、小遣い無いだけだろ??、、とどのつまりその通り(笑)


フォークキャップのOリングです。
コスト最優先で進めている今回のメンテナンス、ここも寸法を計算して最適つぶし代のOリングを使えないか検討したのですが、規格外のもののようです。
参考までに一番近いサイズのOリングを比較撮影してみました。

規格品ですと線径が細く、つぶし代がほぼゼロ。
もし規格品が使えればNBRグレードで50円程度、フッ素ゴムでも200円弱
純正 1KT-23147-00 は 809円!!(2011.1月調べ)
きっと、ものすごい航空宇宙産業向けの材質を使用しているのでしょう。

サスペンションオイルのエア抜きをやっている間に、ステムベアリングの点検/交換に取りかかります。



☆今回のコスト☆

1KT-23144-00 シール,ダスト   1,187円x 2
1KT-23145-00 オイルシール   1,187円x 2
1KT-23147-00 O-リング   809円x 2
ヤマハサスペンションオイルG10 1,300円x 1
--------------------------------------------------
合計 7,666円


フュエルタンクリペア(2)

2011-02-12 23:11:00 | YAMAHA TZR250 (1KT)
錆、落ちたようです。


だけど、水洗しすぎちゃったのが失敗かな、少し浮錆が・・

軽く流す程度でよかったようなのですが、水洗するときにまだカサカサ音がしましたので、入念に洗いすぎちゃったようです。


ただし殆ど致命的な錆は落ちました。
錆コブがあると、コブの下で部分電池を形成して加速度的に錆が進行するため、コブを落としきれたことで一安心です。
これ以上は・・・恐らく穴が開きそうなので中止します(汗)

ただマナテックのコーティングは、多少の錆の上から塗布しても空孔がほぼ無いそうですので、コーティング前の乾燥さえしっかりすれば錆の進行は実用時間上は恐らく問題ないでしょう。
今度はタンクの鉄地ではなく、コーティング層で燃料の保持を行いますから、このまま施工することにします。


もう二度と目にすることはなかったであろうマナテックPOR-15 FUELTANK SEALER
またお目にかかりましたね(汗)

金属分(アルミ粉)が沈殿していますから、入念に撹拌してからタンクに注ぎ込みます。
給油口からペンライトを突っ込んで、見える範囲は入念に。
見えない範囲は流体の動きを想像しながら、上下左右にタンクを動かします。
一見少なそうに見えますが、小瓶1杯ほどがドレンされますので十分な量のようです。


ロングシャンクの先に取り付けた馬毛筆。
コーティング塗装補助用の即席道具です。
これがないと僕が施工した範囲では、完璧なコーティングができません。


TZRはエアロプレーンタイプの給油口なのですが、そこにたまった水を排出するためのパイプが、タンクの中をとおっています。
そこも激しく腐食していたので、入念にコートする必要がありますが、空間を横切っているので、タンクを搖動させただけではコーティングされませんでした。
また給油口裏の返し部分も同様に、一部施工されませんでした。

なので先ほどの即席治具筆で、今度はコック側の穴からライトを当てながら、缶に残ったシーラーを筆で塗布していきます。

相当苦労と時間をかけて、ようやく再生終了です。
このあと96時間以上、入念に乾燥させます。
工具商の店主の話だと、この乾燥時間を守らないでガソリンを入れてしまった結果のトラブルが非常に多いとのこと。
また熱風を当てて強制乾燥せせると、巣穴ができるそうです。
この点は焦る気持ちを抑えて厳守します。

しかしこの作業、やってわかりましたがお店に出したら、材料費込みで2万前後はするのではと思うほど、工数のかかる作業でした。

これから施工される方には、マナテックのタンク再生セットをお勧めします。

脱脂洗剤、除錆ケミカル、シーラー、穴が開いた(開いている)場合の補修キット、説明書とかなり完璧ですので、我流でやって失敗する確率はかなり減ると思います。

ちなみに別々にケミカルをそろえると、除錆剤だけでも良く落ちるものは5,000円はしますから割高になることも付け加えておきます。



燃料コックリペア

2011-02-10 23:59:00 | YAMAHA TZR250 (1KT)
タンクのコーティングを定着させている間に、コックのリペアを実施しました。
キャブレターのオーバーフローが発生していたTZRですが、原因には以下の原因が考えられます。

☆燃料の制御部品として
 ・エンジン負圧でON-OFFする、フューエルバルブのOリング
 ・フロートの位置(油面に従属)位置でON-OFFすキャブの
  フロートバルブ

上記部品の故障要因

1.タンクの発錆により流れ出た錆粉や流路に発生した錆によるもの。
 (錆粉はフィルターでの流出防止は不能)
 ・フュエルバルブOリング部への錆粉噛み込みによる動作不良
 ・フロートバルブシート面への錆粉噛み込みによる動作不良

2.ゴム等の経年劣化によるもの
 ・フュエルバルブOリング劣化による密閉不良漏れ
 ・フロートバルブシート面ゴム劣化による密閉不良漏れ

今回の個体の場合、生産終了後20年以上経過しることに加え、燃料タンクに大量の錆が発生していたため、上記1.2.の双方が考えられます。
よって燃料タンクの除錆、キャブと燃料コックのOH+ゴム部品の交換、を実施します。

ただ、ただ、タンクの錆(ごみレベルはフィルターで止まる)に問題がある場合は、タンクを除いて何をやっても一時しのぎになりますから、結局どこがダメか見極めないと、時間とお金の無駄になりかねません。


タンクとキャブはすでに実施しましたので、今回は燃料コックについての対策です。
TZRはコックにOFF位置がないため、内部の規制パーツがNGとなると、安全方向ではなく燃料がタンクが空になるまで流れ出るという、危険な方向への故障が発生します。
これは非常に怖いですね。
フェイルセーフの概念がない時代だったとしても、せめて緊急時にはOFFになるポジション、もしくは同等の機能を安全のために設けて頂きたいものです。


ON、RES、PRIの流路切り替え部ですが、ちょっとマヌケな顔みたい(笑)
ここは単純に切り替えですので、漏れの主要因ではないですが、ゴムが硬化していますので交換します。

パーツリストのオンライン検索で調べたところ、今回の交換部品の単品設定は残念ながらありませんでした。
しかしオークションサイトでヤマハ他車種からの流用部品やご自身で購入されたOリングをセット販売されている方がおり、それを購入しました。
メーカーの部品番号は切り取ってあったので、今後も同じ方が出品していれば助かるのですが・・・


切り替えバルブ部分のシート
形状は違っていますが、機能は同じそうです。


参考までに、これがTZR(1KT)純正設定パーツ


ダイヤフラム室内部の軸にあるOリング
これが燃料遮断に必要な主要部品。
購入したものは、耐久性が良好なフッ素ゴムに変更してあるそうです。


大気側への漏れ防止と、異物侵入防止を兼ねるコックのOリング。
これは断面がX形状の軽快かつ信頼性が高い近年の車種のものだそうです。
これらにゴム用の潤滑材を薄く塗布して組み込みました。


腐食が激しかった取り付けボルトを新しいものへ交換して完了
Xリングの効果のためか、動作が非常に滑らかになり操作感も非常に良くなりました。


☆今回のコスト☆

 コックリペアキット(ヤマハ純正組み合わせ)
  ネットオークションで送料込 1,780円
 ボルト4本・・・50円
-----------------------------------------
 合計1,830円


ホイールベアリングの更新

2011-02-10 23:45:00 | YAMAHA TZR250 (1KT)

ホイールを取り外してチェックしてみたところ、ホイールベアリングにゴロゴロ感が出始めていましたので、

更新をしました。
折角というより、故障が見受けられたのでフォークとステムも更新予定です。


ヤマハ社のホイールベアリングは、純正パーツを定期的に取り寄せていた方ならご存知の通り、ノンシール ⇒ 片面隙間型金属シール ⇒ 片面接触オイルシール型 と推移しておりますので、これは純正装着かもしくはかなり古い型になると思います。
とはいえホイールベアリンググリスは油分の抜けも少なく、まずまずの状態でした。


今回は純正相当のベアリングを、ベアリング屋さんより取り寄せて使用することにしました。
しかしベアリングは”普通のサイズのベアリング”というのはなく、同じ品番でもボールとレースの隙間違いで何種類もあり(品番の後につくC4などの記号で)、ベアリングにかかる荷重の種類や熱膨張の有無、圧入時のハウジング寸法による締め代で最適なベアリングを使用しないと早期破損の原因になりますから、注意が必要です。

相談できるベアリング屋さんがあれば、事前に聞いてみるか鉄板の純正を購入した方が、リスクを回避できるでしょう。
ちなみに今回購入したのは1個280円×2=560円程度
純正は 93306-20222 ベアリング 840円×2=1,680円

しかし社外品は片側シールベアリングの設定はなく、封入グリスもオートバイには役不足ですので、片側のシールを取り外してから封入グリスを洗油で洗浄し、バイク用のホイールベアリンググリスを詰め込みました。
攻撃的なケミカルなんかで洗浄してしまうと、シールを痛めるので注意しないと・・

グリスはHD純正ベアリンググリースを使用しました。
このワールドスタンダードなグリスは長年使っていますが、性能持ち共に最高でなおかつ安価ですので、チューブですとあっという間に消費してしまう、メンテナンス作業の相棒となることは間違いないでしょう。

 


モリブデンが指定のリンクサスにはもちろん使えませんが、ステムベアリングやアクスルシャフト、スロットル関連他多用途だと思います。


最近はヘラを使って、パティシエ気分でベアリングにグリスを入れてます(笑)
パテを塗るときと同様に押し込むように入れ、入れ終わったら内輪を回転させて馴染ませた後、再度補充するような感じでしょうか。


ベアリングを打ち込んでから、スピードメーターギャーも分解してウォームギャーにHD純正グリスを馴染ませて完了。

おや、ディスクローターの締結リベットが腐食していますねぇ
ちょっと気になってしまいました。

僕流の目立たない誤魔化しなんですけど、ワイヤブラシで錆を落とした後に脱脂を行い、強力な防錆機能があるジンクリッチペイントを塗布します。
そのままだと国防色になってしまう(笑)ので、ジンクリッチが乾燥してからクリアを薄く塗布します。
すると遠目には地味な亜鉛メッキに、、、見えませんかね??


☆今回のコスト☆ ※価格の()内は純正品価格 2011年1月

93306-30101同等ベアリング(B6301) 291(546)円x2
93106-20002 オイルシール     326円x1
93105-45017 オイルシール    630円x1

93306-20446 ベアリング(B6204)  313(767)円x1
93102-28022 オイルシール    336円x1
1KT-25441-20-33 スプロケツト,ドリブン(41T) 3,717円x1
1KT-25412-00 ワツシヤ      504円x3
93306-20222 ベアリング(B6202)  234(840)円x2
93102-22216 オイルシール    315円x1
1KT-25364-00 ダンパ    557円x6
----------------------------------------------
合計 11,541円