伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

えひめネットワークからの申入れをしました

2007-07-27 15:06:10 | 運動の紹介
 7月25日に、全部で10名ほどで県庁に申入れに行き、以下の要請書を提出しました。
国と四国電力にも同趣旨の要請文を郵送したはずです。

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愛媛県知事 加戸守行 殿

                       2007年7月25日
                       伊方原発反対八西連絡協議会  
                       原発さよならえひめネットワーク

                要 請 書

 7月16日、新潟中越沖地震が発生し、死傷者や家屋倒壊など甚大な被害が起きましたが、7基の原子炉がある柏崎刈羽原子力発電所では、使用済み核燃料プールからの放射能を帯びた水漏れ、変圧器からの油漏れ、引火火災、消火用水配管の損傷、主排気塔接続ダクトのずれ、放射性廃棄物入りドラム缶の多数の転倒、缶の中身の散乱など、60件を超える損傷と火災事故などが一斉に発生しました。

 今回は、7基のうち3基が運転停止中であり、運転中の4基は自動停止したとのことです。しかし、もし今回の地震がマグニチュード6.8に留まらず、阪神淡路地震と同じM7.2クラスであれば、無事に自動停止できたか確証はありません。また、今回の地震で見られたように、多数の損傷が2次系や3次系に発生すれば、冷却機能が麻痺し、原子炉内の核燃料の冷却も困難になる事態も引き起こす可能性は十分に考えられます。そうなると、核燃料の溶融を招き、水素爆発など引き起こし、チェルノブィリ事故の再来という大惨事になります。

 今回の地震で明らかになったことは、同原発の耐震審査で、同原発に最大のゆれをもたらす(限界)地震の大きさとして、直下型でM6.5とし、それを基に耐震設計を行っていましたが、実際には例えば4号機では水平方向の加速度の観測値は基準値の3.5倍を記録しました。また上下動も審査では水平動の2分の1とされていますが、例えば6号機では水平動の2倍以上が観測されました。

 我が国の原発で全国共通の指針として使われているこの耐震審査の基準が、現実に発生した直下型地震の半分以下しか想定しておらず、想定地震を過少にみる誤りと、想定地震の加速度を過少にみる誤りがあることが実証されたのです。


 愛媛では伊方原発に関しても、これまで地域住民や県民が、「同原発直近にある中央構造線活断層系による地震が発生すれば、伊方原発の施設の損傷は免れず地震に伴う原発震災が起こる。」と指摘し、伊方原発の設置許可取り消しを求める裁判や、点検を求める要望、全面的な耐震審査のやり直しや、更に運転の停止を求める声を相次いで上げてきました。

 そして2003年には、国の地震調査委員会が、伊方沖から松山平野に至る断層が一体として動く可能性があり、その場合には「M8、ないしそれ以上」の地震が発生すると指摘しました。
しかし、四国電力は、その断層を細切れにしたあげくに「最大でも473ガルのゆれ(加速度)しか原子炉地盤にはこない」と21年前の3号炉の設置許可当時の数値のまま主張しています。

 今回の柏崎刈羽地震の震源断層も、東京電力の都合のよい解釈で細切れにされ、耐震設計の対象としないままにされました。
 しかしこの誤りは、これまでにも東北電力女川原発での設計加速度を上回る地震の発生、北陸電力志賀原発での審査値を上回る規模の地震の発生によっても明らかになっており、2006年3月の志賀原発裁判の金沢地裁判決では「志賀原発2号機の耐震設計には、被告の想定を超えた地震によって原発に事故が起こり、被曝(ひばく)する具体的可能性がある」として、運転の差し止めを命令しています。


 また、2002年10月の東京電力の事故隠し事件の後、全国原子力発電所所在市町村協議会からも国に要望書が提出されているように、原子力保安院を経済産業省から分離していない現状は、公正・客観的な原子力体制とは言えません。安全審査会の場でも、原子力推進派の学者だけでなく、反対か懐疑的な考えをもつ学者・専門家が入っていません。このような電力会社による、都合のよい過少な断層評価がまかり通ることはもはや許されません。
 地震専門家からは、原発は、最低でも基礎岩盤部で1000ガルの加速度を想定した施設にしないといけない-と指摘が出されています。

 以上のように、今回の柏崎刈羽原発を襲った地震で、伊方原発もまた、危険な状況にあることが実証されました。ひとたび大事故が起きれば、多数の損傷事故、敷地内、外部を問わない道路の寸断が発生し、災害の拡大、消火などの作業も困難であることが明らかになりました。半島部の地滑り地帯である伊方地域では、更に困難な状況になることは明らかです。まして大量の放射能漏れがあれば、外部からの救援などは期待できません。
 また、伊方原発のタービンを支えるコンクリート架台には無数のヒビ割れが生じていることが分かっています。事態は一刻の猶予もない状況にあると言わざるをえません。ましてや、プルサーマル導入など論外であり、計画は即刻中止すべきです。

 以下、県民のいのちと暮らしを守ることを最優先すべき愛媛県に対して要請します。

 ・即刻四国電力に伊方原発の運転停止を命令し、国に原発の設置許可を取り消すよう求めること。

                               連絡先 〒790-8691        
                               松山中央郵便局私書箱151号    
                               「原発さよならえひめネットワーク」
                               TEL: 089-933-4237        


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