伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

地獄の釜が開いたーようなもの

2021-12-22 22:57:13 | 続・温暖化いろいろ

ガーディアン紙より機械訳したものを紹介しておきます。

 

科学者たちは南極の巨大な「運命の日」氷河を心配そうに見つめる

https://www.theguardian.com/world/2021/dec/18/scientists-watch-giant-doomsday-glacier-in-antarctica-with-concern

世界の海面が半メートル上昇する可能性のある亀裂や割れ目が、崩壊の恐怖をあおる

ガーディアン紙

20年前、5000億トン近いと思われる氷が南極大陸から劇的に割れ、数千の氷山となってウェッデル海に流れ込んだ。

3,250平方キロメートルのラーセンB棚氷は急速に溶けていることが知られていたが、厚さ200メートルの巨大な氷がたった1ヶ月で完全に崩壊するとは誰も予想していなかった。

氷河学者たちは、崩壊の規模もさることながら、そのスピードにも衝撃を受けた。「これは驚異的です。まさにバラバラです。まるで壁のように崩れ落ち、何十万ものレンガになったようだ」と、ある学者は言った。

今週、ニューオーリンズで開催された会合で氷の科学者たちは、南極半島の広大な氷床である西南極氷床で、さらに驚くべき事態が起きていると警告した。英米の研究者チームによる長年の研究から、世界最大級のスウェイツ氷河の上部と下部に大きな亀裂や割れ目ができていることが判明し、おそらく5年以内にその一部も破壊され崩壊するのではないかと危惧されたのだ。

スウェイツ氷河はラーセンBをつららのように見せている。ラーセンBの約100倍、イギリスの大きさに相当し、それだけで世界の海面を半メートル以上上昇させるほどの水を含んでいる。世界の年間海面上昇の約4%を占めており、世界で最も重要な氷河、さらには「運命の日」氷河と呼ばれている。衛星観測によると、1990年代よりもはるかに速いスピードで氷河が溶けている。

スウェイツ氷河も心配だが、南極大陸には他にも多くの巨大氷河があり、南氷洋の温暖化によって後退、縮小、融解している。スウェイツ氷河がコルクのように海への出口を塞いでいるため、多くの氷河が支えられている。もしスウェイツが崩壊すれば、他の氷河の崩壊も加速され、氷床全体が崩壊し、世界の海面が数メートル(※19年の試算では3.4m)上昇する破局的な事態になると科学者は考えている。

氷床が崩壊するかどうか、また、どの程度の速度で崩壊するかは、この時代の最も重要な問題のひとつである。海面上昇のスピードは速く、2006年から2015年の間に年間1.4mmから3.6mmへと2倍以上になり、さらに加速している。1年に数ミリというと大したことはないが、スウェイツのほんの一部でも失われれば、海面上昇のスピードがさらに増すだけでなく、高潮の被害も大きくなることが予想される。

もし、西南極の氷河がすべて崩壊したら、世界中の沿岸都市が水没し、生活や経済が破滅的な打撃を受けないところはないだろう。

しかし、地球の反対側の北極で海氷が急速に失われ、ラーセンBの喪失があまりに突然だったので、南極でも急速に失われる可能性があると考えられるようになった。

北極の海氷は、そのほとんどが海上に形成されるため、海面にはほとんど影響を与えない。しかし、南極の氷はほとんどが陸上にあるため、溶けると海面が上昇する。

ラーセンB棚氷の崩壊は、突然やってきた。スウェイツや他の氷河が地球温暖化にどのように対応するかはまだわかっていないが、こうした大きな地球規模の物理的プロセスが進行中であり、地球規模の行動によってのみ対処できるのだ。

しかし、グラスゴーでのCOP26が終了してからわずか1ヶ月で、厚さ300メートル、幅50マイルのスウェイツ氷河が割れ始めたという警告が出されたが、各国政府はCovid-19と通常の政治の復活に気をとられて沈黙を守っている。危険なのは、11月に誓約された地球温暖化対策がまた1年棚上げされ、ますます危険になる世界のリスクの1つに過ぎなくなることである。

スウェイツ氷河は、地球温暖化や氷河は政治家を待ってくれないし、気候変動への対策が遅れれば遅れるほど、地球規模の災害が加速されるだけだと強調している。■

 

※西南極のスウェイツ氷河の崩壊については、以前2020年8月発行の別冊日経サイエンス240号に、「南極の氷床が崩壊中? 海面上昇加速の危機」と題した記事が収録されています。

この時の研究紹介では「崩壊を始めるのは、急速な温暖化が進んだとしても、20~30年先になるだろうと考えられた。その後100年くらいでスウェイツ氷河は完全に崩壊するだろう。…海面が3.4m上昇する恐れがある。」としています。

西南極氷床全体の氷の量は海面上昇5m分に相当するので、過半がこれに伴って崩壊することになります。

関連記事

ワシントン・ポスト紙12月13日

Crucial Antarctic ice shelf could fail within five years, scientists say

https://www.washingtonpost.com/climate-environment/2021/12/13/thwaites-glacier-melt-antarctica/

南極「終末の氷河」が危ない…融解を防いでいる棚氷が5年以内に崩壊の可能性

news.yahoo.co.jp南極「終末の氷河」が危ない…融解を防いでいる棚氷が5年以内に崩壊の可能性(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース南極にあるスウェイツ氷河は急速に融解しており、毎年の海面上昇の約4%に関係している。

気候の危機、ティッピング・ポイント系事象について

https://togetter.com/li/1711721?page=3

 

 


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2 コメント

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中公新書2672「南極の氷に何が起きているか」読書会の呼びかけ (伊方NoPlu太丸)
2022-01-13 09:10:34
1月17日20時から、読書会をしたいという話。

西南極の『終末の氷河』と呼ばれるスウェイツ氷河に亀裂が入った、というニュースが飛び込んできたのは、COP26が終わって1ヶ月のこと。
日本ではニュースになっていないですが、海外ではブルブルきているようです。背景資料として読み込んで行きたいということで読書会を企画しています。
本なしで聞くだけの人でも参加できるようにしたいですね。本を読む会を無料でやる、というのは著作権上はどうなんでしょう?
zoomは自分のところのを使いましょうか?まだ決めてないです。

杉山慎著「南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学」中公新書2672は、21年11月25日発行。
これも出来立てほやほやに近い、そしてIPCC第6次報告書までの変遷を踏まえた研究の成果を概説してくれている、まるでスウェイツ氷河の亀裂問題を予期していたかのような出版タイミングとなっています。
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読書会zoom予約 (伊方NoPlu太丸)
2022-01-14 22:57:31
https://calendar.google.com/event?action=TEMPLATE&tmeid=NjlvdGhtcjk2MTYyaTJwaG8yaHBsZGVuNWsgdG9ndXJhMDRAbQ&tmsrc=togura04%40gmail.com
 カレンダーに予約してみました。このパーソナルミーティングルーム、水曜日にXR日本おしゃべり会で使っているものと同じですが。
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