南海地震のことはようやく愛媛県でも大きな課題として認識されるようになってきています。特に南予での津波被害の問題は高知県と変わらない避難体制が必要だといえるでしょう。それに比べて、中央構造線活断層が動くことで起る地震の問題は、まだまだよそ事他人事の範囲のように思えます。
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この地図はどこか分かりますでしょうか。よく見ると上下がひっくりかえっているけど、日本です。日本とインドネシアのインド洋沖を同じ向きに比べたものです。こんな風に似ていて、海溝型の大地震に曝されている点でも同じ。
日本というのは、こういう比較が成り立つ地震国なんです。南海地震はこういうところで、津波被害ももたらす。南海地震も大変な問題です。 . . . 本文を読む
これは一昨年の新潟県中越地震の加速度の例です。これは地表での測定ですけれども、マグニチュード7弱の地震で1500ガルという数字が出ている。たとえ地表の方が大きく揺れると仮定しても、岩盤部の倍にもなることはないので、ここでも岩盤部では少なくとも800ガルくらいと推測できます。マグニチュード7クラスの地震でこうなのですから、伊方の前の中央構造線活断層が動くマグニチュード8クラスの地震では、とても473ガルなんて設計で、もつはずがない。
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これは四国電力もよく知っているはずの図で、活断層からの距離と加速度との関係をグラフにしたものです。約10kmよりも遠くなってから、加速度は減衰し始めるけれども、伊方の場合では距離は10kmよりも近いので、距離があっても減衰しない。
そして、このデータを取ったグラフは大体マグニチュード7以下の範囲です。ですからここのグラフを見れば、活断層から6kmの伊方のサイトで四国電力の473ガルがほとんどありえないような限界地震S2だなんてことがいえるはずがない。
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この図は阪神大震災の時に、ポートアイランドの岩盤のところに埋めていた強震計と、その上の地上部の強震計のデータです。95年の阪神大震災で初めてこのデータが取れた。このころからようやく地下のデータが集まってきて、従来の考え方は間違っていることが分かった。上の方が加速度としては小さい値に減衰している。
地下の岩盤のところの加速度が、マグニチュード7.2で上側600下側250で振幅は850ガルにもなっている。
変位で比較すると上の方が大きいんですが。 . . . 本文を読む
お手元の資料の最初は、四国電力の冊子「原子力PAハンドブック」(2005)から取ったものです。起るとはほとんど考えられない限界地震S2において、岩盤部で473ガルの加速度の地震動を想定しています。
この数字は、ここ10年ほどの地震データと比べて小さすぎる値です。
また、ここには「原子力発電所は強固な岩盤上に直接設置されますので、地震の揺れは、一般の地盤上の数分の1となります」とあります。
この数分の1というのが過去の常識であって、新たなデータによって覆されている。
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中央構造線の西側1/3が一体となって動く場合には、マグニチュード8クラスになるというのが国の見解です。その頻度は2000年に一回ということで前の回から2000年くらい経っている。
このクラスの地震は、今の科学のレベルではいつ起るかわからない、予知できない。残念ながらそれが現状です。 . . . 本文を読む
この年表は、それぞれの各地点の活断層がいつ動いたか、いつ安定していたか、を並列に示したものです。中央構造線の長い各地にあるどこの活断層がいつ動いたか、で、一緒に動くことがあるのかどうか、を判断します。
地震のエネルギーの大きさは、活断層の長さで決まってきますから、長ければ長いほど大きな地震が来ると予想されます。
この図をみると、大体1000年から2000年に一回の頻度で大きく動いていることが分かります。 . . . 本文を読む
海底断層の断面はこのようになっています。何十メートル以上も間が開いて、地層がずれて、それからまた堆積をしていって、という歴史が下から上へ推移する堆積物の層の動きとして読み取れます。
こんなに見事に出るのはそうそうなくて、どこの他の国の研究者に写真を見せても、ホー、と驚かれます。 . . . 本文を読む
伊予灘の沖合いを走っている海底活断層、これがまさに中央構造線の一部をなしている断層ですが、この図の南北に走っているそれぞれの線が、各活断層の断面を測定した航路です。
何十回とここを横切ることで、海底の構造を測定できます。 . . . 本文を読む
最もよく予測が可能な5つの大地震のうちの一つ、宮城県沖地震ではないか、といわれる地震が昨年夏にありましたが、少し位置が違っており、本当の宮城県沖地震はこれから来るほうのものになります。
このときに、女川原発の基盤部の強震計が888ガル、と設計時の想定の範囲よりも大きなゆれだった、ということが、原発の耐震指針の見直しにつながりました。距離にして、100キロくらいの距離です。
また、志賀原発での地裁の原発運転差し止め判決の元になりました。
これは地震学者であれば、誰に聞いても、妥当な判断だ、という評価になります。
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2004年末、スマトラ島沖の地震でインド洋大津波が起った頃、私は偶々別の、フィリピンの津波の跡の村落を調査していました。この村落の屋根の上よりも高いところまで津波がやって来て、村人の生存率はゼロでした。スマトラ島でも同じようなことが起っています。ここの跡地に政府は他所から人を入植させるわけですが、ここが津波が起ると全滅するような土地だという情報自体が伝承されていません、生存者がいないわけですから。私たち日本人が、地震と津波の被害を人びとに伝えていくことがいかに重要か、ということが分かります。 . . . 本文を読む
以下の文字は大体のうろ覚えです。順番もこの順ではなかったような。
1995年の阪神淡路大震災以来、西日本は地震の活動期に入った、と見て取れます。
5年おきにマグニチュード7クラスの地震が活断層のある箇所、見つからなかった箇所で起っています。
活動期の最後を締めるのは東南海、南海地震で、マグニチュード8.4といった数字のものです。マグニチュードは1違えば地震のエネルギーとしては30倍、大きな違いとなります。 . . . 本文を読む
そういえば回ってきていました。
「島根2号機でのプルサーマルに同意しないでください」
「今優先すべきは島根原発の耐震安全性です」
島根県知事 澄田 信義様
2006年6月12日(予定)
島根2号機プルサーマルを案じる全国の市民
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