大事なことなのにずっと億劫(おっくう)にしていたことがあった。5年ぶりの運転免許更新。
前回までの更新は地元の警察署でやっていた。いわゆる「ゴールド免許」だったからである。それが今年の2月、警察官が立っているその前で<一時停止違反>をしてしまった。
結果、軽微な違反(1点)とはいえ、優良運転者から一般運転者へとランクダウンの憂き目にあった。更新手続きも試験場や免許更新センターに場所を変えなくてはならない。
だから億劫だった。しかしもう更新時期に余裕がなくなっていたので新宿の都庁第二本庁舎内にある新宿免許更新センターに今日行ってきた。優良運転者講習は30分、違反が一回だけの一般運転者は一時間の講習がある。更新手数料も数百円高くなる。
講習の内容は大したものではないが、20分のビデオを見せられる。交通事故はどのようにして起きるかがその内容だ。これも大したものではないのだが更新の度にこういう映像を見せられたあとは必ず運転が怖く思える。
まぁ、運転に対して気が引き締まるってわけで、まんまと警察の思うつぼとなる。
今日の今日まで知らなかったのだが、僕の持っている<普通免許>が<中型免許>に変わっていた。8tまでの車を運転できるらしい。なんだか得をしたような、どうでもよいような。
約1時間45分かかって都庁舎を出た。
時計は午前11時半。すぐに帰宅してもよかったのだが、待てよ!お腹もすいてきたことだし、この辺でランチにしようか・・・という気になった。
となれば行く所は決まっている。
バンド仲間のキヨさん&YOKOさんのお店「まさみや」だ。
基本的には居酒屋さんだが、ビジネス街に店がある関係でサラリーマン対象のランチもやっている。
あと20分ちょっとで正午になるというタイミングで店に入った。お二人とも元気そうで再会を喜び合った。
数種類あるお昼の定食の中から評判の「しょうが焼き」と昼間っからとは思ったがビールも頼んだ。まぁ昔のNY時代には平日の昼前から水のような感覚でミラーやバドワイザーをガンガン飲んでいたのでこういうことにちっとも抵抗がないのだ。
もうすぐ正午になるという頃、ワイシャツ姿の若いサラリーマンのグループがどっと入ってきた。YOKOさんとはたいして話す暇もなく、まさみやは騒々しくなった。
4人組、6人組などとグループで来るお客は勝手気ままに注文を出し始める。
オレ、しょうが焼き。えーと、オレはメンチカツ定食。あっ、じゃぁオレもおんなじの。 という具合に注文が殺到する。別テーブルに座ったグループもやれ、しょうがだ、サバだ、メンチだ、と元気だ。
以前にYOKOさんがご自身のブログに書いていたのを思い出した。
ランチタイムは戦場だな。それにおかずが乗った鉄板が重い。その一つずつが重くなったお盆(トレー)をせっせとYOKOさんは運ぶ。
あれは見ていてかなりの重労働だと思う。厨房と客席をせわしなく往復する彼女の姿を横目に僕はビールを飲んでリラックスしていたんだ。
ちょっと胸が痛んだがどうしようもないことだった。
客は正午になるちょっと前にフライング気味に会社を抜けるのだろう。
事実、正午を過ぎたら、もう席があるかどうか・・・。彼らも戦いなんだな、と思いをはせた。
(まさみや店内:新宿西口ヨドバシカメラすぐ近く)
合間合間にYOKOさんは気を使って僕に話しかけてくれたが、正直申し訳ない気持ちだった。軽い気持ちで彼女の戦場(ランチタイム)をのぞいてしまったからだ。
食事がとてもおいしかったので<来るんじゃなかった>という後悔はもちろんなかったが、やはりゆっくりと話ができる時間を選ぶべきだったと反省した。
お互い会えば山ほどの話ができる仲である。それをわざわざ不可能にするようなタイミングで会いに行ったことが悔やまれた。
キヨさんだって厨房の中で、いつもの温和さを失っていることだろう。
それもまた僕の気を重くさせた。
自分が注文したしょうが焼きを食べ終える頃、店内のボルテージはかなりのものになっていた。
YOKOさんは、たぶんあれがいつもなんだろうが、よく動いた。あれはエネルギーをかなり使うぞ。
彼女のライブにおけるパワフルなボーカルはこの普段の肉体トレーニングのたまものなんだ、と理解するのに時間はかからなかった。
そんな姿を見ているうちにも、くだんの若い客はご飯のお代わりでYOKOさんを呼ぶ。
天井のスピーカーからGFR(グランド・ファンク・レイルロード)の「孤独の叫び」が流れてきた。
居酒屋で、それも和風の居酒屋でGFRが流れるという違和感をあの若い客たちは感じているのだろうか。
もちろん違和感など持つ必要はないのだが、このロックをちょっとでも知っていれば、テーブルで一つの話題にもなるだろうに、と僕は思っていた。
僕とYOKOさんは曲を聞きながら顔を見合せて笑った。そして彼女は重いトレーを運びながらこう言った。
私、この曲、死ぬまで歌いたい
そんな熱い思いを持つシンガーがキミらのために汗を流して今、ご飯を運んでいるんだよ。
キミらが知らないのは仕方のないこととは言え、まさみやのこの女(ひと)はほんとうはすごいんだよ。目の前のメシばかりに集中しないでちょっとは自分のアンテナを広げて、目の前にいる人に興味をもってごらん。
せっかく頭の上でGFRが鳴っている幸福にキミらは浸っているんだからね。
そうすれば人の輪はさらに広がっていくんだよ。
そして質問してごらん。このBGMをきっかけに音楽の話なんかを。
どうしてこの店はこういうロックがかかるの?って。
きっとYOKOさんは最高の笑顔で話してくれるだろう。
いや、待てよ。
ランチタイムは戦場だから・・・仕事を終えて一杯呑みに来た時のほうがいいかもね。
「まさみや」は居酒屋さんなんだから。
前回までの更新は地元の警察署でやっていた。いわゆる「ゴールド免許」だったからである。それが今年の2月、警察官が立っているその前で<一時停止違反>をしてしまった。
結果、軽微な違反(1点)とはいえ、優良運転者から一般運転者へとランクダウンの憂き目にあった。更新手続きも試験場や免許更新センターに場所を変えなくてはならない。
だから億劫だった。しかしもう更新時期に余裕がなくなっていたので新宿の都庁第二本庁舎内にある新宿免許更新センターに今日行ってきた。優良運転者講習は30分、違反が一回だけの一般運転者は一時間の講習がある。更新手数料も数百円高くなる。
講習の内容は大したものではないが、20分のビデオを見せられる。交通事故はどのようにして起きるかがその内容だ。これも大したものではないのだが更新の度にこういう映像を見せられたあとは必ず運転が怖く思える。
まぁ、運転に対して気が引き締まるってわけで、まんまと警察の思うつぼとなる。
今日の今日まで知らなかったのだが、僕の持っている<普通免許>が<中型免許>に変わっていた。8tまでの車を運転できるらしい。なんだか得をしたような、どうでもよいような。
約1時間45分かかって都庁舎を出た。
時計は午前11時半。すぐに帰宅してもよかったのだが、待てよ!お腹もすいてきたことだし、この辺でランチにしようか・・・という気になった。
となれば行く所は決まっている。
バンド仲間のキヨさん&YOKOさんのお店「まさみや」だ。
基本的には居酒屋さんだが、ビジネス街に店がある関係でサラリーマン対象のランチもやっている。
あと20分ちょっとで正午になるというタイミングで店に入った。お二人とも元気そうで再会を喜び合った。
数種類あるお昼の定食の中から評判の「しょうが焼き」と昼間っからとは思ったがビールも頼んだ。まぁ昔のNY時代には平日の昼前から水のような感覚でミラーやバドワイザーをガンガン飲んでいたのでこういうことにちっとも抵抗がないのだ。
もうすぐ正午になるという頃、ワイシャツ姿の若いサラリーマンのグループがどっと入ってきた。YOKOさんとはたいして話す暇もなく、まさみやは騒々しくなった。
4人組、6人組などとグループで来るお客は勝手気ままに注文を出し始める。
オレ、しょうが焼き。えーと、オレはメンチカツ定食。あっ、じゃぁオレもおんなじの。 という具合に注文が殺到する。別テーブルに座ったグループもやれ、しょうがだ、サバだ、メンチだ、と元気だ。
以前にYOKOさんがご自身のブログに書いていたのを思い出した。
ランチタイムは戦場だな。それにおかずが乗った鉄板が重い。その一つずつが重くなったお盆(トレー)をせっせとYOKOさんは運ぶ。
あれは見ていてかなりの重労働だと思う。厨房と客席をせわしなく往復する彼女の姿を横目に僕はビールを飲んでリラックスしていたんだ。
ちょっと胸が痛んだがどうしようもないことだった。
客は正午になるちょっと前にフライング気味に会社を抜けるのだろう。
事実、正午を過ぎたら、もう席があるかどうか・・・。彼らも戦いなんだな、と思いをはせた。
(まさみや店内:新宿西口ヨドバシカメラすぐ近く)
合間合間にYOKOさんは気を使って僕に話しかけてくれたが、正直申し訳ない気持ちだった。軽い気持ちで彼女の戦場(ランチタイム)をのぞいてしまったからだ。
食事がとてもおいしかったので<来るんじゃなかった>という後悔はもちろんなかったが、やはりゆっくりと話ができる時間を選ぶべきだったと反省した。
お互い会えば山ほどの話ができる仲である。それをわざわざ不可能にするようなタイミングで会いに行ったことが悔やまれた。
キヨさんだって厨房の中で、いつもの温和さを失っていることだろう。
それもまた僕の気を重くさせた。
自分が注文したしょうが焼きを食べ終える頃、店内のボルテージはかなりのものになっていた。
YOKOさんは、たぶんあれがいつもなんだろうが、よく動いた。あれはエネルギーをかなり使うぞ。
彼女のライブにおけるパワフルなボーカルはこの普段の肉体トレーニングのたまものなんだ、と理解するのに時間はかからなかった。
そんな姿を見ているうちにも、くだんの若い客はご飯のお代わりでYOKOさんを呼ぶ。
天井のスピーカーからGFR(グランド・ファンク・レイルロード)の「孤独の叫び」が流れてきた。
居酒屋で、それも和風の居酒屋でGFRが流れるという違和感をあの若い客たちは感じているのだろうか。
もちろん違和感など持つ必要はないのだが、このロックをちょっとでも知っていれば、テーブルで一つの話題にもなるだろうに、と僕は思っていた。
僕とYOKOさんは曲を聞きながら顔を見合せて笑った。そして彼女は重いトレーを運びながらこう言った。
私、この曲、死ぬまで歌いたい
そんな熱い思いを持つシンガーがキミらのために汗を流して今、ご飯を運んでいるんだよ。
キミらが知らないのは仕方のないこととは言え、まさみやのこの女(ひと)はほんとうはすごいんだよ。目の前のメシばかりに集中しないでちょっとは自分のアンテナを広げて、目の前にいる人に興味をもってごらん。
せっかく頭の上でGFRが鳴っている幸福にキミらは浸っているんだからね。
そうすれば人の輪はさらに広がっていくんだよ。
そして質問してごらん。このBGMをきっかけに音楽の話なんかを。
どうしてこの店はこういうロックがかかるの?って。
きっとYOKOさんは最高の笑顔で話してくれるだろう。
いや、待てよ。
ランチタイムは戦場だから・・・仕事を終えて一杯呑みに来た時のほうがいいかもね。
「まさみや」は居酒屋さんなんだから。
「来月よろしくね・・・」というのは、みなさん、もちろんライブのことなんです。
YOKO:ボーカルに せxちゃん:ベース。
二人は「シェリー・ママ」というバンドのメンバーさんです。
10月11日、西武池袋線「江古田」駅前の「BUDDY」というライブハウスで僕のバンドと共演なのです。
せxちゃん、コメントありがとう。
YOKOさんはスーパー・ウーマンですよね!
ずっと一緒に音楽を楽しみたいと思っています。
来月よろしくねーーー。
なんとも 嬉しい日記に私 顔が笑ってます。
YOKOちゃんの別の顔を良くぞ書いてくださいました。実はね 私が初めてYOKOちゃんに会いに行った時 威勢の良いおばちゃん『すまん同じ年つかまえて』だなあ うん おばちゃんだと・・・とんでもないおばちゃんでした。
あれから5年彼女のお陰で 今があります。はい 愛してるよ~ YOKOちゃん
じゃ 来月いがさんよろしくね・・・・
タイトルが色っぽいすなー!
ほめたんではなくて、ドキュメンタリーなのです。YOKOさんが昼も夜もこんなにがんばっている、っていうのをここに来てくれる読者さんに伝えたかったのです。
みなさん、「まさみや」(新宿)で検索すれば簡単に行けます。ぜひ、飲みに行ってあげてください。「このブログを読んで来た」と言えば、店頭でYOKO女将が抱きしめてくれるかも、です。(値引きは期待しない方がいいです・笑)
くまじーじと最後に新宿で飲んだ時は、まだ僕はYOKOさんと出会っていなかったのですよ。
もし知っていたら、乱入して大変なことになっていたかもしれません!
くまさんと二人でまさみや、行きたくなりました。GFRでテーブル叩き倒します!
(言い分けです・・・・・)
So much love for you ! hug&kiss !!
Have a good day,
今度行ってGFRが流れたら間髪を入れずに手羽先(メニューにあったかなぁ)をオーダーすることにします。旭川のくまさんを思い出しながら。
ところで「北海道展」がいろんなデパートで盛況のようです。くまさんの今年の秋の収穫はいかがでしょうか?
YOKOさんのお店の「戦闘状態」時に行ったバンマスもすごい。 平日のお昼時にビール飲んでいる人を見たサラリーマン達はきっと羨ましく感じたと思いますよ。 そしてお店のBGMがGFRときたら僕なら手羽先も追加しちゃうね。 TNUCなんか聞こえたらテーブル叩き出すね。