![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/c8/e8e1abd142f9bfe1c18297d33b145710.jpg)
タイトルどおりの思いを抱いて、僕は帰宅の途についたのだった。
ジョー・ボナマッサ、日本ではまだまだメジャーな名前ではないようだが欧米のブルース・ロックの世界では大物との共演や質の高いソロライブなどですでにかなり有名なミュージシャン(ギタリスト)なのである。
1977年生まれだからまだ若い。しかしそのギタリストとしての芸歴はかなり長い。また子供のころから神童扱いされていたというギター小僧だったようだが、僕は彼が17歳の頃に結成していた「BLOODLINE」というバンドでのギターフレーズにたいそう驚かされていたのだった。
ちょっと他のギタリストでは聞いたことのないその複雑で感性の高いフレーズは耳には心地よいのだが、マネはそうそうできない独創性があった。
12歳の彼の映像
BLOODLINEでの彼(17歳)(Drはマイルス・デイヴィスの息子、Bsはオールマンのベースの息子)
彼の詳細はネットで調べられるので、ここではわざわざ書かないが、そんな彼が待望の初来日をしたのだった。
公式のライブステージは福岡・大阪・東京で各1回。それにラジオへの生出演や、ギタークリニックなど、いかにも初めて日本へ来るアーティストといったスケジュールをこなした。
僕はバンドのメンバー全員とともに東京公演(代官山・UNIT)9/16を見に行ったのだった。会場は僕らの彼に対する想いにはちょっと肩透かし気味のあまり広くもないライブハウス。オール・スタンディングでキャパ700名といったところか。
とにかくすぐ目の前に彼がいた。
場内は身動きもとれないほどの人ごみ。
PAのパワーはこの会場の広さとしては大きい感じで、バスドラムがズシンと響く。
天井が比較的高いのがいい。 地下なのに圧迫感がない。空調もそれほど問題無く機能している。PAのスピーカーがちょいとヘタっていたが、音圧はそこそこある。
眼つぶし(逆光)の照明はあったが、うっとうしいライティングはなく快適。
そんな会場にまずオープニング・アクト(前座)のバンドが定刻に登場。
ボナのジャンルに近い部分もあったが、リーダーのギターのフレーズは聞いていて眠くなるような、芯を感じられないゆるいものだった。リズム隊は歯切れがよく、健闘していたが、なにか面白くない。当夜の多くの聴衆がこのリズム隊、特に派手なアクション連発のドラマーのプレイを注視していたと思われる。
スティックさばきが見せるという意味で巧みだ。指の間でスティックをクルクルと回しながらシンバルを叩くという高度なテクを始終見せつけた。顔の表情は多彩でその割にタイトなドラミング。ただし相当のワンパターン。別に問題はないのだけれど、テクニック志向が小さくまとまってしまって「それ以上」がない。基本的にブルースのインスト・バンドのようだったが、ごめん、やはりつまらなかった。
セッティングのための休憩をはさんでいよいよジョーの登場だ。この人は多くのギグでTシャツ系のバックメンバーとは違い、こぎれいにジャケットなどを着てオシャレだ。
セットリストは知らない曲もあったのでここで羅列はできないが、とにかくギターがよく鳴った。そしてそれはよく泣いた。
そしてもう一つ、彼はよく歌った。
ジョーは歌うことが大好きなんだ、とよく分る。こういうタイプのプレーヤーはおしなべてギターもよく歌う。
際立っていた「泣きのギター」。Mシェンカーよりも内面的でより悲痛な響きである。これを聞くとシェンカーは泣くふりをしているようにさえ思える。
まぁそれはいいとして、ジョーのこのパワフルさはなんだ! 矢継ぎ早に飛び出す変幻自在なギターフレーズ。まったく疲れというものを感じさせないのが驚異。
また、譜面に書きとめて永久保存したいようなメロディックな泣き。
そうかと思うとワイルドなピッキングによるアコギのソロ。スラップ・アコギ!
聞いていてこいつ何者?!と何度も思ってしまった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/0c/58d1d187421278ecc6755ce0b32818b3.jpg)
熱いステージは100分にも及んだ。最初の曲で不安になったドラムスの元気のなさも尻上がりに良くなり、奥行きのあるドラミング、控え目ながらポリシーを感じさせるジョーへのナイスサポートに僕は本物のドラマーの姿を見た。
残念だったのはオープニングアクトのドラムの方がPA的には良かったことか。
ちょっとフォーカスが合っていないようなドラムの音が惜しかった。しかしこのドラムスのいぶし銀のようなプレイは終盤でみごとその本来のすごさを見せつけた。
すばらしいドラミングだった。この人は本物。
それにしてもジョーの演奏、僕は今までこれほど充実したギタープレイを最初から最後まで放出しまくったギタリストを見てきただろうか?僕はそう自問した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/34/e16911f8b211f47a70fc66ae1ae90266.jpg)
日本でNYでかなり多くのバンドのギグを見てきたが、これほど終始ダレないで手を抜かないミュージシャンを見たのはおそらく初めてのことだと思う。
その燃焼度はもちろんトップクラスだ。
有名バンドやミュージシャンのほとんどが「どこかで」手を抜く。ペース配分を考えてのことかもしれない。
しかしジョー・ボナマッサは違った。若さもあってパワーもあるのだろう。
でもそれだけでは計れないギター・バカとしての情熱とイマジネーション。これが並はずれてすごいというのが実感だ。
ステージではジョーの燃え方が他のメンバーを圧倒している。その様子がバンド全体をうまく引き締めていた。演奏曲は総じてミディアム~スロー系が多かったが、思わず目をつむって聞き込んでしまうほど心に突き刺さる音楽の洪水だった。
彼をブルース・ギタリストと呼ぶのなら、これこそまさに「ブルース」そのものだ。聞く者の心をグイグイとえぐってくる。
そして演奏もフィーリングも驚くほど多彩で、音楽は一瞬も立ち止まらず流れてゆく。
この大きくてよどみのない決然とした流れはこれからどういう方向へと向かうのだろう。
ジョー・ボナマッサ・・・このギタリストを今後も注視していきたい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/da/771025b521882918f21732bfde5a2f24.jpg)
ステージの興奮冷めやらず、地上へと出た僕らは外のゆるやかな秋風の中でしばし談笑した。
今日揃って見に来たシェイズのみんなが一か月弱に迫った次の江古田ライブに向けて気合を入れなおしたのは想像に難くない。
江古田でジョーの音楽が鳴り響く・・・かもしれない。
(写真提供は シェイズのりーまんドラマー氏。ありがとう!)
ジョー・ボナマッサ、日本ではまだまだメジャーな名前ではないようだが欧米のブルース・ロックの世界では大物との共演や質の高いソロライブなどですでにかなり有名なミュージシャン(ギタリスト)なのである。
1977年生まれだからまだ若い。しかしそのギタリストとしての芸歴はかなり長い。また子供のころから神童扱いされていたというギター小僧だったようだが、僕は彼が17歳の頃に結成していた「BLOODLINE」というバンドでのギターフレーズにたいそう驚かされていたのだった。
ちょっと他のギタリストでは聞いたことのないその複雑で感性の高いフレーズは耳には心地よいのだが、マネはそうそうできない独創性があった。
12歳の彼の映像
BLOODLINEでの彼(17歳)(Drはマイルス・デイヴィスの息子、Bsはオールマンのベースの息子)
彼の詳細はネットで調べられるので、ここではわざわざ書かないが、そんな彼が待望の初来日をしたのだった。
公式のライブステージは福岡・大阪・東京で各1回。それにラジオへの生出演や、ギタークリニックなど、いかにも初めて日本へ来るアーティストといったスケジュールをこなした。
僕はバンドのメンバー全員とともに東京公演(代官山・UNIT)9/16を見に行ったのだった。会場は僕らの彼に対する想いにはちょっと肩透かし気味のあまり広くもないライブハウス。オール・スタンディングでキャパ700名といったところか。
とにかくすぐ目の前に彼がいた。
場内は身動きもとれないほどの人ごみ。
PAのパワーはこの会場の広さとしては大きい感じで、バスドラムがズシンと響く。
天井が比較的高いのがいい。 地下なのに圧迫感がない。空調もそれほど問題無く機能している。PAのスピーカーがちょいとヘタっていたが、音圧はそこそこある。
眼つぶし(逆光)の照明はあったが、うっとうしいライティングはなく快適。
そんな会場にまずオープニング・アクト(前座)のバンドが定刻に登場。
ボナのジャンルに近い部分もあったが、リーダーのギターのフレーズは聞いていて眠くなるような、芯を感じられないゆるいものだった。リズム隊は歯切れがよく、健闘していたが、なにか面白くない。当夜の多くの聴衆がこのリズム隊、特に派手なアクション連発のドラマーのプレイを注視していたと思われる。
スティックさばきが見せるという意味で巧みだ。指の間でスティックをクルクルと回しながらシンバルを叩くという高度なテクを始終見せつけた。顔の表情は多彩でその割にタイトなドラミング。ただし相当のワンパターン。別に問題はないのだけれど、テクニック志向が小さくまとまってしまって「それ以上」がない。基本的にブルースのインスト・バンドのようだったが、ごめん、やはりつまらなかった。
セッティングのための休憩をはさんでいよいよジョーの登場だ。この人は多くのギグでTシャツ系のバックメンバーとは違い、こぎれいにジャケットなどを着てオシャレだ。
セットリストは知らない曲もあったのでここで羅列はできないが、とにかくギターがよく鳴った。そしてそれはよく泣いた。
そしてもう一つ、彼はよく歌った。
ジョーは歌うことが大好きなんだ、とよく分る。こういうタイプのプレーヤーはおしなべてギターもよく歌う。
際立っていた「泣きのギター」。Mシェンカーよりも内面的でより悲痛な響きである。これを聞くとシェンカーは泣くふりをしているようにさえ思える。
まぁそれはいいとして、ジョーのこのパワフルさはなんだ! 矢継ぎ早に飛び出す変幻自在なギターフレーズ。まったく疲れというものを感じさせないのが驚異。
また、譜面に書きとめて永久保存したいようなメロディックな泣き。
そうかと思うとワイルドなピッキングによるアコギのソロ。スラップ・アコギ!
聞いていてこいつ何者?!と何度も思ってしまった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/0c/58d1d187421278ecc6755ce0b32818b3.jpg)
熱いステージは100分にも及んだ。最初の曲で不安になったドラムスの元気のなさも尻上がりに良くなり、奥行きのあるドラミング、控え目ながらポリシーを感じさせるジョーへのナイスサポートに僕は本物のドラマーの姿を見た。
残念だったのはオープニングアクトのドラムの方がPA的には良かったことか。
ちょっとフォーカスが合っていないようなドラムの音が惜しかった。しかしこのドラムスのいぶし銀のようなプレイは終盤でみごとその本来のすごさを見せつけた。
すばらしいドラミングだった。この人は本物。
それにしてもジョーの演奏、僕は今までこれほど充実したギタープレイを最初から最後まで放出しまくったギタリストを見てきただろうか?僕はそう自問した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/34/e16911f8b211f47a70fc66ae1ae90266.jpg)
日本でNYでかなり多くのバンドのギグを見てきたが、これほど終始ダレないで手を抜かないミュージシャンを見たのはおそらく初めてのことだと思う。
その燃焼度はもちろんトップクラスだ。
有名バンドやミュージシャンのほとんどが「どこかで」手を抜く。ペース配分を考えてのことかもしれない。
しかしジョー・ボナマッサは違った。若さもあってパワーもあるのだろう。
でもそれだけでは計れないギター・バカとしての情熱とイマジネーション。これが並はずれてすごいというのが実感だ。
ステージではジョーの燃え方が他のメンバーを圧倒している。その様子がバンド全体をうまく引き締めていた。演奏曲は総じてミディアム~スロー系が多かったが、思わず目をつむって聞き込んでしまうほど心に突き刺さる音楽の洪水だった。
彼をブルース・ギタリストと呼ぶのなら、これこそまさに「ブルース」そのものだ。聞く者の心をグイグイとえぐってくる。
そして演奏もフィーリングも驚くほど多彩で、音楽は一瞬も立ち止まらず流れてゆく。
この大きくてよどみのない決然とした流れはこれからどういう方向へと向かうのだろう。
ジョー・ボナマッサ・・・このギタリストを今後も注視していきたい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/da/771025b521882918f21732bfde5a2f24.jpg)
ステージの興奮冷めやらず、地上へと出た僕らは外のゆるやかな秋風の中でしばし談笑した。
今日揃って見に来たシェイズのみんなが一か月弱に迫った次の江古田ライブに向けて気合を入れなおしたのは想像に難くない。
江古田でジョーの音楽が鳴り響く・・・かもしれない。
(写真提供は シェイズのりーまんドラマー氏。ありがとう!)
もっといろんなプレイができるのに、
今回は爪を隠すように正攻法のみで
この感動。本物です!
あんまり良かったから、まるで高校生のように
帰りにTシャツまで買っちゃったもんな~。
江古田の衣装にしようかな(笑)。
どんなライブであれ、プロのステージというのはそこそこの感動を持って帰れるし、勉強にもなるけど、ボナマッサは別格だったね。
見終わって数日が過ぎたけど、あの迫力と緻密さが同時進行のギタープレイには、思い出すだけで感動が持続しているのがわかる。
泣きのギターという点でもピカイチだったような気がするし、バンド全体が醸し出すオトナの雰囲気がすこぶるよろしかったね!
少しは(テクの)勉強をしたかい?
生ボナ見て。
Yoko姉さん、気に入ってくれたんですね?
さすがYTチェッカーだけあって、いろいろな曲を見たんでしょうね。
ブルージーでいて、ロックフレーバーがプンプンして、若いのにすでに円熟したプレイを見せる、こんなミュージシャンは最近では貴重かも。
ウチのバンドは全員でしっかりと生を楽しみました。YOKOさんと一緒にやる江古田ではその成果がきっと音になって出ることでしょう。
彼がセカンドアルバムを発売した頃からのファンなんです。初めてDVDを観たときは腰が抜けるぐらいの衝撃でした。
ライブ当日は重要な接待があり・・泣く泣く不参戦とあいなりました。また来てくれないかな・・ぶつぶつ
えっ、ファンだんですか?
だったらたとえ仮病を使っても、会社をクビになっても、このライブは行くべきだったですねぇ。
残念でした。
来月、彼のアルバートホールのライブがDVDで出ます。
これを見てください。
trailer(予告篇)ですが超期待の映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=fDBzeSQoTu8