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今まで聴いてきた膨大な音楽の中でも特に大好きでかつ思い出深く、そして自分の音楽スタイルやライフ・スタイルに少なからず影響を与えた曲を一曲づつ紹介していくシリーズの9回目です。
今日の曲
スザンヌ・ヴェガ 「孤独(ひとり)Solitude Standing」より 「LUKA」(1987)
このブログに来てくれている方は今回の曲には例外なく驚いていることでしょう。
諸外国の曲でいつも強く共感できるのは女性ソングライターの作品が意外と多い僕なのです。彼女らはほとんどがシンガー・ソングライターですが、そのルーツ的存在として必ず取り上げられるのがキャロル・キング、ジョニ・ミッチェル、パティ・スミスといったアーティストたちです。
僕も以前から彼女らをこのブログで取り上げてますが、その次の世代の代表はというと、やはり今日の曲の作者であるスザンヌ・ヴェガじゃないでしょうか。
カリフォルニアで生まれて2歳でNYに移り、スパニッシュ・ハーレムやアッパー・ウエスト(僕にはとてもなじみのある街です。ちょい危険!)で育ったというマルチ・カルチャーな環境は彼女にいろいろな影響を与えただろう事は想像に難くないのですが、その彼女の作風を人は<写真家的技法>と呼ぶそうです。
すなわち「はっきり言わなくても歌詞をたどって行くことで、何を言いたいかを感じ取れるような、リスナーの心情に何かイメージさせる方法が好き」と彼女自身が言うように人一倍観察力がある人のみが感じられる複雑な状況や感情を比喩的に組み立てていく音楽なのです。
彼女の乾いた感じのボーカルはボサ・ノヴァで知られるアストラット・ジルベルトの歌い方を真似しているうちに今のスタイルになったようで、声量よりもサウンドに溶け込むように語る歌が特徴です。
そんな彼女が1987に大ヒットさせた曲が「ルカ」なんです。
階上に住んでいる男の子が両親によって虐待を受けているといった内容の歌を、歌詞とは対極にあるような口ずさみやすいポップなメロディで歌い、それが逆に強烈なインパクトとなって僕には忘れられない曲になったのでした。
僕はいつも日本の政治の貧困さや役人の無能さなどにたびたび腹をたてていますが、この他にかなり問題視しているのが(日本だけのことではないのですが)児童虐待の問題です。
数年前ふとつけたTVに父親が雪の降りしきる庭に裸にした6歳の息子を正座させ、それを母親がビデオで撮影している、という実に直視できないような映像が流れました。
その男の子は恐怖と寒さに震え、泣く力もなく暴力的な父親にごめんなさい、をくり返していました。さすがにTV局もこの映像には問題があると考え、その後は一切この手の映像は見なくなりましたが、僕はこの映像が後々トラウマのようになり、思い出しては涙が出るようになったのです。
さぞ寒かったでしょう。雪の中を裸にされて正座させられた男の子はその後死亡しました。母親が冷酷にも撮影したビデオ映像が決定的証拠となって両親とも今は服役中と聞いています。
児童虐待を歌った曲なんていうものはこの世にあまり存在しませんが、スザンヌ・ヴェガのルカ君はそんな両親の虐待にじっと耐えている子なんです。
先に書いたようにこの曲はその内容がシリアスなのに、とても憶えやすいメロディによってさらっと歌われています。
僕はその事が逆に怖い曲だなぁと思うのです。
抵抗する力も無い子を親とは言え大人が暴力で恐怖に落とし入れ、さらに生命まで奪っていく・・・なんという極悪非道な行いでしょうか。
ニュースでこういう虐待の話を聞くと無性に腹が立ちます。この腹立ちは無能な政治家に対するものとはちょっと違い、最大の刑罰をもって行いを後悔させたい、という憎しみにも似た感じなんです。
僕は「ルカ」を聞くたびにこういったかわいそうな子供の気持ちを考えます。
すごく悲しい気持ちになります。
大人のストレスが子供に向けられ、それによって未来ある子供らが傷つき心が病んでいくなんてなんということでしょう。
幼い子を暴力によってコントロールしたり、恐怖で支配しようなんて、もはや人間のやることではないのです。
ごめんなさい。幼児虐待には過敏に反応する性格なもんで、本来の音楽紹介の枠をはみ出してしまったようです。
スザンヌ・ヴェガの「ルカ」はお気楽に口ずさめる恐怖の音楽なのです。
今日の曲
スザンヌ・ヴェガ 「孤独(ひとり)Solitude Standing」より 「LUKA」(1987)
このブログに来てくれている方は今回の曲には例外なく驚いていることでしょう。
諸外国の曲でいつも強く共感できるのは女性ソングライターの作品が意外と多い僕なのです。彼女らはほとんどがシンガー・ソングライターですが、そのルーツ的存在として必ず取り上げられるのがキャロル・キング、ジョニ・ミッチェル、パティ・スミスといったアーティストたちです。
僕も以前から彼女らをこのブログで取り上げてますが、その次の世代の代表はというと、やはり今日の曲の作者であるスザンヌ・ヴェガじゃないでしょうか。
カリフォルニアで生まれて2歳でNYに移り、スパニッシュ・ハーレムやアッパー・ウエスト(僕にはとてもなじみのある街です。ちょい危険!)で育ったというマルチ・カルチャーな環境は彼女にいろいろな影響を与えただろう事は想像に難くないのですが、その彼女の作風を人は<写真家的技法>と呼ぶそうです。
すなわち「はっきり言わなくても歌詞をたどって行くことで、何を言いたいかを感じ取れるような、リスナーの心情に何かイメージさせる方法が好き」と彼女自身が言うように人一倍観察力がある人のみが感じられる複雑な状況や感情を比喩的に組み立てていく音楽なのです。
彼女の乾いた感じのボーカルはボサ・ノヴァで知られるアストラット・ジルベルトの歌い方を真似しているうちに今のスタイルになったようで、声量よりもサウンドに溶け込むように語る歌が特徴です。
そんな彼女が1987に大ヒットさせた曲が「ルカ」なんです。
階上に住んでいる男の子が両親によって虐待を受けているといった内容の歌を、歌詞とは対極にあるような口ずさみやすいポップなメロディで歌い、それが逆に強烈なインパクトとなって僕には忘れられない曲になったのでした。
僕はいつも日本の政治の貧困さや役人の無能さなどにたびたび腹をたてていますが、この他にかなり問題視しているのが(日本だけのことではないのですが)児童虐待の問題です。
数年前ふとつけたTVに父親が雪の降りしきる庭に裸にした6歳の息子を正座させ、それを母親がビデオで撮影している、という実に直視できないような映像が流れました。
その男の子は恐怖と寒さに震え、泣く力もなく暴力的な父親にごめんなさい、をくり返していました。さすがにTV局もこの映像には問題があると考え、その後は一切この手の映像は見なくなりましたが、僕はこの映像が後々トラウマのようになり、思い出しては涙が出るようになったのです。
さぞ寒かったでしょう。雪の中を裸にされて正座させられた男の子はその後死亡しました。母親が冷酷にも撮影したビデオ映像が決定的証拠となって両親とも今は服役中と聞いています。
児童虐待を歌った曲なんていうものはこの世にあまり存在しませんが、スザンヌ・ヴェガのルカ君はそんな両親の虐待にじっと耐えている子なんです。
先に書いたようにこの曲はその内容がシリアスなのに、とても憶えやすいメロディによってさらっと歌われています。
僕はその事が逆に怖い曲だなぁと思うのです。
抵抗する力も無い子を親とは言え大人が暴力で恐怖に落とし入れ、さらに生命まで奪っていく・・・なんという極悪非道な行いでしょうか。
ニュースでこういう虐待の話を聞くと無性に腹が立ちます。この腹立ちは無能な政治家に対するものとはちょっと違い、最大の刑罰をもって行いを後悔させたい、という憎しみにも似た感じなんです。
僕は「ルカ」を聞くたびにこういったかわいそうな子供の気持ちを考えます。
すごく悲しい気持ちになります。
大人のストレスが子供に向けられ、それによって未来ある子供らが傷つき心が病んでいくなんてなんということでしょう。
幼い子を暴力によってコントロールしたり、恐怖で支配しようなんて、もはや人間のやることではないのです。
ごめんなさい。幼児虐待には過敏に反応する性格なもんで、本来の音楽紹介の枠をはみ出してしまったようです。
スザンヌ・ヴェガの「ルカ」はお気楽に口ずさめる恐怖の音楽なのです。
My name is Luka です。
眠くなる淡々ボーカリストを書き出してくれましたが、ヴェガはその歌詞に独特な重みがあるので、思わず耳をそばだててしまうのですよ。
有名な「Tom's Diner」なんかも、ハッとするような面白さです。
Lukaくんは曲の中で「あの人たち(両親)は僕が泣くまで叩くんだ」と訴えています。かわいそうな歌なんです。
中には入院中の子供を見舞ううちに、自分の子の首を締めて看護師たちに羽交い締めされた例もあるのだとか。
病棟を出てから暫く涙が止まらなかったのを、覚えてます…。
奥さんの話を悲しい気持ちで聞きました。
自分を守るすべを知らない幼い子は親の愛情だけで生きていくっていうのに、反対に暴力を受けたり迫害されたりするっていう現実はなんとかならないのでしょうか。
社会が悪くてこんな大人が増えるのか、幼い精神の大人が子供を作った結果なのか、むかつくほど嫌な気分になります。
暫く聴いていませんでしたが、引張り出して、何年振りでしょう、針を落としてみました。
こんな内容を作品できるんだ、と驚きを覚えましたね。
「何故自分の子供を・・・」と、ニュースの度に思います。
悲しいですよ。
バンマスのこの記事を読んだ後、子供の寝顔を見て、涙が溢れました。
「そんなこと、こいつにできるか? ふざけんなよ!」
聴いてくれましたか!
歌詞を考えなければ軽快なPOPSのようですが・・・。
やはり音楽だけではその印象は抽象的になります。でもそこに歌詞が入ると音楽はがぜん意味を持つようになりますね。
幼児虐待のニュースにはいつも胸が痛みます。他の残虐な事件や悲しい事故よりも何倍かショックを受けます。
wakaくんの子煩悩ぶりが目に見えるようです。
お子さん、大事に育ててくださいな。