バンマスの独り言 (igakun-bass)

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音楽通(つう)と言われたい人への短期集中講座11

2008年09月18日 | 音楽講座および楽器の話
今週の月曜日(9/15)ピンク・フロイドのオリジナル・メンバー、キーボードのリック・ライト氏がガンのためイギリスの自宅で亡くなった。享年65歳。
僕はとてもショックを感じている。なぜならこの人の控えめでいて、隙が無く、淡い色彩でのホリゾンタル(水平的)なバッキングは、最近けっこう多くなったバーティカル(垂直的=和音の重ね合わせ)で華麗なサウンドを見せつける多くのキーボード・プレーヤーと比べてもはるかに好ましかったからだ。
名アルバム「狂気」の中で僕が最も好きな2曲「The Great Gig In The Sky」と「Us And Them」がたまたまの偶然ではなく、リックの作品だということは何を意味しているのだろうか! なんというセンシティヴで美しい音楽を作る人なんだろう。

一時は、あの愚かなバンド・リーダー:ロジャー・ウォータース(b)との確執問題でPFを脱退(解雇)したが、ウォータースが脱退した後、再びギタリスト:デヴィット・ギルモアに請われて再加入した。
彼のキーボードこそPFの音楽には無くてはならないものだったし、そういう意味ではあのクソ・ベースのウォータースより、はるかに優秀なミュージシャンだった。
このことは、ここでまたいつか書いてみたい。  アーメン、合掌。


さて、気持ちを切り替えて、11回目は音楽における「センチメンタル」について書いてみたい。音楽用語ばかりを羅列した短期講座にしたくはなかったので、こういう題材を扱うのは楽しい。

「センチメンタル」(sentimental)

音楽にその音楽を聴いた時のもろもろの個人的な状況が付与されると、その音楽はセンチメンタルになりがちだ。

顔が真っ赤になってしまうくらい好きな女の子と一緒に聴いたとか、
逆に他の男とデートしているのを目撃した時にウォークマンから流れていただとか、
大学に合格した帰りにその足で買ったレコード(CD)だとか、
初めて組んだバンドの初めてライブでやった曲だとか、
一人で旅行した時にふと入ったカフェで流れていた有線の曲だとか、
ジョン・レノンが死んだ日に聴いていたもの全部だとか、

まぁ、とにかくこういった思い出の類とともに記憶に残っている音楽は、たとえディープ・パープルであろうと、ピンク・フロイドであろうと、小田和正であろうと、それがその人にとっての「センチメンタルな」音楽になる。

音楽は結局、パーソナルなものでしかない。
万人にとっての名曲はありえない。
「これをいいと思わなかったらあなたはファンの資格はない」という曲もない。
自分がどんなに感動したところでそれはただ自分が感動したという事実があるだけだ。

多様な価値観、そして多様なセンチメンタルがあるからこそ、世界は楽しい!


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