バンマスの独り言 (igakun-bass)

趣味と実践の音楽以外に日々感じる喜びや怒り、感動を記録するためのブログです。コメント大歓迎です!

今の若者の気持ち

2006年10月16日 | 日常
僕のバンドにとっての一大イベント「赤坂ライブ」も無事に終わって早一週間。みなぎっていた「バンド・モード」から解放され、秋の日を落ち着いた気分で過ごしています。

最近、社会人になりたて、もしくは成って数年という若者数人といろいろ雑談をしていました。そしてそこから感じたことが多少なりともあったので、考えを述べたいと思います。

今の若者には「自分は恵まれていない」という被差別感が充満しているようです。
どうしてかと言うと、世間的にエリートになれる人は少ないから・・・だそうです。
そのくせ他人を見下ろし、根拠のない万能感をもっています。能力の裏付けがないのに自分は偉いとなんとなく思っているんです。
やろうと思えばなんだってできるぜ! みたいに。

そんな調子だから逆にすごく傷つきやすいということがあるのです。

結果、引きこもってしまう人もいるわけですが、今は自分の考えをブログとかで表現できますね。それに対して世間の反応があれば世論形成が可能だし、自己愛に凝り固まった意見にも賛同する声が返ってきたりして、そんな自己愛にも根拠が生まれるわけです。

こんな若者達が「共通の敵」を見いだすと、強固な連鎖ができます。
怒りは市民リベラリズム(自由主義を当然とする市民感覚)に向けられ、自分たちを勝者と敗者にふるい分け、日本をだめにした今の市民社会はゆがんで醜い、という思考の流れになっていきます。

六本木のIT(情報技術関連の)ビルのオフィスを掃除している若者達を、そこで働く人たちは何の興味も関心も示さない・・・でも掃除をする若者達からすればITなんかそのうちふっ飛ばしてやる!って思っているわけです。いつまでもおとなしくはないぞ、とばかりに。

こんな時期に「安倍政権」が誕生したのも市民リベラリズムへの批判が後押ししている、という意見もあります。
戦争を知らない若者達がブログで右翼的な意見を発信しており、アジア・太平洋戦争をめぐる歴史観でも「なんで(アジアの戦争被害者に対して)謝るの?」という意見が横行しています。
今の若者達の社会に対する不満が安倍さんを偶像にし巨大化する可能性をはらみはじめているのです。
これまで仲間内でしか通用しなかった右翼的論理が、安部さんを通じて世論に訴える力を持ち始めたのです。
新政権はまず、軍国主義教育への反省として生まれた教育基本法の改正から手をつけようとしています。その後は自主憲法の制定に向かうでしょう。
こうした伝統への回帰が、不満を抱え攻撃性をはらんだ日本の若者にもあるのです。

歴史に学べば、今の日本はかつて戦争に突っ走った自分たちの過去を、自分のオヤジさんやおじさんがしたことを、彼らの魂まで含めてどう評価するのか、考え直さないといけないと思うのです。
この国があの戦争のことを忘れると言うなら大きな問題です。
外に向かって「平和国家」と言いながら、内向きには退行的なナショナリズムを膨らませ、軍備を増強するというのでは世界の常識が許さないでしょう。

戦争で日本がアジアにしたことも、愚かな命令で犬死のように死んだ人のことさえも教訓にして、そうした歴史を大切な我々の個性と認識しながら生きていかなければならないでしょう。

今、若者はこの国がどういう方向に向かっているのか、どんな国になりつつあるのか、をじっくりと考えていかなければならないのです。

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