日テレ東京マラソン２００８に思うこと

僕は生来、全ての現象・事象を肯定的に感じ取る性質（たち）なんですが、時々「うん？これはいかがなモノか？」という気持ちになることもあります。先日放映された「東京マラソン2008」（日テレ）を見てから２日経っても、やはりモヤモヤが取れないのでこのブログに吐き出すことにしました。



先日17日、東京では巨大なスケールの「市民マラソン」＜東京マラソン2008＞が行われましたね。
残念ながら日曜日の午前中は仕事が入っているのでそのTV中継は午後からの一部しか生で見られませんでしたがそれ以前の部分は録画で見ました。

第２回目にあたる今回は晴天に恵まれ、沿道にも実に多くの見物客、ボランティアの人々が出ていましたね。また、大都会東京の中心部を走り抜く42.195kmの交通整理にはどれだけの警察関係者、警備関係者の人々ががんばってくれていたんでしょうか。

報道によると「東京マラソン2008」には約3万3000人の市民がエントリーして約2万6000人の市民が完走し、沿道からは約220万人の市民が応援したそうです。

みなさん、本当にご苦労さまでした。

高倍率の抽選をクリアして参加した市民ランナーの方々のそれぞれに充実した笑顔を見る時、このお祭り的スポーツ・イベントが今後も国民に愛されていくんだろうなぁ、という気持ちになりました。

さて、この大イベントは「日本テレビ」によって長時間生中継されました。
日テレといえば「箱根駅伝」などでも見せるマラソン中継の豊富なノウハウを持つTV局ですが、今回もその中継技術は大きな破綻もなく見事なものでした。
それはそれでいいのですが、僕はある種の不快感もこの中継で感じてしまったので今日はその事を書きます。

そもそも「東京マラソン」は「市民マラソン」の1つですよね。ということはその主役は市民ランナー。そしてそれを支える沿道のボランティアや関係者たちです。
そういう人々が喜々としてがんばる姿をTVで伝えるのが中継局の使命ではないでしょうか。
それなのに、なんですか！　自局の女子アナと芸能人ばかりを追う番組作りは。
確かに有名人が走る姿、お笑いタレントが顔をゆがめてヘロヘロになっている姿は番組的には面白いかもしれません。でもね、こんな中継スタンスでは本来あるべき「市民マラソン」の美しさを汚しているとは思いませんか？　みなさん。

僕は「芸能人によって汚染された市民マラソン」というイメージをしっかりと持ってしまいましたよ。

大会前から大会終了、そしてその後も、日テレは自局の女子アナや芸能人を取り上げ、いかに「市民マラソン」がすばらしいかをアピールしていました。
僕はこの光景を見て違和感・不快感を抱いただけでなく、「市民マラソン」としての「東京マラソン2008」自体に疑問を抱いてしまったんです。
だって日テレの中継の仕方は、まるで自局と芸能人が「主」で、市民ランナーが「従」というふうなものになっていたからです。

参加した女子アナも芸能人もたぶんマラソンが好きなのでしょうが、彼女・彼らは仕事として参加している部分があるのです。女子アナと芸能人の汗くさい演技が、逆に、「市民マラソン」としての「東京マラソン2008」の品格をおとしめたとは思えませんか？
結局は参加した市民ランナーも、沿道で応援した市民も、マスコミや広告代理店、芸能プロダクションのカネもうけの道具として利用されたのではないだろうか、という少しうがった気持ちにもなりました。

「東京マラソン2008」は「市民マラソン」とうたっているんですから、女子アナや芸能人の姿を映すヒマがあったら、一人でも多くの市民ランナーや沿道の市民の姿を映すべきではなかったのでしょうか。
こんなうさんくさいテレビ局の演出を許した「市民マラソン」の主催者である東京都と石原慎太郎知事の罪は深い！と、どこかの冷静なジャーナリストが言っていましたが、僕も全く同感。
残念ながらこんな「日テレ手法」が許される限りは、この大イベントにもケチがついてしまうなぁ、と思って見ていたのです。

来年もこのマラソンを放送するんならＮＨＫにやってもらいたいなぁ。


ついでながら・・・日テレの女子アナにはあの愚かで（ものを知らない・知識がない、という意味）自分をアナウンサーというよりタレントと錯覚しているフジTVの女子アナみたいにはなってほしくないんです。最近、経費節約のためか、女子アナをタレント同様に扱う傾向が顕著になってきたテレビ局ですが、日テレは特に要注意です。