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アイデアリズム idealism daydream

idealism=理想主義 daydream=白昼夢
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別れのワイン達人事件

2001年04月08日 | 掲示板のバックアップ (ロアノーク氏の達人事件)
おつかれっすぅ!

「グラスワイン1ツ!」

そンな時代もあったねと、いつか笑える日がくるかしら、と思っていたら割と早く来たので、これはもう笑うしかない。

回る回るよ時代は回るのだ。

1度は人の目から隠されたとしても、再びギャラリーの前に現れる日はやってくるのだ。

奈良県明日香村のキトラ古墳での壁画発見は、

「あるに違いない!」

と、いう揺るぎ無い確信のもとに調査が行われた末の発見だったという。

なにしろ、既に玄武・白虎・青龍の画が見つかっていたそうな。

これはもう、専門家ならずとも期待してしまうでしょう!

これで見つけたのが偶然居合わせたちょっぴりお茶目な女子中学生だったら劇的だったのだが、今考古学会において「演出」の2文字は危険過ぎるので、期待するだけ気の毒とも言える。

朱雀、満を持しての発見。

この大発見の周りにも他に画が描いてあったらしい、という。

しかし、朱雀の画と比べて保存状態が悪い上に、どうも曖昧な画だとか。

ヘタ、ッて事でしょうか。

朱雀はセンセイが描いたンだけど、周りはアシスタントとか、事によるとシロウトが描いた、というような事は無いだろうか。

当時のセンセイが腕を振るう場といったら、こういう墓のカベやら宮殿のカベやら王の部屋のカベやら、全面的にウォールアート態勢であったりした事だろう。

他に描くとしたら、板だの布だの粘土板だの、ゴツいツールばかりで、紙などという高級品が売り込まれるまでにはまだまだブランクがあったと思われる。

センセイは王様の墓に描くからいいけど、他の人はどうしたのだろう。

頂点に立つ者が現れる裾野には、大勢の絵描き志向が付き物だ。

王様の墓に描いたりする程じゃなくても、とにかく画を描くのが楽しい人が、まあそれで生活は出来やしないだろうが、いたりはしたのではないか。

また、立派な画なンてェものは王様の墓の中に描くくらいだから、庶民とまでいかなくてもちょっとした小金持ちくらいでは見る事も出来なかった事だろう。

そンな双方のニーズが合致して、王様の墓ならずとも、画の交歓が行われていたとしたら。

同人のルーツ!

まさに同志ッ!!

「板子お願いしますッ」とか言われて、杉板にディフォルメの効いた朱雀描いてたりしてはいなかったか。

原始のコミケ。

「こみっくパーティー」。

娯楽と欲望が渦巻く世界は、時代が回っている証左。

そして現代のコミケを知るならばここは見るしかない。

諸君の中には或いは行った事がある者もいるかもしれないが、私も昨年夏、東京ビッグサイトでのコミケに行った経験がある。

娯楽と欲望の聖地だった。

熱気、異臭、人だかり、行列、皆あった。

美少女との偶然な出会いは、無い無い。

「偶然の出会いから始まるストーリー」の同人誌は売っていたけど、ドキュメントとしてのそんな風景はありゃしない。

イザ、行ってしまえば脳はドーパミンに支配されて、そんないけずうずうしい事にまで回るハズも無い。

同化しちゃってます。

こんにち、改めて本編を見て、「えッ、そンな人間ドラマがあったりするの!?」と驚愕一頻りである。

もうびっくり。

冷静な人間にはそのクールさに相応しい展開が用意されている、という事でしょうか。

現場に行くと押さえ切れない血の熱さにたちまち目が吊りあがる人間には見る事が出来ない世界かもしれない。

ここはブラウン管の前で、客観的にイベントとそれを取り巻く人間模様を見つめ直すべきだろう。

人の振りして我が振り隠せ。

これはコスプレの要諦とは言えまいか。

さあ、オープニングから目を離すな。

会長の面影を脳裏によぎらせながら注目だ。

曲は「君のままで」!

キミのぉままで、変わらーないでッ!!

追い詰められた名会長! 連続二大達人事件

2001年04月07日 | 掲示板のバックアップ (ロアノーク氏の達人事件)
おつかれっすぅ!

追い詰められたネズミはネコを噛む、という。

不幸も追い詰めると逆ベクトルに転じるのでしょうか?

エンドルフィン効果ッて感じですか。

先人から学ぼうにも、前例の無い事は学び様が無い。

成り行きに注目するくらいがせいぜい。

そう、注目していないといけなかったのである。

皆から見捨てられた1990年の福井県美浜町松原海岸に遠いところから流れ来たのは。

「キャーーーッ!? 死体よッ!!」

そう、死体だったのだ。

それも2体。

しかもフロッグマン装備、即ち特殊潜水行動装備スタイル。

更にゲリラ戦用特殊工作船1隻。

おまけに水中スクーター。

チャーリー・シーンの映画「ネイビー・シールズ」みたいな装備。

誰よこの謎の東洋人達は?

答えは海の向こう。

福井県の向こうはどこでしょう?

何ィ、福井県はどこ? だァ!?

取り合えず日本海沿岸だよッ。

テロ国家のテロリストが潜入に失敗したに違いないと思われた。

それから10年の月日が流れて現代。

今度は富山県黒部市荒俣は黒部川河口付近河川敷である。

富山はどこォ!?

福井の上だよッ!

地元地域住民の通報で駆け付けた黒部署員が見つけたものは。

またまた水中スクーター。

そう、魚雷状の機体に寝そべるように捕まって、沿岸の警戒線を突破し、秘密裏に敵の征圧地域へ侵入するための特殊戦装備だ。

こういうものを使うのは、どこの国でも特別に訓練された、いうなればデミとかシュワルツェネッガーとかトム・クルーズとかである。

取り合えず一期だけのつもりで入隊ッつーか就職したごく平凡なボク、などではありえない。

しかも今度は死体無し!

一人で戦車並の仕事をしてしまう何者かがまンまと富山県に潜入したのだ。

10年前に失敗したからって甘く見るのは禁物だ。

その失敗をバネに連打で挑戦してきたのかもしれないではないか。

これがアメリカ軍なら、失敗しないであろう作戦をもって実行するだろう。

それを、まず行動を起こす事から始めて、失敗の度に改良を加える、という事をやってる人達がいるのではないか。

「失敗」と一言で言ってしまうが、それはつまり10回失敗したら10人は・・・。

そんな滅茶苦茶な作戦計画の下に潜入してきた強者だ。

どんな人物像だろう。

コワモテのマッチョな軍人と先入観を持っていると足元をすくわれる。

「私は潜入工作員です」と全身でアピールしているような人材では、私が将軍なら書類選考で落とすな。

中身はともかく見掛けは意外性で勝負だ。

イ・バンヒみたいな。

「シュリ」を見てしまったら、もう10年前ののどかな県民ではいられない。

「日曜洋画劇場」では冒頭の訓練シーンが大半カットされていてとても残念だ。

あの、地獄の第八工作員養成所から送り込まれたならハンパな相手ではない。

実弾・真剣を使用した紅白戦。

国家反逆罪の死刑囚を使った刺殺訓練。

同、死刑囚を使った集団での徒手制圧訓練。

早く組み立てた方が撃つ、拳銃早組み競争。

そんなカリキュラムをくぐり抜けた中から優秀な成績を収めた者が、海外派遣となるのだろう。

こんなの地方公務員が相手にするにはハンデあり過ぎ。

富山県内で大規模爆破事件や発砲事件が続発したりするんじゃないのか。

普通じゃない事が起ころうとしている。

その時たまたま居合わせた元自衛隊レンジャー資格隊員真田広之・現定食屋主人とかが中華ナベ片手に戦ってくれると、ついでに日本映画にも喝が入ると思うのだが。

取り合えず、私なら見る、見るぞォ。

会長のデート達人事件

2001年04月07日 | 掲示板のバックアップ (ロアノーク氏の達人事件)
おつかれっすぅ!

私は勤務先では他に6人のセーネン達と輸送班に所属している。

字にすると大層な感じだが、やる事はトラック到着時の荷下ろしと積み上げ、更に整理済みの荷物の荷受プレハブから倉庫への台車を使っての移動が主である。

トラックは2トン車から10トン車まで様々。

多い時は1日に20台位にのぼる。

荷受時、トラックベイに着けられたトラックの後部が開くと、私達も仕度にかかる。

蛇腹状で台車の上部がローラーを連ねてあり荷物を転がし流す、いわゆるフレキシブルコンベイヤー、まあ私達は単にローラーと呼ぶが、こいつを指定の下ろし場所まで伸ばしてトラックから下ろす係り、間で流す係り、終点で積む係りに分かれて仕事は始まる。

下ろし場所が近ければテキパキ進むが、トラックベイの対角線の先が下ろし場所だったりすると間を流すのに手間がかかってペースが落ちる。

そんな時は助っ人を頼む。

荷受プレハブには私達が下ろした荷物を仕分けする係がおり、私達はプレハブ係と呼んでいる。

荷物が下りないと彼等の仕事は始まらない訳で、7人では手が足りない時には加わってもらう。

その中に彼はいた。

「何だぁあいつは?」

最初に言ったのはカジワラくんだった。

言われて私達がその指す方を見ると、確かに動きが違う奴がいる。

ローラーで荷物を流しているのだが、グッと踏み込み肩を入れて押し出す!

体重を乗せて繰り出した荷物は強烈な加速でローラー上をすっ飛んで行く。

飛んで行って、間隔を空けて立っている次のローラー係にブチ当たる!

或いは勢い余って脱輪・落下・転倒!

「荷物」「荷物」というが、本来真心込めてお運びする「お荷物」だというのに。

当然プレハブ係のリーダーが見咎め、

「スズキさん、もっと丁寧にやってよ!」

などと説教されたりしているが、一向に変化無し。

身長160センチ程で、血色のいい丸顔は眉は太くヒゲの剃り跡も青々と濃い。

ミスター長嶋みたい。

というより、そのモノマネのプリティ長嶋みたい。

以後、輸送班において、スズキさんは「プリティ」のコードで呼ばれる事となった。

それからしばらくしたある日、台車移動をしていると、プリティが空きダンボールを束にして運び出していた。

すると、何かにつまづいたかバランスを崩した彼は、ダンボールを取り落として悲鳴をあげた。

「アアッ、イヤン!」

私達の心に何か違和感が芽生えた。

それからしばらくしたある日、朝出勤した私がトイレに行くと、プリティもいて、顔を洗っていた。

洗面台の上には洗顔フォームにカミソリにシェービングフォームにアフターシェーブローションに、その他おハダによさそうなアイテムがズラリ。

何かよくないものを見た気がして私は内心ひるんだ。

その時ケータイの着信音が鳴った。

プリティだった。

プリティはケータイを取り出し、辺りを見回して出て行くのかと思ったら、個室へ入り、入った割には少しキーの高い声を張り上げて話し出した。

「あぁノン子ちゃン? 今仕事あがりなのぉ。ウン、こっちこれから。そー。明日面接でさ・・・」

朝から「今仕事あがり」な奴との会話に、ひるみっぱなしの私はそそくさとトイレを出た。

入れ替わりにトイレに行ったカクくんは更にその続きを聞いてきた。

怒っていた、という。

それも、何か運動部の先輩が後輩に説教するような理不尽さだったという。

「んもう、百叩きだからネ!」

とまで言ってた、という。

全員の違和感は高まった。

それからしばらくして、仕事が終わって帰り道。

狭い割に車通りのある道を7人は両側に分かれて、車やらバイクやら自転車をやり過ごしながらワイワイと歩いていた。

突然、カジワラくんが声をあげて道の先を指差した。

「プリティだ! 金髪長髪のカツラをつけてチャリで猛スピードで走ってった!」

既にそんな人影は見えなくなっていたが、カジワラくんは絶対に間違い無いと主張した。

プリティが去った方向は、明治通りから道なりに新宿3丁目に至るコース。

私達全員の違和感は頂点に達した。

おネエな悲鳴。

過度のスキンケア。

奇怪な電話。

怪奇な変装。

そして新宿3丁目方面。

最後のはつまり、新宿3丁目は日本最強のゲイバー地帯である、という事に起因する。

私も目視で確認したことはないが、そんな事は要求しないでくれ。

つまり、すべての状況証拠はプリティが「ゲイ」である事を示している、というのが全員の一致した見解だった。

しかし、物証が無い。

ワナにかけて自白に追い込もう、という意見もあったが、つーか意見したが誰がそれをやるのか、という1点がクリアできず、事件は暗礁に乗り上げた。

それからしばらくして、プレハブ係は契約終了とかで解散となり、プリティもまた去っていった。

そんなある日、私が台車を運んでいると、オバちゃんに呼び止められた。

荷受プレハブで働いていた職員のオバちゃんだった。

「ねぇ、写真できたからさ、スズキくんに届けておいてネ!」

有無を言わさず封筒を押しつけられ、私はやむを得ずそれを持って事務所に戻った。

封筒の中には1枚の写真が入っていた。

サービス版よりも1回り大きいその写真には、成人式みたいな真っ赤な晴れ着を身に付け、金のかんざしを粋に飾った人物が写っていた。

プリティ・スズキだった。

「大将・・・、やりましたね」

「ついに証拠が揃ったよカジワラくん。すぐに目暮警部に連絡してくれ給え!」

私も、カジワラくんも他の皆も、ゲイというものがいる事は知っていたが、曲りなりにも自分達が知っている人間がゲイとして立ち塞がる、という局面はいまだかつて無かった。

またしても世界の秘密を見てしまった思いだ。

「ところで大将、何で写真預かってきたの?」

「イヤ、本人に渡してくれッて、何か知り合い、ッつーか仲良しだったと思われてるのかな」

「そーなの?」

「全然ッ!!」

「でもそれッて何かまずくないスか?」

「・・・・・・、やはりそう思うかね?」

不意に窓から吹きつけて来た風は、どこか不幸の匂いがした。

雪女伝説達人事件

2001年04月05日 | 掲示板のバックアップ (ロアノーク氏の達人事件)
おつかれっすぅ!

日本の山岳地帯において雪女伝説は、学校のトイレの花子さンと同じ位ワンセットで捉えるべきエピソードである。

「そンなものホントはいるもんかよ、へへい!」

などとせせら笑うのはたやすい。

そんな事はわざわざ教えて頂かなくてもわかってるンだよ。

ただ、そうやって力ずくででもロマンをかきたてなければならない局面がある、という事が問題なのだ。

通りすがりの奴は笑ってられても、「雪女祭り」実行委員会世話人などをうっかり押し付けられてしまったら、これはかなり笑えない。

義理から逃げられないなら、ロマンと夢にすがるしかないじゃないか。

助けてコメットさん!

そう、「コメットさん」なのである。

満を持してのアニメ化である。

諸君の中には或いは実写版「コメットさん」を知る者もいるかもしれない。

それは1967年の事、九重佑三子主演だったという。

そンなン知らんよォ。

又或いは1978年の事、大場久美子主演でもあった。

ハイ、見てました。

これは見てました。

ウルトラマンもゲスト出演したりして、思えば豪快な番組でした。

コメットさんの友達とかなんとか言って出て来るンだけど、ちゃんと黒部進が出てました。

出てましたけど、服がさ。

「ウルトラマン」の科学特捜隊の制服ではなく、「ウルトラマンタロウ」のZATの制服着てました。

ディテールのテキトーさに、私は少しがっかりしました。

当時は私はウルトラマンの人だった、ッつーかまあ今でも充分そうなんですが、最近は5人のキュートなママ先生辺りも扱うので、百貨店のような成長のアトが見られます。

コメットさんよりコマッタさんの方が印象として近いものがある。

「コメットさん」アニメ化に際して、コメットさんのお母さん役は九重佑三子。

懐かしい、と言わせるには34年前だけに誰がそれを言うのか難しいものがあるが、まあ話題作り、という事で。

その演技も、まあ、そのお、話題先行という事で。

俳優、と言いますか女優と声優はまた違う、ッつー事で。

第1話は定石通り、星の国から地球のとある日本の地方都市へやってくるまでの顛末が描かれる。

お母さんが少女時代を過ごした地球へ、期待に胸を膨らませてやってきたものの、イザ気がつけば今日寝るところも無い。

「お金」なんて知らないコメットさん、お腹が空いても食べる物も手に入れられない。

頼みの魔法のステッキはパワー不足で、やっと出てきたのが小さなメロンパンが1個だけ。

すっかりくたびれて公園のベンチでしょんぼりしていると、追い討ちをかけるように雨まで降ってくる。

雨の中で途方に暮れているコメットさんに声をかけたのは、昼間知り合った双子の幼稚園児達でした。

「どーしたの、コメットさン?」

「何だかコマッタさンなんですか?」

「ウン・・・、ちょっぴり、コマッタさンかな・・・」

上京、出会い、挫折。

良心的なホームドラマみたい。

いい仕事してます。

野口五郎のマネージャーとは大違いです。

大久保祐一40歳にもなって逮捕。

罪状は今一番格好悪い捕まり方、児童買春・児童ポルノ禁止法違反。

無職の16歳をホテルに連れ込んで3万円払って思いっきり捕まってしまった。

恥ずかしい。

40にもなって。

同じ頃、本田正文37歳はなあ、10万円払ってるぞ!

捕まったけど。

しかも巡査長だけど。

更に相手は現役女子中学生15歳だけど。

インパクトでは大久保祐一40歳の方が上かもしれないが、捨て身度では本田正文巡査長の方が上だな。

いい人材揃えてます、静岡県警。

かなりコマッタさん。

大久保祐一40歳も、芸能マネージャーとしては3万はいかがなものか。

タレントピンハネしてウハウハなハズだろうに。

無職少女16歳が気を悪くして、非行に走らないように親御さンに注意をうながしたい。

恐怖のトラヴァース達人事件

2001年04月04日 | 掲示板のバックアップ (ロアノーク氏の達人事件)
おつかれっすぅ!

試練は、時として思いもかけない姿で立ちはだかる。

垂直の壁ならいざ知らず、事によるとオーバーハングをロープ1本で横移動しなければいけないような、危機的なような良く判らないような、取り合えずものすげくピンチであったりしかねない。

そして、甲府市城東において立ち塞がったのは。

不敵にも自転車に乗った女性64歳。

そしてプレイヤーの分身たる「ボク」もしくは「あたし」は艶やかな黒地に大地の慈愛を思わせる茶をあしらった毛並みも美しい、イノシシだ!

体長1メートル弱の小さな体のイノシシの前に、全長2メートル・頭長高160センチ、ウェイト差な10倍近い敵が現れたのだ。

諸君ならどうする?

私なら逃げ出すかもしれないし、或いはおびえ、すくんでしまって逃げる事すらできないかもしれない。

それは誰しもが同じように思うことで。

イノシシだってほんとうは逃げ出したいって、そう思っていて。

でも、ほんのちょっと勇気を出して、自分を信じて立ち向かったんだ。

イノシシは巨大な相手に対し、その最大の持ち味であるスピードを生かしてシールド・アタックを敢行!

オバさン64歳を顔面から地面に叩き付け、見事病院送りにしてのけた。

それからのイノシシは決して振り向いたりせず、前だけ向いて走り続け、民家のガラス窓も難無く打ち砕き、パトカー3台や消防の救急隊や市の林政課職員の魔の手を振り切って、ついに夢にまで見たふるさとの山へ帰って行ったという。

誰のこころにもゆずれないものがきっとある。

イノシシのそれは大好きなふるさとの山だったに違いない。

だけど、もしも迫り来る自転車のオバさン64歳を前に、泣いて震えているだけだったら、そんな1番大切なものも失ってしまうところだったんだ。

ちょっとしたきっかけが全てを変える。

そう、「機動天使エンジェリックレイヤー」である。

「カードキャプターさくら」のヒットも記憶に新しいCLAMP原作のアニメーション。

何よりもかによりも、アッサリした画だ。

「魔法騎士レイアース」や「カードキャプターさくら」等の先行作は、いずれも女性原作らしい濃厚な華やかさが散りばめられていただけに、余計に描線がシンプルに見える。

現代が舞台であるだけに、かえってスマートなキャラクターの方がなじむ、という事でしょうか。

そう、舞台は現代、魔法も超能力も炸裂しないリアル目の現代。

あるのはハイテク・おもちゃエンジェリック・レイヤー。

おもちゃ売り場の描写に思わずうなずきつつ、これホントに売ってたら買うなあ。

見た目は12インチくらいの、いわゆるジェニー/バービーサイズの人形。

専門的に言えばカスタマイズ・ドールである。

中身はハイテク機器がギッシリの、対戦格闘用人形である訳だ。

加盟店のおもちゃ屋の店先でのバトルから、メーカー公認の公式大会、更には全国大会、と、ミニ4駆かポケモンカードゲームを思わせる設定がニクい。

きっとこのマークのお店、又はお近くのオフィシャルサポートセンターで受け付けているに違いない。

ドール本体はセキュリティで、カスタマイズ・パーツはEDCの脇にレーンブロッカーでも出しとけ。

第1話は主人公みさきが上京してきて、エンジェリック・レイヤーと出会い、購入からセットアップまでを出会いを織り交ぜながら描く。

商品化されたらいかにもありそうなセットアップのシチェーションが見ていて楽しい。

パッケージを開けた時にはスタンダード設定のままの本体を、好みでいじっていく。

素のままの本体を見て、或いは諸君の中にもボークス社のエクセレント・ボディなどを思い出す者がいるかもしれない。

私など、みさきちゃンが本体の髪の毛を大胆にカットしていく姿に思わず「ああっ」と声が出てしまった。

だってドール・ヘアーは1度切ってしまったら、失敗したからってもう生えてこないのだぜ。

いきなり切り過ぎてバンダナかヘルメットでごまかそー、とかいうのは余りにみっともない、ッつーか最初に気付くべきでした。

幸いみさきちゃンのお好みは大胆なショートカットだった。

ヒカルと名付けられたエンジェリックレイヤーは燃える赤毛を振り立てて、操縦者たるみさきと共に並み居る強豪の待つバトルフィールド=レイヤーへ向かう。

AIBOやプーチで練習してきた技術を駆使して、どこか無謀なメーカーさン、商品化してみませんか?

専務が降格してもいいとか、会長が私財をなげうってもいいとか、使えない社員は座敷牢にブチ込んでもいいとか、気合の入ってるメーカーさンお願いします。