人生の日の出Ⅱ「Hero's りんくう校」編

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コクワガタ虫・夏休みの思い出。・・・

2011-08-20 18:21:32 | 日記・エッセイ・コラム

 やっと気温が落ち着いたようです。・・・一雨ごとに秋が深まる。今年は、梅雨入り、開けが早く、夏も早く、秋も早いようです。・・・秋が永いのか?・・・冬が永いのか?・・・

どうやら、暦通りの季節の移り変わりのようです。・・・

夏休み。・・・いつも終わりごろになると雨が降って、もっと夏休みのギリギリまで、良い天気が続いてほしいと思ったものだ。・・・

その頃の話を・・・

子供の頃、町の仲間たち数人と、毎日近くの公園で草野球やかくれんぼをして遊んでいた。・・・

夏休みが数日で終わる、ある雨上りの朝、仲間の一人が「探検」に行かないかと言い出した。・・・

親戚の子供と山に遊びに行く約束をしたらしい。・・・二人で行っても楽しくないからと、みんなを誘ったのだ。・・・我々は、参加する事にした。・・・

我々は、一旦家に帰って母親に話し、自転車で待ち合わせ場所に向かった。・・・

そこには見知らぬ同い年くらいの子も来ていた。・・・お互いにあいさつした。・・・彼の印象は悪くなかった。・・・本当は、もしガキ大将タイプならいやだなぁと思っていたから・・・それから、山の中に入って行った。・・・自転車で行けるとこまで・・・

大きな原っぱがあり、そこから先は歩いたほうが早そうである。・・・我々は、自転車をそこに置いて、更に目の前の雑木林を進む。・・・しばらく行くと、自分の身長より高い草が生い茂って、先を行く仲間を見失った。・・・

「お~い!前が見えん!待ってー!」・・・自分の周りをとり囲んでいる茂みの一部が、「ばさっ!」と開いた。・・・「おう!いけてるか~?」・・・私より背の高い仲間のよっちゃんが来てくれた。・・・「すまん!前、見えへんねん!」・・・「わいの後、ついてこい!」・・・よっちゃんが前を歩きだした。・・・大きな草をかき分けながら進む。・・・私はどこを進んでいるのか全く分からなかった。・・・ただ、よっちやんについて行くだけ・・・それでも、草が異常に高い訳ではない。私の背が低いのだけれど・・・

しばらく行くと、視界が広がって、他の仲間が待っている。「遅いやんか~」・・・「すまん!こいつ迷子になりかけたんや~」・・・私を指さす、よっちゃん。・・・「ごめん、ごめん!ほやけど、前がまったく見えヘンようになったんや~」私が照れながら答える。・・・

すると、親戚の子供とやらが言い出す。「背が小っちゃいからや!小さいもんはあかんなぁ~」・・・全員固まった。・・・

「いや!身長は関係ないやろ!仲間が困ってたら、助けて何が悪い!」・・・他の仲間のせいちゃんが言う。・・・親戚の子は黙った。・・・

さらに我々は、山の奥に向かうべく、獣道(農道)を進んで行く。・・・のぼりが続いたと思ったら、今度は下りが続く。・・・大木と草木の間の細い小さな道を、みんな並んで進んだ。・・・

途中で親戚の子が何かを見つけたらしく、みんなに先に行けと言い出した。・・・

我々は、進みながら「あいつ、なんか嫌な奴やなぁ~」・・・「まあ、今日だけや、別に付き合いせんでええ!」・・・そんな話をしながら、別に何かある訳でもなく、ただ山の中を歩いて行く。・・・涼しい風と蝉の声、遠くで澤の水の音。木々の間から、時々現れる太陽と白い雲。鳥たちの声が気持ちいい。・・・

歩いていると、親戚の子が追いついた。・・・みんながどうしたのかと聞くが、「いや、なんでもない!」・・・私は、彼が何かを見つけたところを見ていたが、変なので何も言わなかった。・・・

しばらく進んでいると、親戚の子と仲間の一人が、後ろの方で、コソコソと話している。・・・それを見たせいちゃんが、「なにコソコソしてんねん!そんな事してたら、さらわれるぞー!」・・・ここは、山の中。山には山の神がいる。半端な事をすれば、二度と帰れない。・・・

親戚の子と話していた仲間が、「ええ物見せタル言うから~」・・・みんなが集まった。・・・

親戚の子が慌てて言い出す「おい!言うなっていうたやろー。言うたらあかんねん!絶対渡さん!」・・・「???」・・・

なんだ、なんだと、親戚の子に詰め寄った。・・・

彼は、ポケットからゆっくりと何かを取りだした。・・・彼の掌には、コクワガタ虫がいた。・・・

彼はしきりに言う「絶対やれへんぞ!俺のもんや!絶対あかんからー」・・・

みんなは、クワガタより彼の言動に驚いた。・・・

「だれが取るって、言うた?」・・・よっちゃんが言う。・・・「クワガタか~小さいなぁ。逃がせよ~」・・・せいちゃんが言う。・・・「自然を取るな!逃がせ、逃がせ」・・・私が言う。・・・

「えっ?なんで?みんな欲しないのん?」と親戚の子。・・・みんなは口をそろえて「いりませ~ン!」・・・

しばらく歩いていたら、親戚の子が言い出した。「なんで?みんな、そんな感じ?僕、今まで自分の物でも取られたし、頭悪いとかいじめられた。だれも助けてくれへんかったのに、なんで?」・・・

それを聞いたみんなが立ち止った。・・・「当たり前やんか~。仲間やもん!仲間のモン取るか?いじめたりもせん!助け合うのが仲間やろ~!」と、みんな口々に言う。・・・

親戚の子が泣き出した。「僕、こんなんはじめてや~なんで?」・・・

そして、山を越えて町に出た。・・・

親戚の子とは、その町で別れて、我々は来た道を戻った。・・・帰り道は、来た時より早かった。・・・何時しか、走り出して「競争や~」・・・

原っぱの自転車の所まで戻り、自転車に乗って家路を急ぐ。・・・途中我々は、歌を歌いだした。「上をむーいて、歩ーこうー。なみだが、こぼれ無いようーに~・・・思い出す、夏の日!ひとりぼっちの夜~」・・・夕日が、紅かった。・・・

そして、数日後、学校が始まった。・・・

昭和の頃のお話でした。・・・

 

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