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Cd値と空気抵抗

2010-06-06 | なんちゃって自動車工学
※カテゴリ新設のため移動しました※
燃費向上などのキーワードとして、Cd値が話題になっているのをよく見かけます。
30プリウスが0.25という市販車ではトップクラスの値だというのも、発表の頃にはかなり話題になっていました。
もちろんこの値はたゆまぬ技術研究の成果だと思いますし、すごいことだと思います。
でもなんかこのCd値が小さいと空気抵抗が小さいかのような書き方がされていることが結構ありますよね。
もちろんご存知の方も多いと思いますが、Cd値というのは抗力係数といって形状に因る値ですが、これだけが空気抵抗の大小を決めているわけではありません。

空気抵抗(抗力)は、

(D:抗力、ρ:空気の密度、Cd:抗力係数、A:前面投影面積、v:速度)

とあらわされます。速度の2乗に比例するっての話はよく聞きますよね。
抗力はCd値と前面投影面積の掛け算になるので、たとえCd値が小さくても、前面投影面積が大きければ空気抵抗そのものは大きくなります。空気の密度は同条件として、同じ速度で走ったときの空気抵抗の少なさを比べるならこのCd値と前面投影面積を掛けたCdAで比べるのが理にかなっています(WikipediaのCd,CdA一覧)。

ということでなんとなく思い立って30プリウスと我らがZ32のCdAを比べてみたいと思います。
さすがにプリウスはこの手の話題に事欠かず、前面投影面積もCdAもすぐ見つかりました。Cd値はご存知0.25、前面投影面積が約2.30m2、CdAは0.575m2だそうです。

一方のZ32、Cd値はカタログに0.31と誇らしげに書いてありますが、前面投影面積は書いてありません。ググっても見つかりませんでしたのでExcelを使った面積測定ソフトで画像から測定してみることにします。
正面からの図面があるとよかったのですがあいにくカタログには平面図と側面図しかなかったので、真正面からのこの写真から測定します。

面積測定中
面積測定ソフトは画像に重ねてオートシェイプで形を描いて、その面積を計算してくれるものです。ヘッドライトあたりの赤線が長さの基準です。
結果、前面投影面積は約1.765m2ということになりました。やはり車高が効いてけっこう小さいですね。
ですのでCdAは0.31×1.765=0.547m2となります。
お、プリウスよりも小さくなりましたね!
まあこうなったのでこの記事を書く気になったわけです(笑)
面積の測定精度がいい加減ですが、だいたいこんな感じなんじゃないでしょうか。
ということでCd値だけでは空気抵抗の大小はわかりませんので雑誌記事に惑わされないようにしましょう(^o^)/

でもプリウスは初代からすると寸法が大きくなっていますが、CdAはむしろ向上しているらしいです。大きくなっているのにCdAも小さくなっているんだからすごいですね。一説によれば床下のフラット化が効いているとか。やはり床面フラット化をしないといけませんな(笑)

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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (AKY)
2010-06-09 04:26:47
Z32(前期型ノーマルボディ)の前面投影面積は、1.89㎡になっていますよ。
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Unknown (HRD)
2010-06-10 19:50:46
こんばんは。
あれれ、けっこう違いましたね(^^;)
元が拾い物の画像というのもありますが線の引き方が甘かったかも?
この数値って、どこかに書いてあるんでしょうか?
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Unknown (AKY)
2010-06-14 07:43:42
関東に住んでいた頃、谷田部チャレンジを目指していた時期もあって、その頃メーカーから調べたデータです。
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Unknown (HRD)
2010-06-15 22:22:23
谷田部ということは最高速チャレンジということですよね?さすがAKYさん!いろんなことやってられるんですね~(^o^)
返信する

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