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テリオスキッド タイミングベルト交換

2015-06-07 | クルマの話

テリオスキッドってこんなやつ
えーっと、長らく放置した上にいきなりぜんぜん違うクルマの話ですが…少し前にテリオスキッドのタイミングベルト交換をしましたので記事を書いてみます。
「タイミングベルトをDIYで交換!」というとなかなか素敵な響きですよね(?) 今回はそんな響きに惹かれて作業を引き受けたわけですが、私自身もDIYタイベル交換を実行するのは初めてです。

なんでいきなりテリオスキッド?という感じですが、私のではなくて家族のクルマです。いわゆる下駄車なのですが、見所が無いかというとそうでもありません。軽自動車では非常に珍しい、3気筒ターボを縦置きしたFR車なんです。FR車は比較的作業がしやすい上、このエンジンはカムプーリが1個(後述)、各部締め付けトルクも低め…と、テリオスキッドはタイベル交換入門には最適な車種のひとつです。たぶん。
意外にも?ネット上にDIYタイベル交換の情報があり、修理書と合わせてみれば何とかなりそうです。

今回はタイベル関連として
 ・タイミングベルト
 ・テンショナー
 ・クランクシャフト/カムシャフトオイルシール
 ・ウォーターポンプ
をセットで交換します。また、ついでに
 ・オルタネータ
 ・セルスタータ
をリビルド品に交換することにしました。これだけやればしばらく安心して乗れそうです。
この「ついで」のはずのセルスタータ交換に意外と苦労することになるのですが…


エンジンルーム1エンジンルーム2

まずはエンジンルームの全景を観察。軽で縦置きのFRなんて、軽トラなどの商用系を除けばこれとカプチーノくらいでしょうか?なんだか前時代的というか、意外と隙間が多くて余裕のあるレイアウトに見えます…。

クランクプーリボルト緩めカバーを外してご対面

いよいよ作業開始です。
付帯作業として、作業空間確保のためにラジエータを外します。このクルマはATですのでATクーラ配管も繋がっていますので注意です。ちょっと隠れていますがウエスのあるあたりに配管が来ています。
タイベル交換の難関のひとつが、このクランクプーリ外し。今回は手持ちの電動インパクトで緩めることができましたが、割とギリギリな感じでした。プーリが取れるとカバーが外せるようになり、この姿に。
先述のようにカムプーリは1個ですが、エンジンはDOHCです。ベルトの掛かっている排気側と吸気側はギヤ駆動となっています。

クランク軸あたりカム軸あたり

テンショナは油圧とかの自動調整ではなく、ベアリングが長穴になっているシンプルなタイプ。後で張り調整を自分でやらないといけないので、まずは現状の張り感を確かめておきます。
もちろんマニュアルにやり方は書いてありますが、こういうのは感覚的なものも大事だと思います。
今回、カムシャフトのシールは交換する予定でしたが、表に突き出ていない吸気側のプラグ付近からオイルにじみがありますね。まあ今回は様子見です。

プーリ、ウォーターポンプ外し新品ウォーターポンプ

ウォーターポンプ(以下WP)を外す前の写真を撮り忘れてしまいましたが、WP、上下プーリを外すとこんな感じになります。

クランクシール外しクランクシール取り付け

クランクシャフトのオイルシールはリップ部をカッターナイフで切ってからコジるとやりやすいってダイハツの修理書に書いてあったので実践。なかなかやりやすかったです。
装着は事前にホームセンタでノギス片手に調達した塩ビ配管部品を利用。圧入はかなり軽く、問題なく取り付けできました。一応上下の合わせ面付近には液状ガスケットを少々塗っておきましたが…ここは漏れやすいところだと思いますのであまり圧入が軽いとなんだか不安ですね。

スタータはオルタの奥もうちょい奥はこんな感じ

さてここでちょっと寄り道。オルタネータとセルスタータを交換します。
オルタネータは表から見えていますし、ベルトもすでに外していますので交換は簡単ですが、問題はスタータです。
FR車ということで、スタータはミッション横にあるのかなと思っていましたが、実はオルタネータのずっと奥に、エンジンルーム側から刺さっています。左の画像でスタータの背面が見えているのですが、手前でボケているのはオルタのブラケットです。右の画像はもうちょっと奥にカメラを突っ込んだ画像。これでやっとスタータの全容が見えます。

ミッション側から要エクステ…

スタータは奥まったレイアウトなうえ、2本の取付けボルトは1本がエンジンルーム側、もう1本はミッション側から取り付けられています(!) そのためミッション側からは結構遠いアプローチに。スタータを交換するだけなのになんだか大変…

スタータ外し新旧スタータ

そんなこんなで苦労しながら外すとこんな感じです。穴からはリングギヤが見えています。
右の画像で取付けボルトが表裏からねじ込まれている様子が見えるかと思います。

カム側合いマーククランク側合いマーク

さてさて、スタータ/オルタの交換を済ませれば、あとは本来のタイベル交換に戻り部品を組みつけていきます。
ベルトの位置あわせ、張り調整はタイベル交換の山場です。位置あわせは要するにマークを合わせるだけなのですが、ここは慎重に何度も確認しました。もともとベルトにマークが付いていますが、見やすいようにピンクの印を書いて作業しました。

新旧テンショナ手作り冶具使用で締付け

そうそう、タイベル交換の難関のひとつがカムプーリ/クランクプーリの締め付け時の回り止めだと思います。今回、カム側は右の画像のような手作り冶具で、クランクプーリは写真を撮り忘れましたが市販のVベルトレンチ(こんなの)を使いました。このエンジンはクランクプーリの締め付けトルクが98Nmと低いのでこれで乗り切れましたが、もうちょっとトルクが高い場合はもっとちゃんとした回り止めが必要になりそうです。

ベルト張り完了見た目は最初の画像と変わりませんね…

ベルトの合わせと張りが終われば、もう作業も終盤。残りは外したパーツを組みなおしていけばOKです。カバー類、補機ベルト、ラジエータを組んで、冷却水を入れて…まあ地味に時間は掛かりますが難しい作業ではありません。エンジンをかける瞬間は少々緊張しますが、無事に掛かってくれてほっと一安心。

終わってみると、やはりポイントになるのはクランク/カムプーリの緩め・締め付けやベルトの位置あわせ、張りなどの作業ですね。特に締付け時の回り止めや狭い場所での高トルクの確保なんかが問題になりそうだなあという感じです。

以上、DIYでのタイミングベルト交換のレポートでした。

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