goo blog サービス終了のお知らせ 

howdyの勝手気まま

テニスの記事、映画DVDの感想、愛車の日記

北京パラリンピック・ストリンギング行脚記5

2008-10-16 12:31:25 | Weblog
三日目
スタッフの工程表を紹介しよう。今日助っ人が着く。四国からラビットのH尾さん。もう一人、USオープン会場から香港人のD氏が。後半には大阪のヨネックスから、全豪でストリンガーも勤めた社員ストリンガーが。会場の張り代は中国紙幣で100RBM(元)。基本的に糸はすべて選手の持ち込み。
日本の金メダル期待の国枝さんの張りの依頼が。世界NO.2のフェデラーが私よりもっとすごい偉業を成し遂げたと尊敬するプレイヤーだ。
 ラケットのヨーク部には「俺は最強だ」の文字が。これは国枝さんのホムペを参照されたい。http://www.tennis-navi.jp/blog/shingo_kunieda/
 三時半頃H尾さん到着。男二人の所帯がこれで三人に。不慣れなマシンとのことで、少しは慣れている僕がマシンの説明をし、張りの方法について意見を交わす。この頃には、いきなりやってない張りをやるより、互いに慣れた張りでこなそうということになり、問題もクリアー。結局イギリス選手からの張りは3本しかなく、肩すかし。今日までの傾向ではかなりの選手がフル、または縦糸にナチュラルをオーダーしている。しかし、ポリの糸もかなり多い。
 中国の生活様式に触れておく。心配されたトイレの囲みはさすが新設だけにどこにでもあったが、様式にウォシュレットは一切なく、新しいはずの小便器は必ずどこかアンモニア臭い。清掃人が恐ろしくトイレに出入りしているのに、小便器回りはシッコが散らばっていて、溜まりに。こちらも自然遠距離から便器をねらうからまた周りを汚すの悪循環。おまけに二日目で早くもトイレをつまらせたがよく扉をみたら、紙に文字が。「ペーパーを水に流さず、便器横のTRASHに捨てろ」と。この紙の積み重なった物はそれであったかと思ったら途端にトイレが気持ち悪くなってきた。人件費が安いからか、どこのレストランでもすごい数のウェイトレス&コックが。さながら、街の食堂に、ホテルオークラの50人会場並のスタッフを用意したくらい。各テーブルに1~2名がつき、英語はまず話せない。ウエイトレス達の食事の時間になると、客の居るいないにかかわらず、どっと隣の2~3卓を占領し、その食べ方は肘をついたり、お膳に箸をつきさして持ってくる女の子もいた。テーブルはとにかく食べ散らかす。拭いたあとのテーブルでもどこか汚れている。店に入っても、笑顔で迎えてもらえない。片言で中国語を話しかけても聞かぬふり?你好(にぃはお)って言葉は親しくもない場合はほとんど無視された。日本だったら愛想であっても笑顔はもっと振る舞ってもらえる。それともこれが正直な人間の姿?あぁ、中国人はお嫁にもらえないな。
本日の張り替え8本

北京パラリンピック・ストリンギング行脚記4

2008-10-16 12:28:24 | Weblog
二日目
今日の中国は、前日の雨で珍しく晴天。これは青空。すがすがしい気持ちで会場入り。会場に入ると、日本、イギリス、中国からの選手もエントリーしていた、緊張モードに。空いた時間でコートを回って、プレイを観察。
 日常用でない、車輪がハの字に傾いた試合用スペシャルの車椅子を使う選手達に、健常者のコーチがヒッテイングパートナーを務めていた。背中の日の丸ですぐわかる日本選手団を見つけたときには、思わず頑張れって心で叫んでしまった。ここでパラリンピック・テニス大会の概要を説明しよう。2008年9/8から本戦開始、17日閉会式のイベント。参加国31カ国。男子シングルス64名、女子シングルス16名、ダブルスがそれぞれ32/16組。他にクワッドと呼ばれる四肢障害(もっと重度な方)の試合もあり、一人のNICKさんは電動椅子に乗っていた。このダブルスは選手が少ないこともあり、なんと男子ダブルスもミックスダブルスも混じって戦う。バックハンドストロークは車椅子が邪魔になるらしく、見た選手全てがスライスで。サーブは打点が低いせいか、かなりスピンで擦っているのがわかった。しかし、インターハイ男子よりは切れなさそうな印象。大会スポンサーはLENOVO,VOLKSWAGEN,VISA,Panasonic,Coca Cola,その他不明な中国企業。中でもアディダスはオフィシャルウェア提供の他に40億にものぼる出資だそう。ボランティアしていたスタッフに聞くと、シューズ短パン以外に、6着のスタッフウェアをもらっていると。いやいや凄まじい。
 使用球はウイルソンUS OPEN。ボールが毛羽立つとか、やはり飛び気味というのが日本選手の印象であった。
 暇で退屈だった部屋に緊張が走ったのは、四時前にいきなり日本の斎田さんや藤本さんが訪れて、張り替えを頼んでいかれた時。挨拶をし、頑張ってくださいと声をかけた。斎田さんの腕は競輪選手の足くらいに太かった。まさにアスリート!
 それから、南アフリカなどの選手がばたばたと訪れ、計五本の張り替え依頼があり、全てをこなしたのがPM9:00。ほとんど人気のない会場を後に。
 S氏との会話。「明日はイギリス選手団の選手が14本持ってくるらしいから、もうまともな食事はとれないと思うから、最後の奮発で豪勢に行きますか?」に意気投合。日本で言う銀座みたいな王府井(わんふーちん)に繰り出し、香港料理に舌鼓。こりゃ旨かった。日本人の舌に合う!しかし値段も高かった。ビール3本とあわせ、日本円にして二人で¥6,000。これが高いといえるくらい、中国は物価が安い。ご馳走様でした。
 帰りはタクシーを拾ったが、これが仰天!ノーウインカー、ノー車間距離。ホーンで車をけちらし、事故が起きないのが不思議なくらい。僕の免許取り立ての頃の方がまだましだった。しかも、道を知らず、英語が話せないときているから、戻っていくはずが迷ったあげく、中心街近くのセンタースタジアムの鳥の巣やら、北島選手大活躍のウォーターキューブの観光が図らずもできた。夜のプールの外装はフィルム素材でできており、青い照明で光り、綺麗だった。
 タクシー料金は倍かかったが、気持ち的には超ラッキー。
帰宅して洗面台で洗濯(ランドリーに預けられるが、下着はダメとのこと)も終わり、テレビをつけてみた。40あるチャンネル全てが中国語。2~3チャンネルはTVショッピング..これがしつこく、長く、中国語で怒ったかのようにまくし立てる。5本くらいがいわゆる京劇。かつらの境が丸見えで日本とくらべ、めちゃ手抜き。日本のホームドラマやアニメの「エースをねらえ」や「どらえもん」をやっているが、わかりゃしない。あきらめて我睡眠zzz。    
本日の張り本数5本

北京パラリンピック・ストリンギング行脚記3

2008-10-16 12:24:16 | Weblog
一日目
朝ご飯で次のトラブル。早起きして、1F食堂に行き、配膳台越しに料理を見ても、全てが見たことも味の想像もできない別世界。隣の献立表を見ても書いてある漢字がチンプンカンプンでどれを指すのかもわからない。バイキング形式で好きなのをトレイに乗せるものと思っていた僕には、料理を指さしてもらうしかない難しいパターン。
 とりあえず、チャレンジで食べてみようかとルームキーを見せながら、部屋に勘定をつけて食べさせてと話すが、誰も英語を話せず、現金のみだと追い返される。何をいいたいのか理解してくれてもよさそうなもんだと思うが..これも中国?悲しくなった僕は部屋に戻りしばし待ち、約束の時間になってからS氏の部屋をノック。今起きた顔のS氏曰く「どうしたんですか?こんな早く。言い忘れましたが現地時間は時差で一時間遅いですから」あれれっ。そういえば飛行機の降りる前に現地時間のアナウンスがあったけど、機内で電源入れるなって言うから携帯切ったままで、時間の修正をし忘れていた。失敗。
 再度、二人で出直し、身振り手振りで料理を注文してみる。「油条」..いわゆる揚げパンは薄味だけど味はまぁまぁ。中国米は小粒でおかゆ風。全然味がなく、それがテンコ盛りだからつらい、タケノコと豆の煮物は妙に激辛!しかしオレンジジュースは全然いけた。そこそこうまかった。慣れ親しんだ味とは微妙に違うけれど、何とかいける。これは、中国で飲むコーラやスプライト全てがそうだった..中国向け仕様なのか?
 入場パスをぶらさげ、歩いて3分の距離にあるテニス会場に向かう。なるほど、中国の空はどんより、濁っている。周囲にあるはずの山は全て霞んでいる。入場ゲートでカメラによる顔認証とパス認証後、あきれるほど用心深いセキュリティを通過。今は暇だから、こんなに厳重だけど、本番始まると全然簡単に通すよとの話、意味ないじゃーん(*_*)。広い敷地にはフィールドホッケー、アーチェリー、ブラインドサッカーの会場も併設されていた。
 メインスタジアムを通り抜け、実行スタッフ(五輪と同じメンバー)に挨拶を交わし、ストリンギングルーム..我が仕事場へ入る。回りはほとんどが前回の五輪の時にボランティアしていたスタッフで顔なじみが多い様子。大学生が多く、そこそこ英語を話すので意思の疎通は一安心。にしても現地叩き上げのS氏の英語力はすごいと感心することしきり。発音もネイティブでまさに会話ができている。もう少し、英語力つけとかなきゃと発奮。
 この日は、マシンの並べ替え、調整、清掃に終わった。肝心の参加者は誰一人見えず、スタッフがテニスを遊んでる程度。昼食を食べようにも、一時台でそそくさと終了。ランチ券を前売りしているにもかかわらず、時間になると何食残していてもさっさと閉めちゃうとか。払い戻しもなく..。これまた中国流なんだと教えられ、この日の昼飯は抜き。三時過ぎに到着した代理店のKK氏も、「この日は、所有の車のナンバー末尾が偶数のため、運転できないから買い出しできなかった」と冷たい。 
 会場はマックがスポンサーゆえ、KFC(ケンタ)は目の敵にされ、外部からの食料持ち込みも禁止されてるとか..。なのに、会場の店は閉まってるし..。
結局この日は張りもなく、終了後中国料理をごちそうに。味は60点。夜はホテル併設のジムで人生初のベルトランニング。コマネズミになった気がしたが健康的に一日を終える。

北京パラリンピック・ストリンギング行脚記2

2008-10-16 12:19:40 | Weblog
8/29 久しぶりの成田空港着。しばらくの食べ納めと「そじ坊」でカツ丼とそばのセットを胃に納める。空港のTSUTAYAで中国語講座を購入。心残りは買い忘れたカップヌードルのみ..日本を発つ。にしても相変わらずあのジャンボの重い機体が宙に浮く瞬間は気持ち悪い。
 インディジョーンズの最新版「クリスタル・スカルの王国」も後半のヤマ場だってのにもうすぐ北京とのアナウンス。もう少し早く放映してよ。
飛行機の窓越しに見える夜景はというと、宇都宮と比べても全然田舎、殺風景。田畑が延々。人工が少ないのか、民家の明かりが道路の回りにほとんどなく、道路を走る車もまばらだった。
 また、手を握りしめる緊張の後、無事着陸。ホッとしながらも、同じ便に同乗しているというヨネックス海外営業部のS氏の後を追う。ヨネックスのバッグとウェアを身につけたS氏は案外早く見つかるが、出会えた場所がいけなかった。階段を下りた場所で初のご対面だったが、「パスの認証登録はすませたか?」との問いに首を振る僕。あわてて二階ロビーのパラリンピック受付デスクに戻ろうとしたが、エレベーターで上がった僕らを、中国人は出させてくれない。しかも英語を話せないときてるから埒があかず、トラブルとみて関係者が駆けつけてくれ、ようやく認証を終了。S氏曰く「これが中国だから、もうすぐカルチャーショックがあるよ」とのこと。空港から10分近くも地下鉄に乗り(その間、スーツケースを受け取れてないことにヤキモキしながら)降りた駅で荷物をゲット、一安心。ゲートを出ると現地のヨネックス代理店「ウィルケンスポーツ」のKK氏がピックアップに。実際は、中国五輪委員会から依頼されたのがこの会社であった。私たちの雇い先である。KK氏は日本語が全くダメで、話すのはちょっと聞きづらい英語と中国語。見たこともないビュイックの中国ヴァージョンのミニバンに二人の荷物を積み込み、さっき見えた?高速道路を一路ホテル「京師阻光安館」へ。該当車線がまったく走行してないことに理由をたずねると、この五輪関係者のパスや許可証を携えてる人間だけの走行規制を施行中とのこと。さっすが中国。
 そのカルチャーショックは20分後に到着のホテルですぐ起こった。ホテルは高級住宅街?のエリアを柵で仕切った内側にあり、門番が護衛している。KK氏の宿泊客だから入れてくれとの依頼に「宿泊してないから」NOと断るガードマン。むこうならと回された、もう一つのゲートでは「ここは出口専用だから」と拒否。最初のゲートにプンプン怒りながら、駐車。まもなく迎えに来たホテルのフロントの子が持ってきたのは、ショッピングカート。スーツケースが一つしか入らない。僕はキャスターがあるんだからこのまま行こうというが、KK氏が今度はNO!せっかく積んだスーツケースをまた車に積み戻し、さすがにフロントが来てくれたおかげで、ゲートから余裕でホテル入り口に車を横付け。
 安心してKK氏は帰宅。どうやら彼のイメージがこの、横付けで荷物を下ろすことにあり、それができなくて苛ついていたんじゃないかと。
フロントでは、パラリンピック開催中だからかいつもの慣習なのか、厳重な荷物チェック。明日九時に1F食堂に集合との話で解散し、部屋に入る
新しい建築らしくダブルベッドだがどことなく殺風景。トイレは洋式。風呂は浴槽なしのシャワーのみ。2種類のシャワー、ソープが用意してあったが、中国語で読めず、「洗友水」と「沫浴露」とあるうちの緑の液体で洗ってみたがこっちがリンスinシャンプーであった…おやすみなさい。


北京パラリンピック・ストリンギング行脚記1

2008-10-16 12:05:32 | Weblog
それは、突然鳴り響いたヨネックスの電話から始まった。携帯に出ると
親しい販促部のK氏で「増田さん、助けてくれませんか」という。
内容を聞くと、北京五輪の後にあるパラリンピックのストリンギングの依頼であった。折角の国際大会のチャンスであるし、店に8月のスケジュールを聞くと、売れない芸人のように真っ白だと言うから快諾した。
今回の五輪は、中国に任せられるストリンガーがおらず、バドつながりでヨネックスに硬式、ソフト、バドのストリンギング依頼が入ったとのこと。期間は8/29~9/12までの2週間というロングスケジュール。
 大慌てで、いつ使うかもわからないけど10年ビザを申請。その後、お客さんから北京にまつわるいろいろな情報が僕を困惑させた。「鳥インフルエンザが蔓延」だの「狂犬病が流行り」だの「水を飲んだり、カットフルーツを食べたら即下痢になる」等々。
 何より、その電話のあった2週間後にK氏は会社を休んでいる。聞くと原因不明のウィルス?に犯されたとか…「コワッ」仕事の栄光と引き替えに命を削るのかと思うと、今まで飲みたいだけ浴びるように飲んできた怠惰な生活とのお別れのような気さえしてきた。
病院に相談すると、破傷風とA型肝炎、B型肝炎を日にちを変えて計6本注射された。これだけでも中国は危ないと思うに十分だったが、さらに鳥インフルエンザ対策で高性能マスクも仕入れ、準備は万全、死ぬことはないだろうと。
出発4日前に、K氏が会場のパス渡しと、事前打ち合わせに訪れてくれた。
内容は①張りのパターンをストリンガー同士で統一して欲しい②ショートサイド2本を先に張って、ロングをボトムエンドで張って欲しい(ロングは先にアラウンド・ザ・ワールドで回しトップに通してからヨークに向かって張る)③目打ちの使用は控えて欲しい..その他であった。
 出発直前に、先発で五輪から戻られた山森さんや羽賀君からの、現地情報で空が霞んでいるだの、かなり食事がまずいからカップヌードルは必需だの、マスクは誰もしていないのにつけるなんてKYになっちゃうし、対日感情も悪くするから持って行っても付けられないよとの助言をいただいた。あぁ自分の身を守れないではないか!心配していた水は現地で用意してくれるはずとのこと。
さらに、清掃用のアルコールやテレピン油は危険物扱いで機内にも会場にも持ち込めないとのこと