ねこなんて大っ嫌い

ってずっと思ってたのに。
死にそうな子ねことの出会いが生きる力を与えてくれました。
バツ2でも結構幸せにやってます!

「息子へ」第1話 (偶然の幸運)

2019-02-15 05:55:55 | 「息子へ」
23歳で結婚した息子は、現在34歳。
二人の子を持つ父となりました。


息子が結婚して家を出る時に、私から息子へのはなむけの言葉として持たせた「息子へ」という一冊の小冊子。そこから抜粋した、今回は第1話(偶然の幸運)をご紹介したいと思います。


もう30年くらい昔の、息子がまだ5歳くらいまでの話。


これまで3話・4話・5話を紹介させて頂いた「息子へ」の始まりの1話を、宜しかったらご覧ください。




月並みだけど、
巣立っていくおまえに
餞(はなむけ)の言葉を贈ろう。


思えば
私が今の私でいられるために、
一番多くのことを教えてくれたのは、
おまえだったかもしれないね。


おまえが、
自分のことを
「しゅん」
と呼ばなくなって何年経ったのだろう。
随分前のような気もするし
ついこの間のようにも思える。
おまえは「しゅうへいくん(仮名)」と言っているつもりのようだったが、
誰が聞いても「しゅん」としか聞こえなかった。


「ママ、ママ」
って言っていたのも。

いつの間にか私のことは
「あなた」と呼ぶようになっていた。



話したことあったかな。
おまえの芽生えを
初めて身体に感じた時、
病院を3軒もまわり、
そして全部で否定された。
尿検査だってマイナスだったんだから仕方ないよね。
でも
私には確信めいたものがありました。


4回目の検査で
「おめでたですね。」と言われた時、
「ありがとうございます。」と口では言ったけど、
心の中で
「ほらねー」と突っ込んだのは
遥か23年前。




1歳ちょっとで
おしゃべりを始めたお姉ちゃんと違って、
おまえは
「ちゃんちゃい(3歳)」からしか喋れなかった。


思いと言葉を繋げることがひどく苦手だったね。
それは今も変わらないけど 笑


そのせいか、
幼い頃は「癇癪持ち」で「我侭」
手のつけられない
わかり易い「やんちゃ坊主」でした。




子供って
おとなしくしている時は、
よからぬことをしていると
昔から相場は決まっている。


水を張った洗濯機の中で
ガランゴロン回るドライヤーを
首を突っ込んで
食い入るように見つめていた後姿。
(もちろんドライヤーを洗おうとした?のは他ならぬおまえ)



近くの川原で捕まえた亀の甲羅に
紐をかけて
「散歩して!歩いて!」
終いには
首も足も引っ込めてしまった
亀の上に乗って
「おぼっちゃまくんして!」と半べそかいていた。




近所のあっくんのおもちゃを無理矢理取り上げた時、
おもちゃがあっくんの目をかすめて
角膜に傷がついた。


3歳のおまえに
どこまで理解できたかは
未だ不明だけど、
懇々と言って聞かせた。


「どうして人が持っている物を取り上げたりするの?」

「自分がされたらどういう気持ちになるの?」

「あっくんのおめめがつぶれて見えなくなったら
おまえのおめめをくりぬいてあげられるの?」

「これから一生あっくんのおめめの代わりになってあげられるの?」

「おめめが見えなくなって悲しいあっくんの気持ちを
おまえがどうにかしてあげられるの?」

「あっくんだけじゃなくて、あっくんのパパやママにも
どうやっておわびするの?」

「どうしてママがいつもダメだよっていってることをしてしまうの?」

「いったいおまえの頭の中には何が入ってるのー!?」
(このあたりはもう悲鳴に近い)



握り締めた小さなこぶしを
膝の上で揃えて
ちょこんと正座をしていたおまえは、
ぽろぽろ涙をこぼし、
小首をかしげて
「おみちょちる・・・」って言ったね。


お互い涙と鼻水で
デロデロだったけど、
おまえを力いっぱい抱き締めた。


目の前の現実と
「脳みそ」さえちゃんと言えない幼いおまえを
どう導けばいいのか、
途方に暮れていた頃。



幸い、あっくんの目は、
その後すぐに快復し、大事には至らなかった。



たぶん
今ある幸せは、
度重なる偶然の幸運によって
もたらされているということです。



与えられた幸運への感謝は、
「努力すること」でしか表せないのではないか。
そんな結論が出たのはずっと後のことだったけどね。





これを書いてからも、10年が経ちました。
自分で書いた文章なのに、しばらく読まないでいると、忘れてしまうものですねー。でもこうして読み返してみると、書いた頃のことも、そして息子が幼かった頃のことも、鮮明に思い出せるのが不思議です。第2話以降は、また次の機会に・・・。お付き合いくださって、ありがとうございました


コメントをお返しできるのは、明日以降になりますが
それでもよろしければ、お声掛けください
2つのボタンをぽちっとして頂けると、と~っても嬉しゅうございます


  
ポチ、ありがとうございました~

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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちゃしろん)
2019-02-15 11:32:55
( ;∀;)胸にじーんときました( ;∀;)
おみちょちる、で泣き笑いです。。。
私の息子はおとなしい子供でしたが
やっぱりお友達のお宅に頭を下げに行ったことあります。
そんなこともポンままさんの文章で思い出させていただきました。
文字にして残してるってやっぱりいいですね。
息子さんの呼び方がママからあなたに変わった時の
ポンままさんのお気持ちはいかがでしたか?
息子から、いつまでもママじゃおかしいから今日からお母さんと呼ぶ
と高らかに宣言された時
息子が私の手を振りほどいてどっか行っちゃう、みたいな
置いてきぼりをくらったような寂しい気持ちでした。
ポンままさんは違うんでしょうね~(;^ω^)
第2話、心待ちにしております<(_ _)>
返信する
Unknown (まぐろ)
2019-02-15 12:04:17
息子さんへの 気持ちを きちんと形にしたことが ポンママさんならでは なんですよね~。
私には 出来ないですもの。

いつからだろう。
ママから  おっかあ に変わった~。
田舎のかあちゃん だけど・・・おっかあ は やめてほしいわ。
返信する
Unknown (おかっぱ)
2019-02-15 18:19:01
小さな頃の出来事、
こうして拝読すれば微笑ましいと思えるけど、
当時のままんを思うと、悩んだり心配したり
真剣に向き合ってたんだなって思う。
これを読んだ息子君、今きっと、
痛いほど、ままんの気持ちが分っているんだろうね。
この本は、何にも代えがたいバイブルだよね。

私ちょうど今、ボスニアヘルツェゴビナが
発音できなくて、練習してんの。
でも全然言えないのね。
だからか、なんだか、
脳みそって言えなかった息子君に、己を重ねちゃった。
別の意味で途方に暮れるよね(こいつめ←わし)

ままん、今日は皆さんと
ゆっくり楽しんでくださいね~。

返信する
こんにちは (菊乃 )
2019-02-15 20:05:08
息子さんへ 
はなむけの言葉として送った小冊子
やっぱり 母の気持ちや昔を思い出させてくれて
良いですよね~
私は 筆不精で デブしょうなもので
このようなものを 書いたことはありませんが
書いとけば 良かったかな~
って 思います
(あっ 息子はまだ結婚してないや)
返信する
Unknown (KAZU)
2019-02-15 21:12:28
私は腹を痛めてないのでそこまでの思い入れはないかもしれないです。。
逆に子供たちのほうが私に手紙をくれました。

3人の子供たちで一番大変だったのはちびでした。
ママさんのお兄ちゃんと同じよなことばかり(^_^;
どうしてなんでってそんな感じで混沌としてました。
苦労しました。。
あとでその理由がわかったときは逆にホッとしたもんです。
なるほどねって

おにーは親になって初めて私に感謝の気持ちを言葉に出して言いましたよ。

親ってね。。
小さい頃は早く大人になって欲しいって思ったけど
大人になったらなったでまた違う心配やらなにやら。。
死ぬまで親とし子供の心配は尽きないですね。。
そう考えたら自分も何ほど親に心配かけていたんだか(^_^;
親はそれでいいのか。。って思っちゃいます
返信する
Unknown (小春母)
2019-02-15 23:32:44
何か入り込んで読んでしまいました(^.^)
やっぱり男の子。
結構なヤンチャ君だったのでしょうか(^^;
お友達の眼を傷つけてしまった時のお話。
いっぱい叱ったけどそこには愛があって。
上手く言葉に出来なかった息子さんにもちゃんと伝わってたと思います。
叱った後はその何倍も抱きしめてあげる、深い愛情。
息子さんはそういう事を思い出しながら子育てをし、次の世代へ愛を繋げていってるんですね(^-^)
第2話も是非読んでみたいです!
返信する
Unknown (小豆ママ)
2019-02-16 07:13:29
おはようございます
昨日 何度も拝見し 今朝も拝見し
ほろりとしてしまいました
親心.. 計り知れないですね
子どもに対する愛情の深さを感じます
いつも面と向かって言えないことを
文章に残すことは難しいですが
息子さんはこれを読んで きっとままの気持ちを
理解してくれて喜んでくれたでしょうね
洗濯機のエピソードでは 笑ってしまいまいた
私の弟も高速で回る扇風機の中に
乾電池を入れて 羽を折ったことがあるんです
(昔の扇風機って 中に手が入れらたでしょ.. 笑)
男の子の思考回路って似ているのかな..
次の投稿も楽しみにしていますね
今朝 にほんブログ村が2位になってました~♪
嬉し~い☆
返信する
Unknown (桜吹雪)
2019-02-16 08:43:43
とっても感動しました。
途中、ちょっと涙がウルウルッと…
やっぱりポンままさんは、素敵なお母さんだと思います。
子供にも、ちゃんとお礼を言い、それをこうして形に残し、そして大事な時に渡す。
いいな~
こんなお母さんに育てられたお子さんは、自然と、感謝を相手に伝えられる、そんな人に育つわけなんですね。
と思いながら、読みましたよ。

二話以降も楽しみにしております!
返信する
ちゃしろんさん♪ (ポンまま)
2019-02-17 00:27:19
わぉ!ちゃしろんさんの胸にもじーんと!?
ありがとうございますm(_ _)m
そうですか、息子さんはおとなしいお子だったのですね。
それでも、そうですね~、男の子ですもんねぇ。
辛いことを思い出させてしまいましたか?
それとももう、遠い昔に過ぎたことなので
ほろ苦い思いが蘇っただけで済みましたか?
優等生で挫折を知らなかった私にとって
人様に頭を下げるというのは、初めてのことで
何と言うか・・・とても辛かったのを覚えています。
第二夫と二人で、額を床にこすりつけて、
土下座をしたこともあったな~。笑
あ、でもその話は多分投稿しないと思いますがf(^^;)
あ~、そうですねぇ、余り良く覚えていないのですが
多分高校生の頃だったと思うんです、あなたって
私のことを呼び始めたのは。
私はただただ嬉しかったように記憶しています。
とにかく早く成長して欲しかったから。笑
ちゃしろんさんのような気持ちを持たれる方こそ
母として相応しい方だと思うんですよ。
私にはそういう気持ちが欠落していたと思いますf(^^;)
いつもありがとうございますm(_ _)m
また、近いうちに第2話も投稿させて頂きますね(^-^ )
返信する
まぐろさん♪ (ポンまま)
2019-02-17 00:31:35
いや~、もうホントに手強い息子だったんですよー。
ですから文字に残さないと、結婚したと言っても
全然安心は出来ませんでしたf(^^;)
あはは~!おっかぁですか~(^w^)
うん、確かにまぐろさんのイメージとは
程遠い感じがする~。笑
でも、それもまた、息子さんの愛を感じる気も
いたしますよー(*^。^*)
とっても仲良し母子という感じです♪
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